慶應理工2025年英語:解答速報と問題解説 / 思考と感情

2025年2月12日に行われた、慶應義塾大学理工学部一般選抜の英語の入試問題に関して解説しています。

慶應理工2025年の試験概要

2025年は様々が学部で入試改革が行われましたが、理工学部は凪でした。

大問1:思考と感情:ジェンダー固定観念を克服するためのアプローチ

  • 題名:感情の歴史 / The History of Emotions: A Very Short Introduction
  • 著者:トーマス・ディクソン / Thomas Dixon
  • 文字数:664語

ロンドン大学の歴史学教授にして、感情史の第一人者、トーマス・ディクソン教授の著書から出題。

喜び、悲しみ、怒り、不安… 私たちは日々、様々な感情に揺れ動かされています。しかし、感情とは一体何なのでしょうか? そして、感情はどのように歴史の中で変化してきたのでしょうか?

感情の歴史を辿りながら、感情というものが時代や文化によっていかに変化してきたのかを教えてくれる一冊です。

大問1:解答

*解答速報のため、適宜修正される可能性があります。

大問1-1:語彙問題1~5

(1) 5. supposed: 推定された、仮定された

(2) 2 champion: 擁護者、支持者

(3) 4. desperate: 絶望的な、必死の

(4) 5.obscured: ぼんやりした、曖昧な

(5) 3. imminent: 差し迫った、切迫した

①alleded:申し立てられた、主張された

  1. conclusive: 決定的な、結論的な
  2. elusive: 捕えにくい、理解しにくい
  3. lucrative: 儲かる、有利な
  4. self-evident: 自明の、明白な
  5. supposed: 推定された、仮定された

allegedは、「申し立てられた」「主張された」という意味で、確証はないものの、そうであると主張されていることを表します。

supposedは、「推定された」「仮定された」という意味で、allegedと同様に、事実かどうか定かではないことを前提としています。

一年前の塾長ツイートがドンピシャ的中でした。

②advocate :提唱者、支持者

  1. antagonist: 反対者、敵対者 
  2. champion: 擁護者、支持者
  3. founder: 創設者、設立者
  4. opponent: 反対者、敵
  5. pioneer: 先駆者、開拓者

チャンピオン=優勝者だと思い込むと正解できない悩ましい設問。

③dire :恐ろしい、悲惨な、差し迫った

  1. decadent: 退廃的な、堕落した
  2. demanding: 要求の多い、厳しい
  3. derisive: あざけるような、嘲笑的な
  4. desperate: 絶望的な、必死の
  5. despicable: 卑劣な、軽蔑すべき

かつて「デスパレートな妻たち」といいう人気ドラマがありました。知らなかった人は、それをフックに覚えてください。

④blurred:ぼやけた、不明瞭な

  1. eliminated: 除去された、排除された
  2. eradicated: 根絶された、撲滅された
  3. erased: 消去された
  4. obliterated: 完全に破壊された、消滅した
  5. obscured: ぼんやりした、曖昧な

⑤impending:差し迫った、切迫した

  1. accelerated: 加速された
  2. belated: 遅れた
  3. imminent: 差し迫った、切迫した
  4. permanent: 永続的な、恒久的な
  5. unexpected: 予期しない

高い語彙力が要求されますが、いわゆる"2冊目の単語帳"レベルでクリアできるので、本文読解のためにもそこまでやりましょう。

ターゲット1900やシス単を使っている受験生にオススメはスパルタ3です

大問1-2:空所補充6~12

(1) 4. domain「男性は知識と理解の領域であると教えられてきた」

(2) 5. whose

(3) 5. stereotypical「女性の感情と男性の合理性という典型的な対比」

(4) 1. command 「感情を制御(コントロール)できる理性的な存在」

(5) 1. according

(6) 2. For instance

(7) 4. rational

大問1-3:タイトル問題13

英文の内容に最もふさわしいタイトルを選択肢1~5の中から選び、マークシートの解答欄 (13) にマークしなさい。

5. Thinking and Feeling: Approaches to Overcoming Gender Stereotypes

思考と感情:ジェンダー固定観念を克服するためのアプローチ

原文でも以下の通りになっています。

「The History of Emotions: A Very Short Introduction」p15

大問1-4:内容一致問題14~15

[4] 英文の内容に最も一致するものを選択肢1~6の中から2つ選び、マークシートの解答欄 (14) から (15) にマークしなさい。ただし、解答の順序は問いません。

