関正生の英語長文ルールズ3:難易度やレベル、出題大学や英文出典まで徹底レビュー

この記事では、関正生先生の著書「TheRules3」で出題されている英文の、出題校とその出典元を紹介します。

Webで公開されている記事はリンクから飛べば中身を読むことができます。

TheRules3購入前に、英文のレベルを確認するなどご活用ください。

この記事を読むメリット

  • TheRules購入前に収録英文を読むことができる
  • 自分の英語力を確認することができる
  • 面白かった英文の出典を知ることができる、前後の内容を読むことができる

それでは早速いってみましょう!

ルールズ3のレベルと難易度

TheRules3の公式設定レベルは国公立標準〜私大難関となっています。

では、実際に収録されている出題大学と問題数をみてみましょう。

<国公立>

  • 九州大学 1題
  • 大阪府立大学 1題
  • 信州大学 1題
  • 福島大学 1題
  • 宇都宮大学 1題

<私立>

  • 早稲田大学 1題
  • 中央大学 1題
  • 法政大学 1題
  • 学習院大学 1題
  • 立命館大学 2題
  • 関西学院大学 1題

国公立5題、私立7題のバランスです。

MARCH志望者や中堅国公立志望者向けの問題集と言える一方で、九州大学や早稲田大学の問題も収録されており、最難関大学への橋渡しも目指していることが伺えます。

  • 共通テストは安定して8割超えている
  • ルールズ2はやりこんで完璧

こんな受験生にオススメできそうです。

ルールズ3の出題大学と語彙数

以下がTheRules3に収録されている問題の詳細です。

ルールズ3の合計語彙数は8696語。語数だけで言えばTheRulesシリーズ最長です。

ルールズ3とポラリス2の違い

よく「ルールズ3とポラリス2のどちらを使ったらいいですか?」と聞かれますが、結論として、ルールズ3をオススメします。

大前提どちらも良い長文問題集ですが、ポラリスはテーマや背景知識に重きを置いているのに対して、ルールズは問題の解き方を重視しています。

ここまで詳細に解き方を解説した参考書はないので、ルールズを推奨しています。

難易度的には、ルールズ3の方がやや難しいぐらいですが、使い始めるレベルは同じくらいです。

ルールズを使うにしてもポラリスを使うにしても、キチンと精読して何度も音読するのが大事です。

ルールズ3で法政大学はいける?

ルールズ3に限っての質問で、「ルールズ3で法政大学は合格できますか?」となぜかよく聞かれます。

結論から言えば、法政対策として十分なレベルです。

ルールズ3をやり込んだら、学んだ解法を使って法政大学の過去問をガンガン解いてください。

ルールズ3の音声と使い方

本書は英語が得意な人が頭の中でやっていることを言語化した参考書で、その頭の使い方をマスターするのが目的です。

そのため、1回解いて終わり、少し復習して終わりでは勿体ありません。

大事なのは復習です。解説に書かれていることを人に説明できるレベルで読み込んでください。

その上で、解説に書いてある読み方を意識しながら何度も音読を繰り返してください。

音読は最低でも30回、最終的には100回を目標にしてください。

英文を覚えてしまって、勝手にフレーズが出てくるようになったらグッドです。

音読に使用する音源は旺文社のアプリでもできますし、こちらからダウンロードすることもできます。

>>TheRules音源のダウンロードサイト

ルールズ3の11ページに書かれているパスワードを入力すれば、音声がダウンロードできます。

ルールズ3の次にやるべき参考書

ルールズ3の次にやるべき参考書ですが、意向や志望校のレベルによって異なります。

  • 早慶旧帝大を目指している→ルールズ4
  • MARCH志望で受験まで半年以内→過去問
  • 時間に余裕があり同レベルの演習をもっと積みたい→ポラリス2

早慶や旧帝大志望の受験生なら、順当に次のルールズ4に進んでください。

ただし、先に挙げた使い方の注意に気を付けてください。

GMARCH志望で、受験まで半年を切っていたら過去問へ進んでください。

過去問を直前期に詰め込む受験生もいますが、真面目に取り組めばかなりの分量になります。

過去問は分厚い参考書と思って、余裕を持って取り組んでください。

比較的時間に余裕があり、同レベルの演習を積みたければ、著者が同じ関先生のポラリス2をやってください。

その際に、ルールズで身につけた解法を思い出しなら解いてみてください。

ルールズ3の出典や元ネタ

ルールズ3に収録されている英文の出典は一体どこなのか?

