【英検1級】2024年1月試験(2023年第3回)の解答解説

ここでは、2024年1月21日(日)に行われた、英検1級試験に出題された英文の参考記事や解答解説を紹介します。

大問1:語彙問題

大問1は解答のみ掲載します。

【大問1の解答】

1:16:211:316:321:2
2:37:112:417:322:2
3:18:213:118:123:2
4:19:414:119:124:4
5:110:115:420:425:1

大問2:長文読解

大問2-1 Primitive Communism 原始共産制

1文目に登場するマルクスから分かるように、共産主義がテーマの文章。

【英文冒頭】

According to the influential political philosopher Karl Marx, the evolution of human civilization began with nomadic bands of hunter-gatherers living in a state that has become known as "primitive communism." In such societies, according to Marx, although people lived hand to mouth, sharing was obligatory and the concept of private property was completely alien. He argued that the advent of agriculture gave rise to societies that were highly prosperous, but in which there was little obligation to distribute resources or wealth to one's fellow citizens.

実用英語検定 1級 2023年度 第3回試験 大問2-1より

タイトルになっている Primitive Communism は「原始共産制」と訳される言葉で、人類史における狩猟採集時代のあらゆるものが共有される社会の状態を指します。

マルクス史観では、社会は以下5つの状態に推移します。その最初が原始共産制です。

  • 原始共産制 → 古代奴隷制 → 封建社会 → 資本主義社会 → 共産主義社会

元ネタ、あるいは限りなく近い英文は以下より読めます。

The idea of primitive communism is as seductive as it is wrong | Aeon Essays

Marx’s idea that societies were naturally egalitarian and communal before farming is widely influential and quite wrong

  • タイトル:Primitive communism / 原始共産制
  • サブタイトル:Marx’s idea that societies were naturally egalitarian and communal before farming is widely influential and quite wrong / 農耕以前の社会は元々平等主義的で共同体的であったというマルクスの考え方は、広く影響を及ぼしているが、全くの誤りである。
  • 時期:2022年4月
  • 著者:Manvir Singh

サブタイトルの「マルクスの考えは全く間違っている」から分かるように、実際の問題でも最終的にはマルクスの原始共産制を否定する内容でした。

ちなみに、英文中に登場するパラグアイのアチェ族は、サピエンス全史にも登場します。

そこでは、理想的な共同体である一方、理想状態を維持するために弱者(老人や障害を持った子ども)を殺す種族として紹介されていました。

【大問2-1の解答】

  • 26:4
  • 27:2
  • 28:1

大問2-2 The passage of Time 歳月を経る

"歳を重ねると1年早い"

そんなあるあるに対する、一つの説を説明する英文でした。

【英文冒頭】

Older adults generally feel time seems to pass more quickly with age. While a cause of this phenomenon has not yet been identified, Duke University researcher Adrian Bean believes it relates to how the brain processes images.

実用英語検定 1級 2023年度 第3回試験 大問2-2より

元ネタ、あるいは限りなく近い英文は、デイビッド・ハミルトンの以下の記事より読むことができます。

Why time speeds up as you age - David R Hamilton PHD

As children, the last few days before Christmas or a birthday drag on, yet as adults, come November, we're counting the weeks to Christmas and can't …

  • タイトル:Why time speeds up as you age /なぜ時を重ねると時間が早まるのか
  • 時期:2022年5月
  • 著者:David Hamilton

【大問2-2の解答】

  • 29:3
  • 30:1
  • 31:1

大問3:長文読解

大問3-1 The Battle for Bankruptcy 連邦破産法をめぐる争い

アメリカの破産法の歴史がテーマの英文。

【英文冒頭】

Although national bankruptcy laws are taken for granted in the United States today, they were a controversial topic during the nation's formative years. Founding fathers Thomas Jefferson and Alexander Hamilton held opposing views on the subject, with Hamilton arguing that a national bankruptcy system giving precedence to the rights of creditors was essential in ensuring a shift from agriculture to commerce.