  • 3:Martha Nussbaum supports the idea that emotions are rational in that they are judgements about the world.
    マーサ・ヌスバウムは、感情は世界についての判断であるという点で合理的であるという考えを支持している。
  • 4:Mary Wollstonecraft believes that women can develop their capacity for rationality if they are better educated.
    メアリー・ウォルストンクラフトは、女性はより良い教育を受ければ合理性を発達させることができると考えている。

大問1-5:発音問題16~19

発音記号で度々登場する「ː」ですが、これは「伸ばしますよ」マークで、日本語でいう「ー」的な意味です。

本来英語はカタカナで表記できませんが、学習の利便性を考慮してカタカナ表記いたします。

(ア) 4 thaw: /θɔː/ (ソー)

(イ) 2 cat: /kæt/ (キャット)

(ウ) 3 clothe: /kləʊð/ (クロウズ)

(エ) 2 bullet: /ˈbʊlɪt/ (ブレット)

(ア) taught: /tɔːt/ トート

  1. about: /əˈbaʊt/ (アバウト)
  2. coat: /kəʊt/ (コート)
  3. laugh: /lɑːf/lǽf /(ラーフorラフ)
  4. thaw: /θɔː/ (ソー)

(イ) rationality: /ˌræʃəˈnæləti/ (ラショナリティ)

  1. ability: /əˈbɪləti/ (アビリティ)
  2. cat: /kæt/ (キャット)
  3. farm: /fɑːrm/ (ファーム)
  4. race: /reɪs/ (レース)

(ウ) thus: /ðʌs/ (ザス)

  1. aesthetic: /esθétik/ (エスセティック)
  2. breath: /breθ/ (ブレス)
  3. clothe: /kləʊð/ (クロウズ)
  4. Thailand: /ˈtaɪlænd/ (タイランド)

(エ) butcher: /ˈbʊtʃər/ (ブッチャー)

  1. buffer: /ˈbʌfər/ (バッファ)
  2. bullet: /ˈbʊlɪt/ (ブレット)
  3. bury: /ˈberi/ (ベリィ)
  4. busy: /ˈbɪzi/ (ビジィ)

大問1:全文和訳

概ね(ざっくり)ではありますが、以下のような文章です。

*読みやすさのために適宜改行しています。

第1段落

【第1段落冒頭】Some of the most powerful and historically ancient beliefs about emotions are connected with dichotomies of gender, associating some mental states more with women, and others with men.~~~

感情に関する最も強力で歴史的に古い信念の中には、ジェンダーの二分法に関連するものがあり、ある精神状態は女性に、別の精神状態は男性に結び付けられています。西洋の歴史を通じて、作家や哲学者たちは、思考と感情、頭と心、理性と情熱、知性と感情といった区別をしてきました。これらの対比はすべて微妙に互いに異なりますが、全体像はなかなか抜け出すことが難しいものであり、歴史的に女性は感情と、男性は知性の強さ(であるとされているもの)とより頻繁に結び付けられてきました。

1980年代初頭、黒人フェミニスト作家のオードレ・ロードは、男性は依然として、自分たちの領域は理解と知識であると教えられており、女性を「アリがアブラムシにするように」、自分たちの感情表現をさせるためにそばに置いておくべきだと教えられている、と述べました。ロードにとって、思考と感情のこのような分離は、知識、理解、尊敬から排除される女性にとっても、抑圧された感情が痛み、敵意、暴力につながる男性にとっても有害でした。

語彙

  • dichotomies: (名詞) 二分法、対立。二つの対照的なものに分けること。
  • mental states: (名詞) 精神状態。思考、感情、感覚など、心の状態全般を指します。
  • alleged: (形容詞) 申し立てられた、主張された。確証はないものの、そうであると主張されていることを表します。
  • intellect: (名詞) 知性、知力。思考し、理解する能力。
  • domain: (名詞) 領域、範囲。
  • aphids: (名詞) アブラムシ。アリがアブラムシから蜜をもらう関係に例え、男性が女性に感情表現を「委ねる」状況を批判的に表現しています。
  • segregation: (名詞) 分離、隔離。
  • repressed: (形容詞) 抑圧された。感情などが表に出されずに、内面に押し込められている状態。
  • hostility: (名詞) 敵意、反感。

