【2026最新データ】慶應SFC(総合政策・環境情報)入試比較|出題範囲・合格最低点・併願ルールまとめ
慶應SFCの総合政策学部と環境情報学部は、よく「セットで対策できる」と言われます。試験日が連続していて、配点も試験時間も同じ。実際、多くの受験生が両方に出願します。
ただ、ひとつだけ決定的に違うところがあります。数学の出題範囲です。
環境情報学部の数学だけ、数学Ⅲと数学Cまで入ります。総合政策学部は数学Ⅰ・Ⅱ・A・Bまで。実際、2026年度の環境情報では複素数平面が大問1つ分まるごと出ました。同じSFCとひとくくりにして数学対策を組むと、環境情報で足をすくわれます。
この記事では2026年度の一般選抜要項をもとに、両学部の入試を整理します。似ているところと、似ていないところを分けて見てください。
SFCの入試科目・配点・試験時間
時間割は両学部とも同じ
| 時限 | 時間 | 教科 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 集合 | 9:30 | ー | ー |
| 第1時限 | 10:00〜12:00(120分) | 選択した教科 | 200 |
| 第2時限 | 13:20〜15:20(120分) | 小論文 | 200 |
合計400点満点。試験会場は両学部とも日吉キャンパスです。慶應は地方に試験会場を設けないので、遠方の受験生は前泊を前提に計画してください。
小論文が後半にあることは覚えておいてください。午前に120分の選択科目を解ききってから、午後にまた120分書く。体力勝負の側面があります。過去問演習も、この順番と時間帯で通しでやる日を作るべきです。
選択できる4つの教科
小論文は必須で、これに以下のいずれか1つを組み合わせます。
| 選択 | 配点 |
|---|---|
| 外国語 | 200 |
| 数学 | 200 |
| 外国語および数学 | 200 |
| 情報および数学 | 200 |
出願時に選びます。入学検定料を払ったあとの変更はできません。
かつては「情報」を単独で選択できましたが、2025年度入試から「情報および数学」という組み合わせに変わりました。今、数学をまったく使わずに済む選択肢は外国語受験だけです。
数学の出題範囲は両学部で違います
ここが今回いちばんお伝えしたい部分です。
| 学部・選択 | 出題範囲 |
|---|---|
| 総合政策・数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B |
| 環境情報・数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B、数C |
| 環境情報・外国語および数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B(数Ⅲ・数Cを除く) |
| 環境情報・情報および数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B(数Ⅲ・数Cを除く) |
細かい指定は次のとおりです。数Aからは「図形の性質」「場合の数と確率」「数学と人間の活動」、数Bからは「数列」「統計的な推測」。環境情報の数Cからは「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。
つまり環境情報の数学単独選択だけが、複素数平面まで踏み込みます。これは理屈の話ではありません。2026年度の実際の出題を並べると、はっきり見えます。
2026年度の出題分野を比べてみました
両学部とも大問5題(数学Ⅰ〜Ⅴ)、120分、全問マークシートです。
| 大問 | 総合政策 | 環境情報 |
|---|---|---|
| 数学Ⅰ | 対数関数/定積分と接線 | 整数(互いに素な組の個数)/確率 |
| 数学Ⅱ | 整数(連続する奇数の和) | 三角関数と数列の漸化式 |
| 数学Ⅲ | 図形と計量・四面体 | 3次方程式・絶対値つき方程式の実数解の個数 |
| 数学Ⅳ | 確率(サイコロ5個) | 複素数平面 |
| 数学Ⅴ | 数列と不定方程式 | 空間図形(正四角錐の体積の最大値) |
環境情報の数学Ⅳを見てください。3つの複素数α、β、γについて、絶対値や実部を求めさせる問題です。回転を扱う設定になっていて、複素数平面を知らないと着手すらできません。