実用英語検定 1級 2023年度 第3回試験 大問3-1より

冒頭は、連邦派のアレキサンダー=ハミルトンと、反連邦派トマス=ジェファソンの論争からスタート。

今の価値観で言えば、州をまたぐ法律を制定しようとしたハミルトンが革新派で、ジェファソンが保守的なイメージです。世界史の知識があると少し有利な内容でした。

ちなみにジェファソンといえば、奴隷制度を批判しながら自身は大量の奴隷を所有していたことで有名な大統領です。さまざまな書籍で言及されているので、名前だけは知っていた方は多いかもしれません。

破産法という大テーマで資料は膨大だったため、元ネタになり得る文献を絞りきることはできませんでした。

その中から、米国破産法の歴史について書かれた以下が文章が興味深かったので、参考文献としておきます。

  • タイトル:A New Understanding of the Bankruptcy Clause
  • 時期:2013年
  • 著者:Stephen J. Lubben

上記のp340以降が該当箇所です。

紙で読みたい方は、同著者の本もありますのでご参照下さい。

【大問3-1の解答】

  • 32:4
  • 33:2
  • 34:3

大問3-1全訳

以下、大問3-1本文のざっくり和訳です。

連邦破産法をめぐる争い

今日、国家破産法は米国では当然のものとされているが、国家形成期には論争の的となった。建国の父であるトーマス・ジェファーソンとアレクサンダー・ハミルトンは、このテーマについて対立する見解を持ち、ハミルトンは、農業から商業への移行を確実にするためには、債権者の権利を優先する国家破産制度が不可欠であると主張した。結局のところ、彼は、債務者が債務不履行に陥った場合に債権者が少なくとも部分的に弁済を受けられるという法的保証がなければ、誰がまともな心で新しい事業に資本を投入するだろうか、と主張した。しかしジェットファーソンは、破産法は州の権利を踏みにじり、農民の財政に壊滅的な打撃を与えた長期干ばつなどの不運な時に、略奪的な債権者が債務者の資産を差し押さえることを可能にする悪質な制度であると考えた。1790年代の金融危機の後、ハミルトンの主張が優勢となり、1800年の破産法が成立したが、3年後に汚職疑惑とジェファーソンの当選によって廃止され、覆された。

さらなる金融危機の後、1841年と1867年に国家破産法が制定されたが、景気回復と法律の施行に対する不満から、急速に廃止が進んだ。このため、1800年代の大半は、破産は州政府の手に委ねられていた。しかし、州によって破産法の規制が異なり、その施行も緩かったため、多くの債務者は債権者が法的手段を持たない州へ逃亡することになった。さらに、投資家や商人は、他の州に住む債権者よりも地元の債権者の弁済を優先する州の規制を非難した。1800年代後半になると、商業が農業の優位を奪ったことは明らかであり、これに州法の制限が加わると、国家破産法の提唱者が優位に立つことになった。

しかし、企業に関しては論争が絶えなかった。1800年代初頭、アメリカの公共生活の中で重要性を増した企業は、有料道路や鉄道などの公共事業であることが多く、資金調達のために莫大な資本支出を必要とした。その破綻は壊滅的な経済的影響をもたらす可能性があったが、既存の州破産法には、州をまたがる大規模な破産を処理する仕組みが欠けていた。合衆国憲法は、連邦破産法を制定する権限を連邦議会に与えているため、現代のアメリカ人にとっては、このジレンマに対する明白な解決策に思えるだろう。1800年代半ば、ヘンリー・クレイのような政治家は、企業の設立には州の認可が必要であり、州法で認められた免除や特権が関係することが多いため、「企業はいつ設立するのが最善か、廃止するのが最善かは州が知っている」と主張した。しかし、企業が多様化し、州の規制から切り離されるようになると、こうした主張はますます時代遅れになった。1898年に金融危機が再燃し、破産法が制定されたとき、政治的・法律的な風向きは十分に変化し、破産した企業に対する措置を長期的な法案に盛り込むことへの反対を押し切ることができた。この法律は、今日アメリカ人が慣れ親しんでいる多くの破産保護と義務の基礎を形成した。

大問3-2 Epigenetics 後成遺伝学 - 或いはDNAの塩基配列の変化なしに起こる変異

大問3-2のタイトルは"Epigenetics"、寡聞にして初めて知る言葉でした。

エピジェネティクスとは後成遺伝学とも呼ばれる分野で、DNAの塩基配列の変化なしに変異を発生させることをテーマとしています。

【英文冒頭】

Discussions of evolution and DNA often focus on the role of spontaneous mutations that can alter an organism's genetic code. These alterations can cause organisms to acquire what are known as adaptive traits, such as camouflage that helps animals to avoid predators, and they play a significant role in determining an organism's chances of passing on its genes to offspring. It is also true, however, that while random alterations in organisms' genomes do sometimes influence them to, develop adaptations, mutation rates alone are insufficient to account for the rapidity with which such adaptations arise.