第2段落

【第2段落冒頭】There have been several different strategies in trying to overcome this stereotypical contrasting of female feeling with male rationality.~~~

女性の感情と男性の合理性という典型的な対比を克服しようとする試みには、いくつかの異なる戦略が存在しました。

1790年代の著作において、イギリスのフェミニスト、メアリー・ ウォルストンクラフトは、男性と同様に女性も適切な教育を受ける必要があると主張しました。そうすることで、女性の理性と理解の力が十分に発達し、情熱を制御し導くことができるほど強くなるからです。つまり、女性も男性と同様に、感情をコントロールできる理性的な存在であるべきだと述べました。

第二の戦略は、オードレ・ロードによって提唱されました。彼女は、男性も女性も感情と完全に触れ合う必要があると主張しました。「私たちの感情は、知識への最も純粋な道である」からです。ウォルストンクラフトとロードのアプローチはどちらも、感情と理解の区別を維持していますが、その対比の両極を再接続し、再評価する新しい方法を見つけようとしています。ウォルストンクラフトは女性に知性の質を伸ばすように勧め、ロードは男性に感情という(おそらく)女性的な領域と触れ合うように促しました。

語彙

  • stereotypical: (形容詞) 典型的な、固定観念的な。
  • rationality: (名詞) 合理性、論理性。論理に基づいた思考や行動をする能力。
  • rational beings: (名詞) 理性的な存在。思考し、判断する能力を持つ存在。
  • in command of: (句動詞) ~を支配する、~を制御する。
  • poles: (名詞) 極、両極端。
  • exhorting: (動詞) 熱心に勧める、説得する。
  • urging: (動詞) 促す、強く勧める。
  • supposedly: (副詞) おそらく、~だと思われる。

第3段落

【第3段落冒頭】A third strategy tries to overcome the duality by treating emotions themselves as forms of thought. The American moral philosopher Martha Nussbaum has been a prominent advocate of this view,~~~

第三の戦略は、感情そのものを思考の一形態として扱うことで、二元論を克服しようとするものです。アメリカの道徳哲学者マーサ・ヌスバウムは、この見解の著名な提唱者です。彼女によれば、感情は外界についての価値判断の一種であり、いかに正確に世界を表現しているかに応じて、独自の知性と合理性が吹き込まれています。

これは、「認知主義的」見解、あるいは古代ギリシャ・ローマのストア派哲学者に遡る情熱に関する思想に基づいていることから、「ネオ・ストア派」感情理論と呼ばれることもあります。この見解では、情熱や感情は世界についての意見や判断です。例えば、私の怒りは「私は侮辱されたので復讐すべきだ」という信念であり、私の恐怖は「私は差し迫った危険な状況にいる」という信念です。

語彙

  • duality: (名詞) 二元性、二重性。ここでは、感情と思考が二つの異なるものとして捉えられることを指しています。
  • prominent: (形容詞) 著名な、卓越した。
  • advocate: (名詞) 提唱者、支持者。ある考えや主義を支持する人。
  • infused: (動詞) 吹き込まれた、注入された。
  • cognitive: (形容詞) 認知的な。思考や認識に関わること。
  • neo-Stoic: (形容詞) ネオ・ストア派の。ストア派の思想を現代的に解釈した、またはそれに影響を受けた。
  • draws on: (句動詞) ~に頼る、~を利用する。
  • dire: (形容詞) 恐ろしい、ひどい。
  • immediate: (形容詞) 即時の、差し迫った。

第4段落

【第4段落冒頭】One final way to mention in which the contrast between rational men and over-emotional women was blurred during the 20th century arose from the experience of modern warfare. ~~~

理性的な男性と感情過多な女性という対比が20世紀に曖昧になったもう一つの方法として、現代の戦争経験が挙げられます。

第一次世界大戦の悲惨な感情的後遺症は、女性だけでなく男性も「砲弾ショック」という形でヒステリーや極度の神経過敏に苦しむ可能性があることを示しました。「泣く女」と称された人物を含む、マス・オブザベーションの報告書に掲載された4件の「極度の神経過敏」の事例のうち、他の3件のうち2件は男性でした。一人は空襲で体調を崩した肉屋で、近所の人が「彼は前の戦争で砲弾ショックを受け、どうやら少し精神を病んでしまったようです」と報告しています。