解説も交えながら、一緒に見ていきましょう。

レッスン1:睡眠を改善する最良の方法は「運動」

  • 原題:The healthiest way to improve your sleep: exercise
  • 著者:サンディー・ラモット / Sandee LaMotte
  • 出題大学:中央大学

CNNの2017年の記事が元ネタ。

下記リンクから全文読むことができます。

睡眠の重要性が説かれて久しいですが、睡眠障害に苦しむ人向けに運動がいいですよ、という内容。

レッスン2:脳は「ものの見方」で進化する

  • 原題:Deviate: The Science of Seeing Differently
  • 著者:ボー・ロット / Beau Lotto
  • 出題大学:関西学院大学

ロンドン大学教授で世界的にも有名な神経科学者の本が出題の元ネタ。日本語版も出ています。

著者はTEDに登壇しており、幸いにして今回の英文と同じテーマで講演しています。

英文だけではなく、その背景知識を学ぶ良い機会です。勉強の隙間の息抜きにご視聴ください。

レッスン2プチ解説

【英文冒頭】

When you open your eyes, do you see the world as it really is?

Do you see reality? Humans have been asking themselves this question for thousands of
years.

Deviate: The Science of Seeing Differently

第2段落が最も読みにくかった印象です。それ以外は具体例も多く、概ね何の話をしているか掴みやすいですが、第2段落は脳処理(認知)の話で、イメージできなかった人も多いと思います。抽

各段落(パラグラフ)で言いたい事をまとめると以下の通りです。

  • 私たちの目は、現実を見ているのか?太古からあるこの疑問に、神経科学が答えを出している。
  • 私たちは現実をありのまま見ていない。その原因は脳の知覚処理にある。
  • 私たちの知覚能力になぜ疑問を持つ必要があるのか?人間の脳の力で、我々は今の文明を築いてきた。仮に現実を正しく認識していないとして何が問題なのか?
  • 知覚が重要なのは、それが全ての意識の土台になるからだ。死を恐れるのは、肉体が動かなくなるからではなく、知覚の消失を恐れるからだ。私たちは知覚について知らないことがまだ多い。
  • 幸いにも、知覚神経科学が解決策を提示してくれる。次の革新は、技術ではなくものの見方である。

*要約というより「つまり言いたいことはこういうこと」のまとめです

レッスン3:時間・地域・民族を超えて響き合う文化たち

  • 原題:TRANSCULTURE:Transcending Time,Region and Ethnicity
  • 著者:クリストファー ベルトン/Christopher Belton・小田島恒志
  • 出題大学:宇都宮大学

英語学習教材として販売されている教科書からの出題。出版は2017年。

内容は「美となにか?」、文学部をはじめ入試頻出のテーマ。教科書だけあってカタ目の内容です。

ちなみに共著の小田島恒志さんは、早稲田大学の教授で英米学研究の権威の1人。

レッスン4:発音の神話 第二言語研究の授業への応用

  • 原題:Pronunciation Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching
  • 著者:リンダ・グラント / Linda Grant
  • 出題大学:福島大学

アメリカの言語研究者の著書から出題。

第二言語研究とは「人間がどうやって母国語以外の外国語を習得するか」を研究する分野。

ここGOKOの英語指導もこの第二言語研究に基づいた教授法で実施しています

レッスン5:コミュニケーションはなぜ今最も重要なスキルなのか?

  • 原題:Why Communication Is Today's Most Important Skill
  • 著者:グレッグ・サテル / Greg Satell
  • 出題大学:大阪府立大学

講演家でコンサルタントのグレッグ・サテル氏が2015年に雑誌フォーブスに寄稿した記事が元ネタ。

ここから↓全英文読めます

Why Communication Is Today's Most Important Skill

It has become fashionable to say that our present epoch is an information age, but that’s not quite right. In truth, we live in a communication age and it’s t…

頭がいいだけじゃなくて、人を巻き込む力があってこそ本当に有能な人だよ、といった内容。

コラムなので読みやすく、興味深い内容でした。

レッスン6:忙しすぎて食べられない?

  • 原題:Are we really too busy to eat well?
  • 著者:ビー・ウィルソン / Bee Wilson
  • 出題大学:学習院大学

イギリスの経済誌フィナンシャルタイムズの2019年の記事が元ネタ。AP通信の2017年の記事が元ネタ。

全文読めますが、アンケートの記入などもあるので無理に読まなくていいです。

記事を書いたのはイギリスのフードライター、ビー・ウィルソン氏。

日本でも翻訳された本が5~6冊販売されています。

レッスン7:準備できてる?災害に備える徹底対策マニュアル

  • 原題:Are You Ready? An In-depth Guide to Citizen Preparedness
  • 著者:アメリカ合衆国国土安全保障省 / U.S. Department of Homeland Security
  • 出題大学:信州大学

アメリカ合衆国の役所が2013年に国民向けに出した、災害マニュアルからの出題。

役所配布の手引き冊子なので、エンタメ性はありません。共通テストにもあるような情報検索型の問題です。

上記リンクから飛んで、11ページに該当箇所がありますが、趣深い文章でもないので無理して読まなくていいです。

竜巻から生き残りたい人は是非熟読してください。

レッスン8 : 筆記体がまさかの復活!