総合政策の5題は、対数、積分、整数、図形、確率、数列。すべて数Ⅰ・Ⅱ・A・Bの範囲に収まっています。
大問1つ分ですから、200点満点でおよそ40点。文系数学の仕上がりだけで環境情報に臨むと、この40点が最初から消えます。合格最低点が250点前後、つまり選択科目と小論文で6割強という入試で、40点を捨てて戦うのは相当に苦しい。
数学でSFCを受けるなら、ここは志望校戦略に直結します。環境情報の数学単独が重いと感じるなら、「外国語および数学」を選べば数Ⅲ・数Cは範囲から外れます。逃げ道は用意されています。
外国語は、英語が必ず必要です
外国語選択には3つのパターンがあります。
| パターン | 内容 |
|---|---|
| (a) | 英語のみ |
| (b) | 英語+ドイツ語 |
| (c) | 英語+フランス語 |
ドイツ語やフランス語は英語の代わりではありません。英語に上乗せする形です。しかもこの選択は出願時ではなく、試験当日に試験教室で決めます。
「ドイツ語で受験すれば英語をやらなくていい」という理解は誤りです。SFCを受けるなら、どの道を選んでも英語からは逃げられません。
解答形式と、遅刻したときの扱い
SFCの選択科目はマークシートです。英語も数学も、和訳や英作文といった記述はありません。
辞書は使えません。慶應では文学部だけが辞書持ち込みを認めていますが、SFCは対象外です。電子辞書や翻訳機も当然使えません。
そしてここが怖いところなのですが、遅刻の限度が時限によって違います。
| 時限 | 遅刻限度 |
|---|---|
| 第1時限(選択科目) | 試験開始後30分まで |
| 第2時限(小論文) | 試験開始後15分まで |
限度を超えると受験できません。そして慶應は「1時限(1教科)でも受験しなかった場合には、不合格となります」と要項に明記しています。
つまり午前の選択科目で満点を取っても、昼休みに戻るのが15分遅れた時点で不合格が確定します。SFCは昼をはさむ2時限構成なので、この規定は他学部より現実的なリスクです。昼食は持参して、教室で食べてください。
合格最低点は両学部で10点以上違います
配点も試験時間も同じですが、合格ラインは別物です。2022年度から2026年度までの5年平均で比べます。
| 選択 | 総合政策 | 環境情報 | 差 |
|---|---|---|---|
| 外国語 | 260.8 | 248.6 | 12.2 |
| 数学 | 262.6 | 248.6 | 14.0 |
得点率にすると総合政策が65%前後、環境情報が62%前後。環境情報の方が3ポイントほど低い水準です。
もうひとつ、両学部で構造が違います。総合政策は選択科目ごとに合格最低点が分かれますが、環境情報は2023年度以降どの選択でも同一の数値です。環境情報では、数字を見比べて有利な科目を探す余地がありません。
学部別の詳しい推移はこちらにまとめています。
>>>【2017〜2026】慶應SFC総合政策学部の合格最低点推移
>>>【2017〜2026】慶應SFC環境情報学部の合格最低点推移
SFCの偏差値
主要予備校が公表している数値です。
| 予備校 | 総合政策 | 環境情報 | 基準 |
|---|---|---|---|
| 河合塾 | 70.0 | 70.0 | 合格可能性50% |
| 東進 | 71 | 71 | 2025年度入試データに基づく評価 |
どちらも総合政策と環境情報で同じ値です。
ただ、この数字をそのまま受け取らないでください。SFCは2教科入試です。受験科目が少ないほど偏差値は高く出ます。国公立のように5教科7科目を課す大学とは、数字の意味がそもそも違います。
予備校によって算出方法が異なるため、SFCの偏差値は提供元ごとに大きく割れます。特に駿台は他社より低く出る傾向があり、慶應内での相対難易度を見るなら駿台の数値が参考になります。
このあたりのカラクリは別記事で詳しく解説しています。
偏差値だけで難易度を比べるのは、体重だけで体格を語るようなものです。科目数とセットで見てください。
SFCの難易度と倍率
小論文、英語、数学。どれも国内最難関の水準です。2教科しかないぶん、苦手科目があると逃げ場がありません。
「絞った科目は誰にも負けない」という状態を作れるかどうか。SFCの合否はそこで決まります。