そして最後に、マーサ・ヌスバウムの考え方に沿って、女性であろうと男性であろうと、そのような反応が実際にはどれほど神経質または非合理的なものであったのかを問うべきでしょう。爆撃による自宅の破壊という差し迫った事態に対する否定的な価値判断として、恐怖という感情反応は、確かに非常に合理的で知的なものだと思われます。

  • blurred: (動詞) ぼやけた、曖昧になった。
  • aftermath: (名詞) 後遺症、余波。
  • shell shock: (名詞) 砲弾ショック。戦争の精神的トラウマによって引き起こされる精神疾患。
  • Mass Observation: (名詞) マス・オブザベーション。社会調査機関、またはその調査活動。
  • referred to as: (句動詞) ~と呼ばれる。
  • in the spirit of: (句動詞) ~の精神にのっとって、~にならって。
  • neurotic: (形容詞) 神経質な、神経症の。
  • irrational: (形容詞) 非合理的な、不合理な。
  • impending: (形容詞) 差し迫った、切迫した。

大問2:トップアスリートと心臓病

  • 題名:エリートアスリートはなぜ心臓に異常をきたしやすいのか? / Why are elite athletes prone to abnormal heart rhythms?
  • 著者:ジェニファー・クージン・フランケル/ Jennifer Couzin-Frankel
  • 文字数:627語

科学雑誌「Science」のスタッフライターで、バイオメディカルや臨床研究を専門とする記者でもある、ジェニファー・クージン・フランケル氏の記事から出題。

記事では、 endurance exercise (持久運動) が心臓病に対して強力な保護作用をもたらす一方で、一部のアスリートには心房細動を引き起こす可能性があることが指摘されています。

大問2:要約と内容解説

2024年にはあった要約問題が、2025年はなくなりました。

しかし、また復活するかもしれないので、英文の内容をまとめつつ解答に関わる箇所を整理してみましょう。

▶︎持久運動と心臓の関係

  • 持久運動は心臓を強くし、健康に良い効果がある。
  • しかし、一部のアスリートには心房細動(AF)という不整脈が起こるリスクが高まる可能性がある。

▶︎心房細動(AF)とは?

  • 心臓の上の部屋(心房)が不規則に速く動き、心臓全体のリズムが乱れる。
  • 疲労、胸の痛み、めまいなどの症状が出る可能性があり、長期間続くと深刻な健康問題を引き起こすこともある。

▶︎なぜ健康なアスリートがAFになるのか?

  • 心臓の構造や電気的な変化、遺伝が関係している。
  • エリート漕艇選手は特にリスクが高いと言われている。理由は、
    • 背の高い人が有利で、身長がAFの危険因子になること。
    • トレーニング時間が週に20~30時間と非常に長いこと。

▶︎運動はどれくらいが適切?

  • 運動は健康に良いものの、やりすぎるとリスクが高まる可能性がある。
  • 一部のアスリートは同年代の一般人よりAFのリスクが5倍になることも。

▶︎治療や対策の課題

  • AFのアスリートには、
    • 出血リスクがある血液希釈剤。
    • パフォーマンスを下げるベータ遮断薬。

      などの治療があるが、選手にとっては不満が残ることが多い。

▶︎運動を減らすのは正しい?

  • AFになったアスリートに運動を減らすよう指導することが一般的だが、それが正しいかどうかはまだ不明。
  • オーストラリアの医師が、運動量を20%減らした場合の影響を調べる研究を始めている。

▶︎結論

持久運動は健康に良い効果がある一方で、極端なトレーニングは心房細動のリスクを高める可能性がある。どのくらいの運動量が適切かを知るため、研究が進められている。

大問2:解答

大問2-1解答:20~24

(1) 4. perfect

(2) 1. inactive

(3) 4. powerful

(4) 5. verified

(5) 4. routine

下線部1: impeccable: 欠点のない、完璧な

  1. acceptable (許容できる)
  2. broken (壊れた)
  3. long (長い)
  4. perfect (完璧な)
  5. questionable (疑わしい)

下線部2: sedentary: 座りがちな、運動不足の

  1. inactive (不活発な)
  2. long-term (長期的な)
  3. low risk (低リスク)
  4. sick (病気の)
  5. sleepy (眠い)

下線部3: potent: 強力な、有効な

  1. influential (影響力のある)
  2. moderate (適度な)
  3. political (政治的な)
  4. powerful (強力な)
  5. serious (深刻な)