  • 原題:Cursive writing is making a comeback in classrooms in several states -- and Texas is the latest
  • 著者:ライアン・プライヤー / Ryan Prior
  • 出題大学:九州大学

CNNの2019年の記事から出題。

テーマは「筆記体」ですが、少し抽象化すると言語習得や教育がテーマとも言えます。

下記から全文読めます。

口頭伝承が手書きになり、手書きが活版印刷になった、同じように筆記体も失われた技術となりうるのか?といった話です。

今回はコミュニケーション手段の変遷でしたが、同様のことは他ジャンルにもいえます。

デジタルデバイスの歴史でいえば、大型コンピューター、パーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター(ノートPC)、そしてスマホへ移行しました。

メディアの歴史も新聞、ラジオ、映画、テレビ、ネットと変遷しています。

あなたがパソコンやスマホを使ってネット上でこの文章を読んでいるということは、紛れもなくあなたもその歴史の中にいるのです。



ちなみに私が中学生の頃は筆記体を学びましたが、今の中高生は学校で習うのでしょうか?

情報持ってたら是非教えてください。

レッスン9:平均思考は捨てなさい ─ 出る杭を伸ばす個の科学

  • 原題:The End of Average
  • 著者:トッド・ ローズ / Todd Rose
  • 出題大学:法政大学

発達心理学の研究者で実業家の側面も持つドッド・ローズ氏の2016年の著書から出題。

日本語版もあり、実はかなり売れた本です。

タイトルから推測できるように「これからは欠点のない人材より、尖った人材がウケる時代だ!」的な内容です。

「個性を伸ばせ、欠点があってもいい、好きを深めろ」一見ツッコミどころのない著者主張ですが、日本語に翻訳された同著書のマーケティング本では、タイトル自体はやや甘い言葉で誘っている感じがあります。

ただ 、受験生に言いたい。

自分選んだ受験科目ぐらいサクッと勉強して突き抜けろ!!

レッスン10:スピーチ中に「あー」とか「えー」とか言ったらダメなの?

  • 原題:Your Speech Is Packed With Misunderstood, Unconscious Messages
  • 著者:ジュリー・セディヴィ / Julie Sedivy
  • 出題大学:立命館大学

言語学者で作家のジュリー・セディヴィ氏のネット記事が元ネタ。

以下のリンクから全文読むことができます。

Your Speech Is Packed With Misunderstood, Unconscious Messages - Nautilus

Imagine standing up to give a speech in front of a critical audience. As you do your best to wax eloquent, someone in the room uses a clicker to conspicuously …

話の途中で「あー」や「えー」ということはあると思いますが、欧米圏では「動物っぽい」ということで避けられている行為です。

日本でも「自信がない」「自分の気持ちを言語化できていない」印象を与えるため、人前にでる人は克服するために訓練することもあります。

なんて事言ってるけど!実はそんなに悪い行為じゃないんだよ!!!という内容。

非常に興味深い英文でした。

レッスン11 : 生まれた時のこと覚えてる?

  • 原題:Can a person remember being born?
  • 著者:クリステン・コンガー / Cristen Conger
  • 出題大学:立命館大学

米国ライターのネット記事が元ネタ。

3歳以前の記憶がなくなる「幼児期健忘」がテーマで、下記より全文読めます。

Can a person remember being born? | HowStuffWorks

You may vaguely remember hurting your knee at the age of 3, but do you recall the moment your body burst into the world? Most likely not. Why are our first yea…

自分の記憶を遡っても3歳以前の記憶はありませんが、それはなぜか?というところから話が始まります。

誰にでも心当たりがあるという意味で、読みやすくて面白い文章です。

レッスン12 : サルが教える公平性

  • 原題:What Monkeys Can Teach Us About Fairness
  • 著者:ニコラス・クリストフ / Nicholas Kristof
  • 出題大学:早稲田大学

著名なジャーナリスト、ニコラス・クリストフ氏のニューヨークタイムズの2017年の記事が元ネタ。

おサルさんにも「公平性」の概念があるよ、という内容で、そのおかげで社会が保たれている、という話です。

Whether the reward is a grape or a dollar, studies show that inequality is offensive.

What Monkeys Can Teach Us About Fairness

身近なとこで考えると、著名人や有名人のスキャンダルや犯罪はワイドショーの大好物ネタです。また、某掲示板や、コメント欄を見ると、罵詈雑言、誹謗中傷で溢れかえっています。

誰かの悪口や批判をしても、当の本人は全く得をしません。

悪口や批判は全く無駄な行為かと思いきや、意外にも社会秩序に役に立ってるかも、みたいなオチです。


全然関係ないですが、著者のニコラス・クリストフ氏は、いろいろあって一部の日本人からめちゃめちゃ嫌われています。

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GOKO編集室
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