覚えておいてほしい規定がひとつあります。慶應は要項に「選考の結果、学力等が求める水準に満たないと判断される場合、合格者数が募集人員を下回ることがあります」と明記しています。定員があるから定員分は合格させる、という入試ではありません。
もうひとつ、選択科目間の難易度差については「統計的処理により、得点の補正を行う場合があります」とされています。素点がそのまま合否に使われるとは限りません。
年度ごとの志願者数と倍率はこちらで毎年更新しています。
入試日程
2026年度の日程は以下のとおりでした。慶應は土日祝日に関係なく、例年ほぼ同じ日付で実施します。
| 項目 | 総合政策学部 | 環境情報学部 |
|---|---|---|
| 出願期間 | 2025年12月25日〜2026年1月19日 | 同左 |
| 試験日 | 2026年2月17日(火) | 2026年2月18日(水) |
| 合格発表 | 2026年2月25日(水)10:00 | 2026年2月25日(水)10:00 |
| 入学金等支払期限 | 2026年3月4日(水) | 2026年3月4日(水) |
| 入学手続締切日 | 2026年3月13日(金) | 2026年3月13日(金) |
試験日は1日ずれていますが、合格発表は同じ日です。両方受けるなら、2日連続で日吉に通うことになります。
合格発表はマイページ上のみです。キャンパスでの掲示も、合格通知の郵送もありません。
出願と受験にかかる費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学検定料(1学部) | 35,000円 |
| サービス利用料(出願登録1回) | 1,100円 |
| 両学部併願の場合 | 71,100円 |
併願しても検定料の割引はありません。ただしサービス利用料は出願登録1回につき1,100円なので、両学部をまとめて登録すれば1回分で済みます。あとから追加出願すると、その分もう1回かかります。両方受けるつもりなら最初にまとめて出願してください。
SFCの募集人数
一般選抜の募集人員は、総合政策学部・環境情報学部ともに225名です。
AO入試(総合型選抜)が両学部それぞれ150名。合わせて375名が1年間の募集人数になります。2020年度入試までは一般選抜275名でしたが、2021年度から225名に減り、その分がAO入試に回りました。
SFCはAO入試の比率が高い学部です。一般選抜だけを見て「狭き門だ」と考える前に、自分にAOの目があるかどうかも一度検討する価値があります。
補欠合格と成績開示
補欠合格
合格発表と同時に補欠者も発表されます。学部によっては入学許可の順位をランク(A〜)で示すことがあります。
補欠者の入学が許可されるのは、合格者の入学手続状況により欠員が生じた場合だけです。連絡はマイページの表示更新で行われ、遅くとも3月末日までに結果が出ます。個別の問い合わせには応じてもらえません。
補欠になったら、3月末まではこまめにマイページを確認してください。表示が更新されても気づかず手続期間を過ぎれば、入学資格を失います。
成績開示
一般選抜の不合格者は、自分の成績を開示請求できます。2026年度は4月24日から5月16日まで、マイページ上で確認できました。
再受験を考えている人には使ってほしい制度です。合格最低点と自分の得点の距離が数字でわかります。ただし開示項目は学部によって異なり、得点そのものが開示されるとは限りません。郵送もされないので、期間内に自分でアクセスする必要があります。
2027年度からドイツ語・フランス語が廃止されます
2027年2月実施の一般選抜から、「外国語」および「外国語および数学」の出題範囲が英語のみになります。先ほどの(b)(c)、つまり英語+ドイツ語と英語+フランス語の組み合わせがなくなります。総合政策学部と環境情報学部の両方が対象です。
慶應は2024年4月にこの予告を出しています。ドイツ語・フランス語の能力は、2026年9月出願の夏秋AO入試以降、総合型選抜の評価要素として扱われる方針です。
一般選抜で第二外国語を武器にするルートは、これで閉じます。
なお2027年度の一般選抜要項は本記事執筆時点で未公表です。配点や出題範囲の詳細は、2026年11月上旬に公開される要項を必ず確認してください。
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