関正生の英語長文ルールズ3:難易度やレベル、出題大学や英文出典まで徹底レビュー

この記事では、関正生先生の著書「TheRules3」で出題されている英文の、出題校とその出典元を紹介します。

Webで公開されている記事はリンクから飛べば中身を読むことができます。

TheRules3購入前に、英文のレベルを確認するなどご活用ください。

この記事を読むメリット

  • TheRules購入前に収録英文を読むことができる
  • 自分の英語力を確認することができる
  • 面白かった英文の出典を知ることができる、前後の内容を読むことができる

TheRules解説シリーズ

それでは早速いってみましょう!

ルールズ3のレベルと難易度

TheRules3の公式設定レベルは国公立標準〜私大難関となっています。

では、実際に収録されている出題大学と問題数をみてみましょう。

<国公立>

  • 九州大学 1題
  • 大阪府立大学(現:大阪公立大学) 1題
  • 信州大学 1題
  • 福島大学 1題
  • 宇都宮大学 1題

<私立>

  • 早稲田大学 1題
  • 中央大学 1題
  • 法政大学 1題
  • 学習院大学 1題
  • 立命館大学 2題
  • 関西学院大学 1題

合計11校の12題。国公立大学から5題、私立大学から7題のバランスです。

MARCH志望者や中堅国公立志望者向けの問題集と言える一方で、九州大学や早稲田大学の問題も収録されており、最難関大学への橋渡しも目指していることが伺えます。

  • 単語や文法の標準レベルは超えている
  • 共通テストは安定して6割超えている
  • ルールズ2はやりこんで完璧

こんな受験生にオススメできそうです。

ルールズ3の出題大学と語彙数

以下がTheRules3に収録されている問題の詳細です。

ルールズ3の合計語彙数は8696語。語数だけで言えばTheRules4よりも多いシリーズ最長です。

ルールズ3とポラリス2の違い

よく「ルールズ3とポラリス2のどちらを使ったらいいですか?」と聞かれますが、どちらかと聞かれればルールズ3をオススメします。

大前提どちらも良い長文問題集ですが、ポラリスはテーマや背景知識に重きを置いているのに対して、ルールズは問題の解き方を重視しています。

ここまで詳細に解き方を解説した参考書は類を見ないので、ルールズを推奨しています。

難易度的には、ルールズ3の方がやや難しいぐらいですが、使い始めるレベルは同じくらいです。

「レイアウト的にポラリスシリーズが好き」であれば、ポラリスを使って全く問題ありません

ルールズを使うにしてもポラリスを使うにしても、キチンと精読して何度も音読するのが大事です。

ルールズ3で法政大学はいける?

ルールズ3に限っての質問で、「ルールズ3で法政大学は合格できますか?」となぜかよく聞かれます。

結論から言えば、法政対策として十分なレベルです。

ルールズ3をやり込んだら、学んだ解法を使って法政大学の過去問をガンガン解いてください。

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ルールズ3の音声の使い方とダウンロード先

本書は英語が得意な人が頭の中でやっていることを言語化した参考書で、その頭の使い方をマスターするのが目的です。

そのため、1回解いて終わり、少し復習して終わりでは勿体ありません。

大事なのは復習です。解説に書かれていることを人に説明できるレベルで読み込んでください。

その上で、解説に書いてある読み方を意識しながら何度も音読を繰り返してください。

音読は最低でも30回、最終的には100回を目標にしてください。

英文を覚えてしまって、勝手にフレーズが出てくるようになったらグッドです。

音読に使用する音源は旺文社のアプリでもできますし、こちら↓からダウンロードすることもできます。

>>TheRules音源のダウンロードサイト

ルールズ3の11ページに書かれているパスワードを入力すれば、音声がダウンロードできます。

ルールズ3の次にやるべき参考書

ルールズ3の次にやるべき参考書ですが、志望校のレベルや時期によって異なります。

例えば以下の通りです。

  • 早慶旧帝大を目指している → ルールズ4へ進む
  • MARCH志望で受験まで半年以内 → 過去問演習をやる
  • 時間に余裕があり同レベルの演習をもっと積みたい → ポラリス2をやる

早慶や旧帝大志望の受験生なら、順当に次のルールズ4に進んでください。

ただし、先に挙げた使い方の注意に気を付けてください。

GMARCH志望で、受験まで半年を切っていたら過去問へ進んでください。

過去問を直前期に詰め込む受験生もいますが、真面目に取り組めばかなりの分量になります。

過去問は分厚い参考書と思って、余裕を持って取り組んでください。

比較的時間に余裕があり、同レベルの演習を積みたければ、ルールズ3と同じ関先生のポラリス2をやってください。

その際、ルールズで身につけた解法を思い出しなら解いてみてください。

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ルールズ3の出典や元ネタ

ルールズ3に収録されている英文の出典は一体どこなのか?

