【慶應小論文】「だれでも上手に書ける 小論文合格ノート」著者・菊池秀策先生が語る 学部別対策&参考書完全ガイド

慶應義塾大学の小論文は、他大学とは一線を画す独自の出題形式が特徴であり、高度な思考力を求められる難関試験です。

「何を書けばいいのかわからない」「どこから対策を始めればいいのか不安」——そう感じている受験生も多いでしょう。

しかし、適切な対策をとり、書き方のポイントを押さえれば、合格点を突破することは十分可能です。

今回は、『だれでも上手に書ける 小論文合格ノート』の著者であり、数多くの受験生を慶應合格へと導いてきた菊池秀策先生に、慶應小論文攻略のコツを伺いました。

  • 小論文はノー勉(対策無し)でいけるの?
  • 慶應と他大学の小論の違いは?
  • 小論対策はいつから始めればいいの?
  • 具体的にどんな対策や勉強をすればいい?

などなど、菊池先生の豊富な指導経験をもとに徹底解説します。

ぜひ最後まで読み進め、合格への第一歩を踏み出しましょう!

今回取材に協力していただいた方はこちら!

菊池秀策(きくち しゅうさく)

小論文専門予備校「小論ラボ」主宰。

長年にわたり、慶應義塾大学をはじめとする難関大学の推薦・AO入試対策に携わり、数多くの合格者を輩出してきた小論文・推薦指導のエキスパート。

これまでの指導実績は累計1,000名以上。独自の指導メソッドをもとに、生徒一人ひとりの個性や強みを引き出し、「合格するための志望理由書」と「評価される小論文」の書き方を徹底的に指導する。

「自分の魅力を正しく伝えて合格できる 菊池秀策の ゼロから始める面接対策」(KADOKAWA)、「選ばれる小論文のエッセンス」(Gakken)、「看護・医療系の小論文 最強独学問題集」(かんき出版)など著書多数。

慶應小論文はノー勉でいけるか?

――ネットやSNSでは「慶應の小論文はノー勉でも大丈夫!」という話があります。対策無しでの慶應小論文はどのくらい現実的だと思われますか? 

確かに、ほとんど小論文を勉強せずに慶應に合格する受験生はいます。

しかし、それは100人に1人ほどの例外的なケースです。自分がその100人に1人に当てはまるかどうかを冷静に考えるべきです。

また、「ノー勉で受かる」という話は、生存者バイアスの影響を受けていると思います。つまり、無勉強で合格した人は目立ちやすく、そうした成功例ばかりが情報として広まりやすいのです。

逆に、しっかりと対策して合格した話や、対策不足で不合格になった受験生の声は”当たり前すぎて”目立たないのです。結果として現実が見えにくくなっていると思います。

本人はノー勉だと思っているパターン

さらに、ノー勉で合格する人の多くは、東大・京大といった最難関の国公立を目指していた受験生だった可能性もあります。

国公立は記述問題が多く、そうした他教科の対策をする過程で、自然と論述力が高まります。日頃から論理的に書く訓練をして、幅広い知識を持っているため、小論文の試験にも対応できてしまうのです。

こういった、本人は「ノー勉」のつもりでも、実質的にはキチンと学んできたパターンもあります。 

結局のところ、「楽して合格しよう」という考えは捨てた方がよいでしょう。

こうした安易な情報に惑わされず、第一志望であればまっすぐ努力して、正々堂々と試験に臨んで慶應に合格してほしいと思います!

 慶應はなぜ小論文を出題するのか?

――慶應はなぜ小論文を課しているのでしょうか?その意図は何だと思いますか?

慶應に限らず、小論文を課す大学は「与えられたテーマを正確に理解し、自分の意見を論理的に展開できる力」を重視しています。小論文では、文章を読み解くだけでなく、自らの考えを表現することが求められます。

これは、単なる現代文の読解とは異なり、資料を深く読み取る力と、自分の考えを明確に述べる力の両方が必要になります。つまり、小論文を課すことで「論理的に考え、自らの意見を発信できる人材」を選抜しているのです。

また、小論文では「書き手がどのような思考を持ち、どんな知識を蓄えてきたのか」が問われます。

単なる暗記では対応できず、普段からの思考力や読解力が試されるのです。そうした力を持った学生を求める大学にとって、小論文は非常に有効な選抜手段と言えるでしょう。

慶應と他大学の小論文の違い

――慶應とその他の大学とで小論文の傾向に違いはありますか?