実用英語検定 1級 2023年度 第3回試験 大問3-2より

通常、生物の変化は何世代にも渡り時間をかけて行われます。しかし、エピジェネティクスでは、たった1代で次世代にも残る変化を起こせるとか。

まずは日本語でざっくり内容把握したい方は、NHKに良い記事があったので、そちらをご参照ください。

運命を変える「DNAスイッチ」子孫まで影響する?「精子トレーニング」とは | NHK健康チャンネル

今、遺伝子の研究で最もホットな分野の一つが「DNAのスイッチ」。なんとDNAにはまるで「スイッチ」のような仕組みがあり、その切り替えによって遺伝子の働きががら…

大問3-1とは異なり、かなり専門的な分野なので、段落に分けて参考文献を紹介します。

第2段落:コンラッド・H・ウォディントンのコバエの実験

第2段落ではイギリスの発生生物学者、コンラッド・H・ウォディントンのコバエ実験が引用されます。

それについては、以下の記事をご参照下さい。

Revisiting Waddington: A new explanation for an old experiment – Genes to Genomes

In the 1940s, C. H. Waddington discovered a peculiar phenomenon in fruit flies: traits could appear in response to environmental stress in an individual’s life…

本文にも登場するfruit flyはミバエと訳していますが、日本でいう"コバエ"や"ショウジョウバエ"に該当するみたいです。

第3段落:マウスを使った老化実験

第3段落では、マウスを使った老化実験が登場します。

それに関しては、ハーバード大学メディカル・スクールのこちらの記事をご参照ください。

付属の動画を見ると、よりイメージが湧きやすいと思います。

Loss of Epigenetic Information Can Drive Aging, Restoration Can Reverse It | Harvard Medical School

Study implicates changes to way DNA is organized, regulated rather than changes to genetic code

【大問3-2の解答】

  • 35:4
  • 36:2
  • 37:1

大問3-2全訳

最後に、大問3-2本文のざっくり和訳です。

後成遺伝学

進化とDNAに関する議論では、しばしば生物の遺伝暗号を変化させる自然突然変異の役割に焦点が当てられる。このような変化は、動物が捕食者を避けるのに役立つカモフラージュのような、適応形質として知られるものを生物に獲得させる可能性があり、また生物の遺伝子が子孫に受け継がれる可能性を決定する上で重要な役割を果たしている。しかし、生物のゲノムのランダムな変化が、適応の発達に影響を与えることがある一方で、突然変異率だけでは、そのような適応が急速に生じることを説明するには不十分であることも事実である。様々な補足説明が存在するが、その中でもエピジェネティクスという分野が近年注目を集めている。エピジェネティクスとは、遺伝子の活性化や不活性化に影響を与えるが、生物のDNA配列そのものには変化を与えない改変を指す。エピジェネティクスが特に注目されるのは、遺伝暗号の変化が何千年もかけて徐々に蓄積されていくのとは対照的に、エピジェネティックな変化は環境や行動の引き金に反応して驚くほど迅速に起こりうるからである。

エピジェネティックな変化は1940年代に発見された。生物学者コンラッド・ワディントンが、未熟なミバエを高温や化学薬品にさらす実験を行ったところ、遺伝子が羽の形成に及ぼす影響に大きな変化が見られたのだ。驚くべきことに、刺激にさらされたハエだけでなく、その子孫にもこのような変化が見られた。それ以来、エピジェネティックな変化の根底にあるメカニズムの解明が進んでいる。その顕著な例のひとつが、メタン分子がDNAに結合するメチル化である。メチル化は個々の遺伝子をオン・オフさせ、その遺伝子に影響されるタンパク質の産生を制御する。ミバエの場合と同様、メチル化によって生じた変化は持続する可能性がある。このことは、飢饉を経験した個人だけでなく、その子孫も糖尿病や肥満に罹患する可能性が統計的に高いという研究によって、さらに証明されている。

エピジェネティックな変化がもたらす最も重大な影響のひとつは、老化に関連しているようだ。ある実験では、老化をシミュレートするために、太陽光や酸素への暴露などの影響を模倣して、マウスのDNAに繰り返し切り込みを入れた。初期の段階では、遺伝子を制御するエピジェネティック・タンパク質が切断部位に移動し、DNAを修復した。しかし、実験が進むにつれ、タンパク質は元の場所に戻らなくなった。エピジェネティック・タンパク質が分散し、細胞の機能を制御する能力が低下した結果、マウスに老化の兆候が現れ始めたのである。研究者たちは、遺伝子そのものに変化を与えないように注意深く切断を行ったので、これは、老化を促進するのは遺伝子の突然変異ではなく、遺伝子間の無秩序が原因であることを示す。しかし、有望なことに、研究者たちは、新しい遺伝子をマウスに投与する治療法によって、エピジェネティックな変化が逆転し、老化の影響も元に戻ることを発見した。エピジェネティック・タンパク質の拡散を制限することは、DNAの突然変異を元に戻すことよりも困難な作業ではない。そのため、エピジェネティック・タンパク質の操作は老化の治療法として大きな可能性を秘めている。