ちょっとした解説も交えながら、一緒に見ていきましょう!

レッスン1:中央大学 / 睡眠を改善する最良の方法は「運動」

  • 原題:The healthiest way to improve your sleep: exercise
  • 著者:サンディー・ラモット / Sandee LaMotte
  • 出題大学:中央大学 経済学部 2019年 大問7

CNNの2017年の記事が元ネタ。

下記リンクから全文読むことができます。

【英文冒頭】

If you’re one of the third of all Americans who suffer from  insomnia – roughly 108 million of us – put away your sleeping pills. Science has a much safer solution.

“There has been more and more research in the last decade showing exercise can reduce insomnia,” Rush University clinical psychologist Kelly Glazer Baron said.

The healthiest way to improve your sleep: exercise

睡眠の重要性が説かれて久しいですが「睡眠障害に苦しむ人は運動がいいですよ」というお話。

レッスン2:関西学院大学/ 脳は「ものの見方」で進化する

  • 原題:Deviate: The Science of Seeing Differently
  • 著者:ボー・ロット / Beau Lotto
  • 出題大学:関西学院大学 2020年 全学部入試2月2日 大問1

レッスン2は関西学院大学の2020年の入試問題から。

元ネタは、ロンドン大学教授で世界的にも有名な神経科学者ボー・ロットの著書。日本語版も出ています。

著者はTEDに登壇しており、幸いにして今回の英文と同じテーマで講演しています。

英文だけではなく、その背景知識を学ぶ良い機会です。勉強の隙間の息抜きにご視聴ください。

レッスン2プチ解説

【英文冒頭】

When you open your eyes, do you see the world as it really is?

Do you see reality? Humans have been asking themselves this question for thousands of
years.

Deviate: The Science of Seeing Differently

第2段落が最も読みにくかった印象です。

具体例も多く、概ね何の話をしているか掴みやすいですが、第2段落は脳処理(認知)の話で、イメージできなかった人も多いと思います。

各段落(パラグラフ)で言いたい事をまとめると以下の通りです。

  • 私たちの目は、現実を見ているのか?太古からあるこの疑問に、神経科学が答えを出している。
  • 私たちは現実をありのまま見ていない。その原因は脳の知覚処理にある。
  • 私たちの知覚能力になぜ疑問を持つ必要があるのか?人間の脳の力で、我々は今の文明を築いてきた。仮に現実を正しく認識していないとして何が問題なのか?
  • 知覚が重要なのは、それが全ての意識の土台になるからだ。死を恐れるのは、肉体が動かなくなるからではなく、知覚の消失を恐れるからだ。私たちは知覚について知らないことがまだ多い。
  • 幸いにも、知覚神経科学が解決策を提示してくれる。次の革新は、技術ではなくものの見方である。

*要約というより「つまり言いたいことはこういうこと」のまとめです

レッスン3:宇都宮大学 / 時間・地域・民族を超えて響き合う文化たち

  • 原題:TRANSCULTURE:Transcending Time,Region and Ethnicity
  • 著者:クリストファー ベルトン/Christopher Belton・小田島恒志
  • 出題大学:宇都宮大学 2019年 前期試験 第1問

栃木県にある国立大学、宇都宮大学2019年の英語から出題です。

元ネタは、英語学習教材として販売されている教科書「TRANSCULTURE:Transcending Time,Region and Ethnicity―多元文化論エッセイ 響き合う文化たち」から。

出版は2017年と、最近の本です。

テーマは「美となにか?」、文学部をはじめ入試頻出テーマの一つです。

教科書が元ネタだけあって、割とお堅い内容です。

【英文冒頭】

Beauty is in the eye of the beholder.