慶應義塾大学の小論文は、他の大学と大きく異なる特徴を持っています。それは、学部ごとに非常に専門性の高いテーマが出題される点です。

例えば、法学部であれば法学に関する基礎知識が求められますし、文学部なら「文学を読むとは何か」「答えのない問いを考える意味とは何か」といった本質的な問題が出される傾向があります。

また、SFC(総合政策学部・環境情報学部)では、文系理系の枠を超えた、学際的な問題が出題される傾向があります。

一方、他の大学の小論文では、テーマが比較的自由であったり、形式が統一されていたりすることが多く、学部ごとの専門性が問われることは少ない傾向にあります。

慶應小論文に型やテンプレートは通用するか?

――慶應の小論文で、いわゆる小論文の型やテンプレートを使うのは有効ですか?

「小論文は型に当てはめて書けば合格できる」という考え方についてですが、基本的には「決まった型」はないと考えています。重要なのは、端的に言えば「わかりやすい文章を書くこと」です。

たとえば、「私はAだと思います。その理由はBです。具体例としてCがあります。」というように、論理的な順序で書くことは大切です。その意味では「わかりやすい構成の型」はあると言えます。

しかし、巷でよく見られる「主張 → 確かに〜しかし〜で譲歩 → 自分の体験を書く」といった、よくあるテンプレートに無理に当てはめようとすると、かえって問題の意図にそぐわない答案になるリスクがあります。

一般的な小論文であれば、ある程度の型を使うことが有効な場合もありますが、慶應の小論文では、型にこだわりすぎると逆効果になることもあります。

最も大切なのは、読み手にとって分かりやすい文章を書くことです。テンプレートに頼るのではなく、常に「どのように書けば読み手に伝わるか」を考えながら、論理的に文章を構成するようにしましょう。

小論文の勉強はいつから始める?

――慶應合格を目指す場合、小論文の勉強はいつから始めるのがよいですか?

多少の自信がある場合でも、遅くとも1学期の定期試験が終わる7〜8月頃から小論文の対策を始めるのが安全でしょう。

7〜10月の約4か月間で、週1回過去問を解けば、最大16年分の問題に取り組むことができます。このペースで進めれば、しっかりと実力をつけた状態で入試に臨むことができるでしょう。

11月頃から小論文の割合を少し減らしても、直前期に改めて最終確認をする余裕が持てるようになり、他科目とのバランスも取りやすくなります。

直前に小論文は危険

直前期は、どうしても英語や社会といった主要科目の勉強に時間を割く必要があります。

また、併願校対策も求められるため、小論文に十分な時間を確保できなくなる可能性が高いです。その結果、小論文の対策が不十分なまま試験当日を迎えてしまうこともあり得ます。

春や夏など、余裕のあるうちに小論文の基礎を固めておくことで、直前期には確認作業に集中できます。そうすれば、他の科目の勉強と並行しながらも、小論文の対策を万全に整えることができます。

受験直前になって焦ることがないよう、早めのスタートを意識することが合格への鍵となるでしょう。

小論文に自信がない場合は高3直前春から対策

――慶應の過去問に取り組めてる時点でそれなりのレベルだとは思いますが、「過去問が難しくて解けない」「まずは最初の一歩」レベルの受験生はどうしたらいいですか?

ここまでは、ある程度小論文の素養がある生徒の例ですが、中にはそもそも「慶應の過去問が難しくて解けない」「小論文に全く自信がない」と不安を抱えている受験生もいると思います。

そういった受験生は、高校3年生の直前、高校2年生の春休み頃から対策を始めることをオススメします。

具体的な勉強法や対策は、この後すぐに紹介します!

