小論文ノー勉の受験生が直前期にできる"現実的"な慶應小論文対策
この文章は、残念ながら受験直前期まで小論文演習を怠り、12~2月の受験直前期に焦り始めた受験生に向けて書いています。
具体的には、以下3点に当てはまる受験生です。
- 予備校や塾の小論文講座も取っていないノー勉状態
- 今までほとんど小論文を書いたことがない
- 小論文は独学で指導してくれる人がいない
はっきり言ってかなり厳しい状況です。慶應受験生としてはあるまじき状況だと言えます。
それでも、慶應を受験することだけは決まっている。入試日が迫っている。そんなあなたのために書いています。
はっきり言って、付け焼き刃、悪あがきの勉強法であることはご理解ください。
但し、効果は保証します。
また、本来の意図とは異なりますが、上記とは別に、
- 直前期で小論文の勉強が手につかない
そんな受験生にも有効な方法です。
この記事を何度も読み返して、ぜひ実践してください。
現実的小論対策のポイント
"現実的"のポイントとして、以下3点の縛りを入れます。
- 使う教材は赤本1つ
- 勉強時間は1日2~3時間以内
- 塾や予備校、指導者不要
つまり、やろうと思えば今からすぐ取り入れられる勉強法です。
必要なのは気合いと覚悟だけです。
決して推奨できる方法ではありませんが、ギリギリに追い込まれて悩むぐらいなら、具体的に動いて1ミリでも合格に近づく方がまだマシです。
もしこれを読んでいる高校1~2年生がいたら、直前期で焦らないように、以下のルートを参考にするなり、小論講座を受講するなりしてください。
現実的小論対策の全体像
勉強の全体像は以下の通りです。
- 制限時間通りに過去問を解く
- 手書きで模範解答を書き写す
- 翌日同じ過去問を解き模範解答を再現
- 模範解答を再現できなかった部分は再び書き写して覚える
- 模範解答通り書けるようになったら次年度の過去問へ
- 以下繰り返し
今まで勉強してこなかった人は、小論文の書き方もネタも身についていない可能性が大です。
そこを1から勉強する余裕はありません。
そこで、模範解答の再現を通して書くリズムや表現を身につけ、ネタも仕込んでいきます。
それでは各ポイントを見ていきましょう。
1:制限時間通りに過去問を解く
まずは過去問を時間を測って本番と同じ時間で解きます。
時間無制限だとダラダラしてしまい、やる気も出ません。そこで「締め切り効果」を活用します。
夏休みの宿題を最終日に終わる、文化祭直前に展示物が完成する等にように、人間には時間的制限があると力を発揮する性質があります。
この効果を活用して、小論文演習の第1段階をやっつけてしまいます。
初手の完成度は問いません。
90分なら90分、120分なら120分で、全力で課題分を読み今できる答案を作成してください。支離滅裂でも、小学生並みの文章でも構いません。制限時間でできるだけ答案を埋めてください。
ここでの目標は、実際の入試難易度を体感することです。
このレベルの課題文が出る。このぐらい時間的に厳しい。何書いていいか検討もつかない。
まずはそれを体感してください。
2:手書きで模範解答を書き写す
制限時間が終わったら、解答解説を眺めつつ、模範解答を手書きしてください。
「学ぶは真似ぶ」の格言通り、模範解答を真似するところから始めます。
ポイントは手書きです。
手書きをする理由は、以下の3つです。
手書きで模範解答を書き写す理由
- 読んでわかった気になるのを防ぐ
- 書く練習をする(≒ 漢字や表現を書けるようにする)
- 論理展開やロジックを頭に刷り込む
使う模範解答は赤本
適当に読んで分かった気になる。手で書くことであえてスピードを遅めます。
学校でやらされた朝日新聞天声人語の書き写しのように、適当に書き写すのは禁止です。この後、模範解答を暗記していくので、論理展開を抑えながら写経してください。
書く練習をする(≒ 漢字や表現を書けるようにする)
また実際に手を動かすことで、使える漢字や表現を身につけます。
英語のスペルもそうですが、何度も繰り返すうちに手が覚える状態があります。入試の緊張状態でも正しく漢字が書けるように、日頃から手を動かします。
その際、課題分や模範解答に出てきた知らない言葉はすぐに辞書を引いて、このタイミングで覚えていきましょう。
論理展開やロジックを頭に刷り込む
次回以降で模範解答の再現を目指しますが、その準備段階として、模範解答の論理展開を追ってください。
主張→説明→理由が大きに流れになりますが、模範解答がどうやって読み手を説得しようとしているのかを理解してください。
噛み締めながらテキストを書いたら、声に出して読んでみましょう。書いているときはミクロの視点だったものが、全体を音読することでマクロの視点で模範解答を理解することができます。木から森へ視点へ変え、全体の論理展開を頭に入れましょう。
ここが最も大事な仕込み段階です。もう一度やることを説明します。
- 論理展開を意識して模範解答を書き写す
- その際知らない単語や用語は調べる
- 模範解答をスラスラ読めるまで音読を繰り返す