This proverb was first recorded in the English language in its current form in the 19th century. However, the concept of people viewing beauty differently from their own points of view has been around in most cultures of the world since ancient times. But what exactly is beauty, and is it really subjective?

TRANSCULTURE:Transcending Time,Region and Ethnicity


ちなみに共著の小田島恒志先生は、早稲田大学の教授で英米学研究の権威の1人です。

レッスン4:福島大学/ 発音の神話 第二言語研究の授業への応用

  • 原題:Pronunciation Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching
  • 著者:リンダ・グラント / Linda Grant
  • 出題大学:福島大学 2019年人文社会学群(人間発達文化学類人文科学コース)前期 大問3

福岡大学でも福井大学でもありません。東北地方の国立大学、福島大学から出題です。

福島大は学部ではなく学"類"と呼び、現在は以下の5つに分かれています。

  • 人間発達文化学類
  • 行政政策学類
  • 経済経営学類
  • 共生システム理工学類
  • 食農学類

そんな5類の一番上、人間発達文化学類の2019年入試問題から出題。

元ネタはアメリカの言語研究者の2014年の著書。

「英語の発音に力を入れると、これぞスピーキングだ!と生徒ウケが良くなった」という興味深い話から、少し専門的な話へ展開していきます。

タイトルの"Pronunciation Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching"を直訳すると「発音の神話:第二言語研究の授業への応用」ぐらいの意味になります。

確認したところ上記のp56~が出題部分でした。

【英文冒頭】

Most learners at every level are keen to learn how to speak as well as how to read and write in English, and beginners are no exception. They are very keen to learn how to pronounce English in a way that makes themselves understood easily.

Pronunciation Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching p56

第二言語研究とは「人間がどうやって母国語以外の外国語を習得するか」を研究する分野です。

実は当塾GOKOの英語指導もこの第二言語研究に基づいた教授法で実施しています。

レッスン5:大阪府立大学/ コミュニケーションはなぜ今最も重要なスキルなのか?

  • 原題:Why Communication Is Today's Most Important Skill
  • 著者:グレッグ・サテル / Greg Satell
  • 出題大学:大阪府立大学(現:大阪公立大学)2019年 前期 大問1

大阪府立大学の2019年の英語から出題。

講演家でコンサルタントのグレッグ・サテル氏が2015年に雑誌フォーブスに寄稿した記事が元ネタ。

ここから↓全英文読めます

Why Communication Is Today's Most Important Skill

It has become fashionable to say that our present epoch is an information age, but that’s not quite right. In truth, we live in a communication age and it’s t…

「頭がいいだけじゃなくて、人を巻き込む力があってこそ本当に有能な人だよ」といった内容。

【英文冒頭】

When I was in high school, a man came to speak about Winston Churchill.  Mostly, it was the usual mix of historical events and anecdotes, which in Churchill’s case was a potent mixture of the poignant, the irreverent and the hilarious.  But what I remember best was how the talk ended.

Why Communication Is Today's Most Important Skill

若い時は能力さえあればいいと思い込みがちですが、人間社会は意外と複雑です。

そんな中で一定の成功を収めるためには、人を巻き込んだり協働する力は超重要です。

コラムなので読みやすく、興味深い内容でした。

著名な学者が複数登場しますが、いくつか解説したいと思います。

まずは、物理学者ファインマンの話です。「ブリタニカ百科事典を針の先の面積に収める」という、何とも荒唐無稽な話が出てきます。

この元ネタは1959年12月の講演「There's Plenty of Room at the Bottom(ナノスケール領域にはまだたくさんの興味深いことがある)」です。ここで以下の様に述べています。

なぜ百科事典ブリタニカ全24巻を針の頭に書き込むことができないのでしょうか?何が関わってくるのか見てみましょう。

ピンの頭は直径約1/16インチです。これを25,000倍に拡大すると、ピンの頭の面積は Encyclopædia Britannica の全ページの面積に等しくなります。したがって、必要なのは 百科事典のすべての書き込みを25,000分の1に縮小することです。それは可能でしょうか?