下線部4: documented: 記録された、文書化された

  1. computed (計算された)
  2. copied (コピーされた)
  3. filmed (撮影された)
  4. standardized (標準化された)
  5. verified (検証された)

解説:身長がAFの危険因子として記録されていることが示されているため、「検証された」が最も適切と判断。

下線部5: regimen: 養生法、トレーニング法

  1. discipline (規律)
  2. experiment (実験)
  3. resting (休息)
  4. routine (日課)
  5. running (ランニング)

解説:運動のルーティン、特に強度と時間を減らすかどうかを試す臨床試験について述べているため、「日課」が最も適切と判断。

大問2-2解答:25~29

(1) 1. 120 athletes with AF in a study

(2) 9. The majority of AF patients

(3) 7. Marius Myrstad's research team

(4) 4. Five Tour de France riders

(5) 3. Elite rowers

(1) They do not want to decrease their training if they do not have to.
もしそうする必要がないなら、彼らはトレーニングを減らしたくない
解答:1. 120 athletes with AF in a study (研究に参加している120人のAF患者)

(2) They are over 65 and have risk factors.
彼らは65歳以上で、危険因子を持っている
解答: 9. The majority of AF patients (AF患者の大多数)

(3) They will separate athletes into two groups to test the effects of reduced training intensity and length.
彼らは、トレーニング強度と時間を減らすことの効果をテストするために、アスリートを2つのグループに分ける
解答: 7. Marius Myrstad's research team (Marius Myrstadの研究チーム)

(4) They are involved in a study by Andre La Gerche.
彼らはAndre La Gercheの研究に参加している
解答: 4. Five Tour de France riders (ツール・ド・フランスの5人のライダー)

(5) They may have a higher risk of developing AF than other endurance athletes.
彼らは、他の持久系アスリートよりもAFを発症するリスクが高い可能性がある
解答: 3. Elite rowers (エリート漕艇選手)

大問2-3解答:30~31

(X) 2 They may bleed a lot after a fall.

(Y) 4 They may not perform as well as they used to.

(X) Give them blood thinners to reduce stroke risk.
脳卒中リスクを減らすために、彼らに血液希釈剤を投与する。
解答: 2. They may bleed a lot after a fall. (転倒後に大量出血する可能性がある。)

(Y) Prescribe beta blockers to slow a racing heart.
心臓の鼓動を遅くするために、ベータブロッカーを処方する。
解答: 4. They may not perform as well as they used to. (以前ほどうまくパフォーマンスを発揮できなくなる可能性がある。)

大問2-4解答:32~38

(ア) 7 (イ) 6 (ウ) 8 (エ) 2

(オ) 5 (カ) 9 (キ) 3

(ア) Why are elite athletes prone to abnormal heart rhythms?
なぜエリートアスリートは異常な心拍リズムになりやすいのか?
解答: 7. Scientists do not know for sure. (科学者たちは確信を持っていない。)

(イ) Why is Andre La Gerche excited to watch the Tour de France?
なぜAndre La Gercheはツール・ド・フランスを見るのが楽しみなのか?
解答: 6. Several of the riders are involved in his study. (ライダーの何人かが彼の研究に参加しているから。)

(ウ) What are some common symptoms of AF?
心房細動の一般的な症状は?
解答: 8. Tiredness, losing consciousness, and chest pain. (疲労感、意識消失、胸痛。)

(エ) What common advice is given to patients with AF who are not endurance athletes?
持久系アスリートではない心房細動患者によく与えられるアドバイスは?
解答: 2. Exercise more. (もっと運動をする。)

(オ) When it comes to exercise, why is it "possible to get too much of a good thing"?
運動に関して、「良いことのやりすぎ」が起こりうるのはなぜ?
解答: 5. It may cause AF. (心房細動を引き起こす可能性があるから。)

(カ) Why might elite rowers have a higher rate of AF than other athletes?
なぜエリート漕艇選手は他のアスリートよりも心房細動の割合が高い可能性があるのか?
解答: 9. They are taller. (彼らは背が高いから。)

(キ) Why is Marius Myrstad not sure whether it is right to tell athletes with AF to reduce their training?
なぜMarius Myrstadは、心房細動のあるアスリートにトレーニングを減らすように言うことが正しいかどうか確信が持てないのか?
解答: 3. He is asking them to do less of something they are passionate about. (彼らが情熱を注いでいることを減らすように言っているから。)