小論文で英語と国語の点数アップ

小論文対策は、時間に余裕を持って取り組むことで、焦らずに基礎力を養うことができます。また、小論文対策の勉強は英語や現代文への得点アップにも繋がります。

文章の構成する仕組みを知ることで、英語の長文や現代文が構造的に読めるようになります。

小論文学習を通して得た知識や論述力は、英語や国語など、他の科目にも役立つため、早期に対策を始めることは決して無駄にはなりません。

小論文オススメ勉強法&参考書

――小論文対策としてオススメの勉強法や参考書を教えてください。

過去問に挑戦する前の段階では、いきなり本番レベルの問題に取り組むのではなく、段階的に基礎を固めることが重要です。

ここからは、小論文の基本的な構成や論理展開を学ぶために、オススメの参考書を紹介します。

誰でも上手に書ける 小論文合格ノート

慶應の小論文対策として、まず手に取ってほしいのが、私自身が執筆した「誰でも上手に書ける 小論文合格ノート」(KADOKAWAです。

タイトルに推薦や総合型の名前はついていますが、もちろん広く小論文を学ぶのに適しています。

初めて書いた本ということもあり、かなりこだわって書いた参考書です。見た目は愛嬌ある感じですが、中身は本格的で、小論文対策の入門書として最適です!

全部で59のテーマを扱っており、テーマ36までの200字論述練習はゼロから短時間で論理的な文章を書く力を養うのに特に役立ちます。

後半は学部別の対策となっていますが、自分の志望学部だけでなく、他の学部のテーマにも挑戦することで、幅広い知識を身につけることができます。

「自分で手を動かして実際に書き始めてほしい」、そんな思いが込められた魂の一冊です!GOKOの小論文ルートにも入れていただいており、大変嬉しく思っています。

ちくま 現代文記述トレーニング

次に、基礎力養成としておすすめしたいのが、『ちくま 現代文記述トレーニング』(筑摩書房)です。現代文の参考書ではありますが、小論文対策にも非常に役立ちます。

課題文の要約例が豊富に掲載されているので、文章を正確に読み解き、要約する力を養うことができます。また、テーマ解説も充実しており、知識と論述力を同時に高めることができます。問題を解きながら、自然とテーマ別の知識が身につくのが、この参考書の大きな魅力です。

新小論文ノート

これらの2冊で基礎を固めたら、さらに余裕があれば、『新小論文ノート』(代々木ゼミナール)にも挑戦してみましょう。

毎年改訂版が出版されており、時事問題にも対応できるので、慶應の小論文で問われる幅広い知識を習得するのに役立ちます。テーマ別、形式別に問題が掲載されているので、志望学部の傾向に合わせた対策も可能です。

1500円程度とお手頃価格ながら、非常に有能な参考書です。

慶應小論過去問

これらの参考書で基礎力をつければ、スムーズに過去問演習に取り組めるはずです。

赤本に掲載されている過去問を解き、慶應の小論文の出題傾向や時間配分を把握することが重要です。赤本に載っている過去問は、すべて解くつもりで取り組みましょう!

【まとめ】慶應小論文対策のステップ

小論文の最高峰慶應SFC対策

慶應の小論文は、文学部や法学部など、学部ごとの特色が強く出ていますが、SFCは特に独特です。慶應というより、もはや「SFCという一つの大学」として対策する必要があるかもしれません。

SFCの小論文は、総合的な読解力が求められます。まず、図表やグラフを正確に読み解く力、そして課題文を深く理解する力が必須です。SFCの小論文は、これらの要素が組み合わさったものが基本だと考えて良いでしょう。

しかし、SFCの小論文の難しさは、それだけでは太刀打ちできない点にあります。毎年、予測不能な問題が出題されるため、臨機応変に対応する力が必要です。

では、どのように対策すれば良いのでしょうか?