忘れたら何度も読み返して実行してください。
使う模範解答は赤本
模範解答として使うのは赤本です。
赤本の模範解答が優れているとは限りませんが。ここで紹介するのは"現実的"な小論対策です。
赤本をおいて、これ以上全国に流通していて誰でも利用できる過去問集はありません。また、一定のクオリティも担保されています。
どこかで手に入れた模範解答があればそれを使っても構いませんが、誰でも手にいれることのできる、赤本を前提に話を続けます。
\ちょっと休憩/
3:翌日同じ過去問を解き模範解答を再現
過去問を時間内に時、過去問の書き写しを行ったら、翌日また同じ問題を解き、模範解答を再現して下さい。
その際以下の点に注意して下さい。
復習の際に気をつけること
- 課題文は改めて読む
- 制限時間は守る(早く終わらせるのはOK)
課題文も改めて読み、主張が正しく読み取れているか確認してください。硬めの文章を読むトレーニングにもなりますし、前提知識を入れてから読むと前回とは違った視点で理解も深まります。
初回同様、パリッと集中するために制限時間を設けます。早く終わる分にはOKですが、試験時間を超えて取り組むのはやめましょう。
完璧じゃなくてもいいですが、できる範囲で再現を目指してください。
4:模範解答を再現できなかった部分は再び覚える
再現が終わったら、模範解答を見ながら赤ペンを入れてください。再現できてない部分が論理展開を押さえられていない箇所です。
これを本質部分が完全再現できるまで繰り返してください。
完全再現できた時点で、本番で使えるネタが一つ手に入ります。
中途半端に覚えても本番使えないので、ある程度再現が完成してから次年度へ移ります。
以下繰り返し、5年分の模範解答暗記を目指します。
5:模範解答通り書けるようになったら次年度の過去問へ
使用教材は赤本ですが、慶應の赤本は過去問5年分収録されています。
そのため、収録されている5年分の模範解答暗記を目指します。
直前期で時間はないので、これをMAXとして目指します。少しでも多い年数を目指してください。
模範解答を暗記して意味があるのか?
- 模範解答を暗記して意味があるのかな?
- 同じテーマが出ないのに覚える意味あるのかな?
そう思うかもしれません。
まずは暗記してから言え!!...と言いたいところですが、安心してください。意味はあります。
模範解答の暗記と言いましたが、丸暗記と言っているわけではありません。丸暗記できればそれはそれでいいですが、そこまで記憶力がいい受験生も稀です。
模範解答の再現するために、論理展開やロジック、引用する具体例を手がかりに覚えていきます。完全再現するために、論理展開や具体例を覚えていく。それこそが、本番で解答を作成する力になります。
完全再現を目指すことで、小論文の型を覚える。それがこのフェーズの目標です。
実は江戸時代からある王道勉強法
模範となる文を暗記して型を身につける方法は、実は古くからある勉強法です。
江戸時代では素読で声に出して論語を暗記したり、復文と呼ばれる方法で漢文に習熟していしました。
最近の受験業界でも、白文復元法と呼ばれる手法が一時期持て囃されました。
型を覚えたら使いたくなるのが人間です。
何度目かの再現中には「こういうことも言えそうだな」「自分だったらこう言うな」などと、自分なりの解答も浮かんでくるはずです。
小論文勉強に明確な達成を
この勉強法最大の特徴が、小論文の学習に具体的な目標を立てることです。
小論文というと、とかく曖昧で、学力が上がっているのか上がっていないのか、判断をつきにくい特徴があります。具体的報酬が得られないもの(ここでは眼に見える学力の向上)に脳はやる気を出してくれません。
だから直前期は、やればやるだけ成績の上がる地歴の勉強に傾くのです。
その点、この小論対策は違います。
再現できているできていないか、一発で判断することができます。また、再現度が可視化されるので、日々の向上も体感できます。
言い換えると、限りなくファジーな小論文の学習を地歴のような暗記科目に変えることができるのです。
最後に:やるorやらないはあなた次第
今あなたの目の前にあるのは、【模範解答を覚える】or【模範解答を覚える】の2択です。
手をこまねいて静観するか、少しでも合格に進むか。
解答を眺めるだけか、自らの手を動かすか。
選ぶのはあなたです。
結果の如何に関わらず、全ての慶應受験生が悔いなき受験をすることを願います。
最後の一瞬まで慶應目指して頑張ってください!!🙌
\ お知らせ /
この記事を書いた慶應専門塾GOKOでは、一緒に慶應義塾大学を目指す生徒を募集をしています。
完全マンツーマンで密度の濃い授業を、オンラインで全国の受験生へお届けしております。
慶應を目指す受験生(とその保護者の方)は、以下よりお問い合わせください。
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投稿者
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