大問3-3 England's Poor Laws 英国救貧法の歴史

長めの英文が来る大問3-3。今回は815語でした。

テーマはイギリスの福祉政策である救貧法。エリザベス救貧法として、国家が行った初の福祉政策としても有名です。

【英文冒頭】

In medieval times, England's impoverished peasants mainly left to survive on their were own without aid from the state. While the church provided a degree of relief to those living in poverty, it was generally taken for granted that a spike in food prices would also lead to a spike in mortality rates. Later, as Britain began to leave the medieval way of life behind, population growth started to outpace economic expansion, and changes in the agricultural system increased unemployment, causing poverty rates to skyrocket.

実用英語検定 1級 2023年度 第3回試験 大問3-3より

専門的な最新研究というより、どちらかと言えば定番の内容で、世界史や政治経済の知識があれば解きやすい問題でした。そのため、特定の元ネタはありません。

イギリスの救貧法の歴史について知りたい方は、こちらのサイトがオススメです。

経済学者マルサス

救貧法の反対論じゃとして、経済学者のマルサスが登場します。

こちらも有名な経済学者で、歴史や政治経済では「人口論」の著者として覚えます。彼の主張は「マルサスの罠」として知られています。

マルサスの罠

「幾何級数的に増加する人口と算術級数的に増加する食糧の差により人口過剰と貧困が発生するのは必然であり、社会制度の改良では回避できない」

難しい言葉ですが、簡単に言ってしまうと「食料生産量 <<<人口増加量だからヤバい」といった主張です。

【大問3-3の解答】

  • 38:3
  • 39:1
  • 40:4
  • 41:2

大問3-3全訳

最後にざっくり和訳をどうぞ

英国の救貧法

中世のイングランドでは、貧困にあえぐ農民は、国からの援助なしに自力で生きていくのが主だった。教会は貧困にあえぐ人々をある程度救済したが、食料価格の高騰が死亡率の急上昇につながることは一般に当然視されていた。その後、イギリスが中世の生活様式から脱却し始めると、人口増加が経済拡大を上回るようになり、農業システムの変化によって失業が増加し、貧困率が急上昇した。

16世紀後半、悲惨な収穫が食糧暴動を引き起こし、住宅価格の高騰が破滅的な負債につながったことで、事態は頭打ちとなった。イングランドの支配階級のエリートの中には、農民の苦難に同情する者もいたが、大多数の貴族にとっては、不安の症状は革命と無政府状態の恐ろしい前兆と見なされた。この支配階級の考え方の急激な変化が、1601年のエリザベス救貧法に影響を与えた。

この法律により、イングランド史上初めて、国家には社会的弱者に対する義務があることが認められた。地方自治体には、貧しい人々のための施設を提供するために増税する権限が与えられ、小教区として知られる地区に基づいて責任地域が設けられた。このため、貧困救済の運営方法は非常に多様化した。地方公務員は小教区の住民にどう対応するかについて大きな裁量権を持っていたため、小教区によっては、困窮した市民が良識と人道をもって扱われることもあれば、自分たちの利益のためだけに制度を利用しようとする腐敗した役人に直面することもあった。

政府の救済を受ける人々は、高齢者や身体障害者などの「値する貧困者」と、健常な乞食などの「値しない貧困者」に分類された。恵まれるべき貧困層は、必要な経済的支援を受けることができたが、恵まれない貧困層は、社会に寄生する怠け者として断罪され、ワークハウスと呼ばれる施設に入れられ、そこで強制労働をさせられたり、投獄されたりもした。このような不幸で誤った失業の概念は、もちろん、金融サイクルや需要と供給といった、失業などに影響を与える基本的な経済原則を完全に無視した結果の産物だった。