大問2:全文和訳

概ね(ざっくり)ではありますが、以下のような文章です。

*読みやすさのために適宜改行しています。

大問2-第1段落

On 1 July 2023, as Tour de France riders pedaled out of Bilbao, Spain, toward the French Pyrenees mountains, sports cardiologist Andre La Gerche tuned in from Melbourne, Australia. "It's exciting watching the screen and knowing the engines". ~~

2023年7月1日、ツール・ド・フランスの選手たちがスペインのビルバオを出発し、フランスのピレネー山脈に向けてペダルを漕ぎ出す中、スポーツ心臓専門医のアンドレ・ラ・ジェルシュは、オーストラリアのメルボルンからその様子を見守っていた。

「画面を見ながら、彼らを力強く前進させているエンジン、つまり心臓のことを考えると、とても興奮します」と語るのは、セント・ビンセント医科学研究所とビクター・チャン心臓研究所に所属するラ・ジェルシュだ。レース序盤でステージ優勝を果たした5人の選手は、ラ・ジェルシュが主導する、持久運動が心臓に与える影響を調べる意欲的な研究にも参加している。

持久運動は心臓病に対して強力な保護作用をもたらすが、一部の持久系アスリートには、心房細動(AF)と呼ばれる厄介な不整脈を引き起こす可能性も秘めている。

語彙

  • pedaled out of: (自転車などで) 走り出した
  • sports cardiologist: スポーツ心臓専門医
  • tuned in from: (テレビなどを) 視聴した
  • engines: (ここでは) 心臓を指す比喩表現
  • ambitious study: 大規模な研究
  • endurance exercise: 持久運動
  • powerful protection against heart disease: 心臓病に対する強力な保護作用
  • troublesome arrhythmia: 厄介な不整脈
  • atrial fibrillation (AF): 心房細動、心臓の上部心房が不規則に収縮する不整脈の一種。

大問2-第2段落

Most AF patients are older than 65 and have known risk factors, particularly high blood pressure, obesity, and sleep apnea*. Why cyclists, runners, and other athletes in otherwise impeccable health are sometimes at risk is poorly understood,~~~

心房細動(AF)患者のほとんどは65歳以上で、特に高血圧、肥満、睡眠時無呼吸といった既知の危険因子を持っています。しかし、他の点では申し分のない健康状態にあるサイクリスト、ランナー、その他の運動選手がなぜAFのリスクに晒されるのかは、十分に解明されていません。

その原因としては、遺伝的要因と、運動に関連した心臓の構造変化や電気的リズムの変化の両方が考えられます。AFでは、心臓の上部にある心房と呼ばれる部屋が不規則に、そして制御不能な速さで収縮し、下部にある心室との調和が取れなくなります。この状態は、疲労、失神、胸痛、その他の症状を引き起こす可能性があり、長期化するとより深刻な危険を伴います。

語彙

  • obesity: 肥満
  • sleep apnea: 睡眠時無呼吸
  • otherwise impeccable health: 他の点では申し分のない健康状態
  • exercise-related remodeling of the heart: 運動に関連した心臓の構造変化
  • atria: 心房
  • beat erratically: 不規則に収縮する
  • at runaway speeds: 制御不能な速さで
  • out of sync with: 〜と調和が取れない
  • fainting: 失神

大問2-第3段落

For years, doctors have urged both their sedentary AF patients and those at risk to get moving. Activity is a potent force for good, reducing the heart's stiffness, improving blood flow, and promoting electrical stability-all of which likely help prevent and manage AF, ~~

長年、医師たちは座りがちな心房細動(AF)患者と、そのリスクのある人々の両方に対して、体を動かすように勧めてきました。運動は強力な良薬であり、心臓の柔軟性を高め、血流を改善し、電気的安定性を促進します。これらはすべて、AFの予防と管理に役立つ可能性が高いと、アデレード大学の心臓生理学者であるエイドリアン・エリオットは言います。

しかし、過去20年間の研究では、良いことでもやりすぎると良くない可能性があることが示唆されています。長年にわたる激しい運動は、心臓自体を不快な電気状態に傾け、一部のアスリートでは、同年齢の非アスリートよりもAFのリスクが5倍も高くなる可能性があります。ほとんどの研究では、持久系アスリートは生涯の後半にAFを発症することが示されていますが、競技生活中に発症する場合もあるとエリオットは述べています。