人間の目の解像力は約1/120インチ、つまり 百科事典の細かいハーフトーンの再現に見られる小さな点の直径にほぼ等しいです。これを25,000分の1に縮小すると、直径は80オングストローム、普通の金属で32個の原子分です。言い換えれば、その点一つにまだ1000個の原子が入ります。

したがって、各点は写真製版によって必要なサイズに容易に調整でき、百科事典ブリタニカの全巻をピンの頭に収めるのに十分な空間があることは疑いようがありません。

ナノテクノロジーの序章として非常に有名な講演ですが、現代にも意味を持っています。

「21世紀の石油」と言われる半導体産業ですが、それを支えているのがナノテクノロジー技術です。(2024年に熊本に誘致されたTSMCが騒がれているのも、そんな背景があります)

また、本文中にある様に、ファインマンは専門家ではない人たちコミュニケーションを大事にした研究者です。

そんな氏の魅力が詰まったのが「ご冗談でしょう、ファインマンさん」です。

本書は、ファインマンのユーモラスな逸話や天賦の才が光るエピソードが満載で、世界中で愛読されています。科学者としての厳格な顔とは異なる、人間味あふれるファインマンの姿がいきいきと描かれています。

息抜きにどうぞ。

もう一つ分かりにくいのが、ウィトゲンシュタインの「私的言語」です。

ものすごーく雑に言ってしまえば、他人に理解されてない言葉、ぐらいで認識してください。

以下少し解説です。

ウィトゲンシュタインの「私的言語」とは、自分だけの感覚や感情を表現するために使う、誰も理解できない言語のことです。

例えば、「赤」という言葉を、自分だけが感じる特別な赤色を表すために使うと想像してみてください。このような言葉は、外から観察可能な行動と明確に結びついていないため、他人には理解できません。

問題点

ウィトゲンシュタインは、このような私的言語は論理的に成り立たないと主張しました。その理由は以下の通りです。

  • 意味の基準がない: 私的言語の言葉は、客観的な基準で意味を定めることができない。
  • 規則の共有がない: 私的言語は、自分一人でルールを決めて使うため、他人と共有できない。
  • 修正の仕組みがない: 私的言語の間違いを指摘したり修正したりする仕組みがない。

ウィトゲンシュタインは英語を始め、現代文や小論文の課題文中に登場します。

ここまでのことは忘れてもいいので、

「語りえぬものについては、沈黙せねばならない。」という名言を残した言語系の哲学者

と覚えておきましょう!

ご尊顔はこちら。

レッスン6:学習院大学 / 忙しすぎて食事の時間もない!

  • 原題:Are we really too busy to eat well?
  • 著者:ビー・ウィルソン / Bee Wilson
  • 出題大学:学習院大学 2020年 文学部コア・理学部プラス 大問1

学習院文学部の2020年の過去問から出題。

元ネタはイギリスの経済誌フィナンシャルタイムズの2019年の記事。

以下で全文読むことができます。ただ、アンケートの記入などを求められるので、無理に読まなくてもいいです。

▶︎Are we really too busy to eat well?

【英文冒頭】

There are no chairs in the cafeteria at Sui County High School in Henan province, central China. They disappeared after the summer break, not because the school wanted to save money, but so that students could store up a few precious extra minutes of study time. With the chairs gone, there was no risk of lingering over lunch.

Are we really too busy to eat well?

記事を書いたのはイギリスのフードライター、ビー・ウィルソン氏。

人間と食事をテーマにした作家さんで、日本でも翻訳された著書多数です。

ちなみに、本書のテーマになっている「忙しすぎて食事の時間がない」理由ですが、

「現代は、食事以外により価値を置いてるから」がオチとなります。

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レッスン7:信州大学/ 準備できてる?災害に備える徹底対策マニュアル

  • 原題:Are You Ready? An In-depth Guide to Citizen Preparedness
  • 著者:アメリカ合衆国国土安全保障省 / U.S. Department of Homeland Security
  • 出題大学:信州大学

アメリカ合衆国の役所が2013年に国民向けに出した災害マニュアル「Are You Ready? An In-depth Guide to Citizen Preparedness」が出典となっていますが、少なくとも冒頭のリード文は以下から読めます。

【英文冒頭】

Tornadoes are nature's most violent storms. Spawned from powerful thunderstorms, tornadoes can cause fatalities and devastate a neighborhood in seconds. A tornado appears as a rotating, funnel-shaped cloud that extends from
a thunderstorm to the ground with whirling winds that can reach 300 miles per hour (MPH). Damage paths can be in excess of one mile wide and 50 miles long. Every state is at some risk from this hazard.

https://www.weather.gov/phi/TornadoDefinition より

出典とされている方は役所配布の手引き冊子なので、エンタメ性はありません。共通テストにもあるような情報検索型の問題です。

下記リンクの11ページに該当箇所がありますが、そこまで面白い文章でもないので、無理して読まなくていいです。

竜巻から生き残りたい人は是非熟読してください!