救貧法は、識字率や病気といった貧困の根本的な原因に対処しようとする試みすらまったく怠っていたが、さまざまな非常に有益な影響を及ぼした。まず第一に、全国的な飢饉と飢餓を大幅に減少させた。さらに、この画期的な改革は、いわゆる労働力の流動性を高める効果もあった。つまり、貧困にあえぐ老親を支える人々の負担を軽減することで、働き盛りの大人が経済的機会の多い都市部に移住することを可能にしたのである。労働移動とその結果としての都市化は、産業革命の発展に不可欠なものであり、貧困にあえぐ農耕社会から工業化された都市社会へと変貌を遂げたイングランドが繁栄を享受する上で、救貧法が重要な役割を果たしたと主張することができる。

しかし、次第に、貧困法は不合理な財政支出を要求し、貧困層の間に政府からの配給への依存を生み出し、労働市場に悪影響を及ぼしているという一般的な意見が生まれた。影響力のある学者トマス・マルサスは、救貧法には崇高な意図があったが、非現実的だったと主張した。マルサスは、かつては貧困層が家庭を持つことを妨げていたが、政府から救済を受けられることが保証されたことで、子供を持つことが奨励され、その子供は成長し、福祉制度にとってさらに大きな負担となったと主張した。マルサスは、法律が「維持する貧困者を生み出す」と主張した。この考えと、貧しいのは教育の欠如や、より恵まれた市民と同じ機会を得られなかった結果ではなく、道徳的な欠点であるという認識が相まって、多くの人々が救貧法の廃止や改革を求めるようになった。

その結果、1834年に救貧法改正法が成立した。法の運用は標準化され、どの教区の人々も比較的平等に扱われるようになったが、市民の貧困生活を抑止できると考えられるようになったため、制度は信じられないほど過酷なものとなった。ワークハウスは数を増やし、その中の環境は意図的にひどいものにされた。親は子から引き離され、食事はひどく不十分で、すべての入所者はひどい環境での過酷な労働を強いられた。救貧法は、貧困層の福祉を提供する比較的啓蒙的で進歩的な試みから、彼らの苦しみを増大させるだけの過酷で抑圧的な制度へと変貌した。時間の経過とともに状況は徐々に改善されたものの、ワークハウスと貧困法は20世紀まで存続した。

大問4:英作文

今回は「人類の問題を解決するために科学に頼るべきか?」という問いに200~240語程度で答える問題でした。

解答例はご参考まで。

解答例①

    Science has been a trustworthy friend in our modern world, helping solve some big problems humanity faces. That's why I think we should count on science to deal with these challenges. Here are three reasons why.

    Firstly, science relies on evidence and real data to understand problems and find solutions. Following the scientific method means using facts to figure out what works best, instead of just guessing or going with our gut feelings.

    Secondly, science encourages new ideas and tackles tough problems. For example, breakthroughs in medicine and clean energy show how science can bring about big changes. Embracing these new ideas helps us fight issues like climate change, sickness, and poverty, and gives us clear ways to make progress.

    Thirdly, science helps us adapt and keep moving forward by encouraging us to try new things and learn from them. By using the scientific method, we keep improving our understanding and strategies over time, adjusting to new situations and challenges. This way, we can handle tricky situations with creativity and strength.

    Relying only on science can be risky, but it's still a powerful tool for solving humanity's problems. We need a well-rounded approach that considers different viewpoints, ethics, and working together across different fields to find lasting solutions.

解答例②

    Science has been a reliable ally in modern society, offering solutions to some of humanity's most urgent issues. Therefore, I firmly advocate for relying on science to tackle these challenges, supported by three key reasons.

    Firstly, science operates on evidence and empirical data, providing dependable insights into problems and potential solutions. By adhering to the scientific method, we can conduct fact-based analyses to identify effective strategies, enhancing problem-solving efficiency over guesswork or intuition.

    Secondly, science drives innovation and addresses complex problems. Breakthroughs in medicine and sustainable energy exemplify how scientific progress leads to transformative technologies. Embracing these innovations strengthens our capacity to combat issues like climate change, disease, and poverty, offering tangible paths to progress.

    Thirdly, science encourages adaptability and ongoing progress through experimentation and iteration. By continuously refining our understanding and strategies via the scientific method, we can adapt to changing circumstances and emerging challenges. This iterative process enables us to navigate uncertainty and complexity with resilience and creativity.

    While relying solely on science carries risks, it remains a potent tool for addressing humanity's problems. A comprehensive approach integrating diverse perspectives, ethical considerations, and interdisciplinary collaboration is vital for fostering sustainable solutions.

今回の英文は収録されていませんが、対策に過去問をどうぞ。

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GOKO編集室
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