まず、幅広い知識を身につけることが重要です。何から始めれば良いか迷うかもしれませんが、例えばKADOKAWAから出版されている「小論文頻出テーマ」シリーズなど、様々な分野の小論文対策本に目を通し、知識の幅を広げましょう。

SFCこそ過去問が大事

また、SFCの小論文は予測不能な問題が出題されるため、過去問演習が非常に重要です。

時間を計って過去問を解き、出題形式や時間配分に慣れておくことで、本番で焦らずに対応できるようになります。過去問演習を通して、臨機応変に対応する力を養いましょう。

「時間を測って本番通りに」がSFC過去問演習のポイントです。

SFCの過去問の取り組み方

  •  時間を計って解く(本番を想定)
  •  解答解説を読み込んで、問題と解答を分析
  •  実際に書いた答案の見直しとリライト

「同じ問題は出ないから過去問は無駄」という人がいますが、とんでもありません。

入試という非常に緊張した状態での「対応力」を身につけるためには、過去問以上に良い教材はありません。

学校の進路指導室や赤本を活用し、できるだけ多くの過去問に触れてください。

小論文の採点&高得点ポイント

――小論文で高得点を取るポイントやコツはありますか?

小論文の配点や採点基準は、大学によって公表されている場合とそうでない場合があります。

慶應義塾大学の場合、具体的な配点や採点基準は公表されていませんが、他の大学の採点基準などから考えると、以下の3点が重視されると考えられます。

論理的な一貫性

読者が読んで矛盾を感じない、論理的に整合性のある答案が書けているか。

論理性とは、読んでいる人が矛盾を感じないような一貫した論理展開をすることです。自分の主張がしっかりと支えられているかを確認しましょう。

テーマや設問に沿った内容

問題で与えられたテーマを正確に理解し、それに沿った内容で論述されていること。

設問に対して適切な内容で答えていることが大切です。問題の意図を理解し、的外れな内容を書かないようにしましょう。

表記・表現上のミスがないこと

誤字脱字、文法的な誤り、不適切な表現がないこと。誤字脱字があると、印象が大きく悪くなります。文法や表記に気をつけて、正確な日本語で書くことが重要です。

これらの3点に加え、内容や思考の深さ、新規性も評価の対象となる可能性はありますが、個人差も大きく、仮に欠けていたとしても合格点は取れます。

そのため、まずは上記の3点を確実にクリアすることを意識して下さい!

 がんばれ受験生

――最後に慶応の小論文の勉強をこれからしようとしている受験生にメッセージをお願いします!

小論文は、単に文章を書く力だけでなく、これまでの知識や経験を総動員して書くものです。つまり、日々の学習で得た知識が土台となります。

ですから、小論文対策として特別な勉強をするだけでなく、学校の授業や日々の学習を大切にしてください。国語、数学、理科、社会など、幅広い分野の知識を身につけることが、小論文を書く上で大きな力となります。

日々の学習と読書を通して、知識の幅を広げ、小論文で自分の考えを自由に表現できるよう、頑張ってください!

編集後記

―― 慶應小論文対策、一人で悩まずプロの指導を――

この記事で紹介した対策法や参考書を活用しても、一人で小論文対策を進めることに不安を感じる方もいるかもしれません。

慶應専門塾GOKO(ゴーケイオー)では、菊池先生をはじめとする経験豊富な講師陣が、あなたの志望学部に合わせた個別指導を提供しています。

「過去問を解いてみたけど、本当にこれで合格点が取れるのか不安」「自分の答案のどこを改善すれば良いのか分からない」

そんな方は、ぜひ一度GOKOの体験授業やカウンセリングをご利用ください。あなたの現状と目標に合わせた最適な学習プランをご提案します。

体験授業の詳細

  • 対象:慶應合格を目指す高校生・保護者
  • 形式:オンライン
  • 費用:無料

お申し込み方法

以下の必要事項を記入の上、お申し込みください。

*菊池先生へのお問合せの場合は、お問合せ内容の「菊池秀策先生お問合せ」を選択するか、相談内容の欄にその旨をご記入ください。







    お問い合わせ内容

    最後に

    慶應小論文は、決して簡単な試験ではありません。しかし、この記事で紹介した対策法を実践し、諦めずに努力を続ければ、必ず合格を掴み取れます。

    「努力は裏切らない」

    この言葉を信じて、最後まで自分を信じて頑張ってください。あなたの慶應合格を心から応援しています!

    投稿者

    GOKO編集室
    GOKO編集室
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