レッスン8 :九州大学 / 筆記体がまさかの復活!

  • 原題:Cursive writing is making a comeback in classrooms in several states -- and Texas is the latest
  • 著者:ライアン・プライヤー / Ryan Prior
  • 出題大学:九州大学 2020年 前期 大問3

福岡県の国立大学、九州大学2020年の英語から出題。

元ネタはCNNの2019年の記事。

テーマは「筆記体」ですが、少し抽象化すると言語習得や教育がテーマとも言えます。

下記から全文読めます。

【英文冒頭】*原文から変更されています

It's a familiar complaint. Parents lament that technology is turning good, clear handwriting into a lost art form for their kids. In response, lawmakers in state after state -- particularly in the South-are making time in classrooms to keep the graceful loops of cursive writing* alive for the next generation.

Alabama passed a law requiring it in 2016. That same year, Louisiana passed its own cursive law. Others like Arkansas, Virginia, California, Florida and North Carolina, have similar laws.

Cursive writing is making a comeback in classrooms in several states

口頭伝承が手書きになり、手書きが活版印刷になった、同じように「筆記体も失われた技術となりうるのか?」といった話です。

今回はコミュニケーション手段の変遷でしたが、同様のことは他ジャンルにもいえます。

デジタルデバイスの歴史でいえば、大型コンピューター➡︎パーソナルコンピューター➡︎ラップトップコンピューター(ノートPC)➡︎スマートフォンへと移行しました。

メディアの歴史も、新聞➡︎ラジオ➡︎映画➡︎テレビ➡︎ネットと変遷しています。

あなたがパソコンやスマホを使ってネット上でこの文章を読んでいるということは、紛れもなくあなたもその歴史の中にいるのです。

レッスン9:法政大学 / 平均思考は捨てなさい - 出る杭を伸ばす個の科学

  • 原題:The End of Average
  • 著者:トッド・ ローズ / Todd Rose
  • 出題大学:法政大学 文・経営・人間環境学部 2019年 A方式1日程 大問2

法政大学文学部・経営学部・人間環境学部の2019年の1日程から出題。

法政大学は学部ごとの個別入試ではなく、同日に複数学部の入試が行われます。

ちなみに、A方式が個別入試で、T日程が全学部入試。T方式のTはTotalのTで覚えましょう。

元ネタは、発達心理学の研究者で実業家の側面も持つドッド・ローズ氏の2016年の著書から。

日本語版もあり、実はかなり売れた本です。

タイトルから推測できるように「これからは欠点のない人材より、尖った人材がウケる時代だ!」的な内容です。

「個性を伸ばせ、欠点があってもいい、好きを深めろ」

一見ツッコミどころのなく心地の良い著者主張ですが、似たような別著作もあります。

タイトルだけみると、甘い言葉で誘っている感じもあります。

これを読んでる慶應志望の受験生諸君。

尖るといっても私大入試は所詮3教科、自分選んだ受験3科目ぐらいサクッと勉強して突き抜けよう!!

【英文冒頭】

James Truslow Adams coined the phrase "American dream" in his 1931 book The Epic of America, which he published in the depths of the Great Depression. I Adams argued for a view of the American dream that amounted to more than the materialism of his time: I "It is not a dream of motor car and high wages merely, but a dream of social order in which each man and each woman shall be able to attain to the fullest stature of which they are innately capable, II and be recognized by others for what they are, regardless of the circumstances of their birth or position."

The End of Average

レッスン10:立命館大学 / スピーチ中に「あー」とか「えー」とか言ったらダメなの?

  • 原題:Your Speech Is Packed With Misunderstood, Unconscious Messages
  • 著者:ジュリー・セディヴィ / Julie Sedivy
  • 出題大学:立命館大学 2020年 全学部入試(2月3日実施) 大問2

立命館大学の2020年の全学部入試の英文から出題。

元ネタは、言語学者で作家のジュリー・セディヴィ氏のネット記事。

以下のリンクから全文読むことができます。

Your Speech Is Packed With Misunderstood, Unconscious Messages - Nautilus

Imagine standing up to give a speech in front of a critical audience. As you do your best to wax eloquent, someone in the room uses a clicker to conspicuously …

【英文冒頭】

Imagine standing up to give a speech in front of a critical audience. As you do your best to wax eloquent, someone in the room uses a clicker to conspicuously count your every stumble, hesitation, um and uh; once you’ve finished, this person loudly announces how many of these blemishes have marred your presentation.

Your Speech Is Packed With Misunderstood, Unconscious Messages

話の途中で「あー」や「えー」ということはあると思いますが、欧米圏では「動物っぽい」ということで避けられている行為です。

日本でも「自信がない」「自分の気持ちを言語化できていない」印象を与えるため、人前に出る人は矯正トレーニングを受けることもあります。

...なんて言われてるけど、実はそんなに悪い行為じゃないんだよ!!!というお話。

非常に興味深い英文でした。

レッスン11:立命館大学 / 生まれた時のこと覚えてる?

  • 原題:Can a person remember being born?
  • 著者:クリステン・コンガー / Cristen Conger
  • 出題大学:立命館大学 2020年 全学部入試(2月2日実施) 大問2

レッスン10に続き、立命館大学の2020年全学部入試から出題(日程は違いますが)。

元ネタは米国人ライターのネット記事。

3歳以前の記憶がなくなる「幼児期健忘」がテーマで、下記より全文読めます。

Can a person remember being born? | HowStuffWorks

You may vaguely remember hurting your knee at the age of 3, but do you recall the moment your body burst into the world? Most likely not. Why are our first yea…

【英文冒頭】

Think back to your earliest memory. Perhaps images of a birthday party or scenes from a family vacation come to mind. Now think about your age when that event occurred. Chances are that earliest recollection extends no further back than your third birthday. In fact, you can probably come up with only a handful of memories from between the ages of 3 and 7, although family photo albums or other cues may trigger more.

Can a Person Remember Being Born?

自分の記憶を遡っても3歳以前の記憶はありませんが、それはなぜか?というところから話が始まります。

誰にでも心当たりがあるという意味で、読みやすくて面白い文章です。

レッスン12 :早稲田大学 / サルが教える公平性

  • 原題:What Monkeys Can Teach Us About Fairness
  • 著者:ニコラス・クリストフ / Nicholas Kristof
  • 出題大学:早稲田大学 政治経済学部 2020年 大問1

早稲田の看板学部こと、政治経済学部の2020年の過去問から出題。

著名なジャーナリスト、ニコラス・クリストフ氏のニューヨークタイムズの2017年の記事が元ネタ。

「おサルさんにも"公平性"の概念があって、そのおかげで社会が保たれているよ」という話。

Whether the reward is a grape or a dollar, studies show that inequality is offensive.

身近なとこで考えてみましょう。

なぜ私たちは著名人や有名人のスキャンダルや犯罪が大好きなのでしょう?

ワイドショーはもちろん、SNSでも罵詈雑言、誹謗中傷が溢れています。

誰かの悪口や批判をしても、当の本人は全く得をしません。

...が、しかし

悪口や批判は全く無駄な行為かと思いきや、意外にも社会秩序に役に立ってるかも、みたいなオチです。

【英文冒頭】

Monkeys were taught in an experiment to hand over pebbles in exchange for cucumber slices. They were happy with this deal.

Then the researcher randomly offered one monkey — in sight of a second — an even better deal: a grape for a pebble. Monkeys love grapes, so this fellow was thrilled.

The researcher then returned to the second monkey, but presented just a cucumber for the pebble. Now, this offer was insulting. In some cases the monkey would throw the cucumber back at the primatologist in disgust.

What Monkeys Can Teach Us About Fairness


全然関係ないですが、著者のニコラス・クリストフ氏は、いろいろあって一部の日本人からめちゃめちゃ嫌われています。

以上、内容のプチ解説でした。

ルールズ3を隅から隅までやり尽くして、ぜひ第1志望合格を一緒に目指しましょう!💪

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