語彙

  • sedentary AF patients: 座りがちな心房細動患者
  • potent force for good: 強力な良薬
  • reducing the heart's stiffness: 心臓の硬化を減らす≒柔軟性を高める
  • cardiac physiologist: 心臓生理学者

大問2-第4段落

Elite rowers may have a higher AF risk than some other endurance athletes-perhaps because the sport attracts taller people. Height is a documented AF risk factor, though the reasons are still being explored. ~~~

エリート漕艇選手は、他の持久系アスリートよりも心房細動(AF)のリスクが高い可能性がある。その理由の一つは、この競技が背の高い人に有利であることが考えられる。身長は記録されたAFの危険因子の一つだが、その理由はまだ解明されていない。

もう一つの要因として、漕艇選手は日常的に週20~30時間もトレーニングすることが挙げられる。「どれくらいの運動量が過剰なのか?」とトロント大学の運動生理学者であるジャック・グッドマンは疑問を呈する。答えは明確ではなく、遺伝的要因を含む他の要因に依存する可能性が高い。

語彙

  • lite rowers: エリート漕艇選手
  • higher AF risk: より高い心房細動リスク
  • documented AF risk factor: 記録された心房細動危険因子
  • routinely train: 日常的にトレーニングする
  • exercise physiologist: 運動生理学者
  • genetics: 遺伝的要因

大問2-第5段落

What to advise endurance athletes with AF is also unclear. Many aren't comfortable with standard medicines.~~~

心房細動(AF)のある持久系アスリートにどのようなアドバイスをすべきかは、まだ不明確です。多くの選手は標準的な薬に抵抗があります。血液希釈剤は脳卒中リスクを軽減しますが、選手が自転車から落ちたり、ランニング中やスキー中に転倒した場合に出血を助長する可能性もあります。動悸を抑えるために処方されるベータ遮断薬は、パフォーマンスを低下させる可能性があります。

語彙

  • What to advise: どのようなアドバイスをすべきか
  • standard medicines: 標準的な薬
  • blood thinners: 血液希釈剤
  • reduce stroke risk: 脳卒中リスクを軽減する
  • heighten bleeding: 出血を助長する
  • fall off their bike: 自転車から落ちる
  • beta blockers: ベータ遮断薬。交感神経のβ受容体を遮断する薬剤で、主に心疾患や高血圧の治療に使用される。
  • prescribed to slow a racing heart: 動悸を抑えるために処方される

大問2-第6段落

One common prescription for athletes with AF is to pare back physical activity. Marius Myrstad, an internal medicine doctor, recently launched the first trial to see whether that's good advice-especially given that exercise has many benefits, too.~~~

心房細動(AF)を持つアスリートによく処方されるのは、身体活動を減らすことです。内科医のマリウス・ミルスタッドは最近、それが良いアドバイスかどうかを確かめるための初の臨床試験を開始しました。特に、運動には多くの利点があることを考えると、このアドバイスの是非を検証する必要があると考えられます。

研究者たちは、週に少なくとも5時間ランニング、または8時間サイクリングをするAF患者120人を無作為に2つのグループに分け、一方のグループには現在の運動療法を継続してもらい、もう一方のグループには運動強度を下げ、時間を約20%短縮してもらいます。参加者の皮膚の下に埋め込まれた心臓モニターとトレーニングウォッチは、両グループにおけるAF発症の数と持続時間を記録します。

語彙

  • One common prescription: よくある処方箋、一般的なアドバイス
  • pare back physical activity: 身体活動を減らす
  • internal medicine doctor: 内科医
  • launched the first trial: 初の臨床試験を開始した
  • see whether that's good advice: それが良いアドバイスかどうかを確かめる
  • regimen: 療法、運動療法
  • episode: 発症

大問2-第7段落

One common prescription for athletes with AF is to pare back physical activity. Marius Myrstad, an internal medicine doctor, recently launched the first trial to see whether that's good advice-especially given that exercise has many benefits, too.~~~

「これらのアスリートたちは、そうする必要がない限り、競技をやめたり、トレーニングをやめたりしたくないのです」、ミルスタッド医師は言います。

「目の前にいる患者に『このマラソンを走る必要がありますか?トレーニングを減らすことはできませんか?』と尋ねるのは最も自然なことですが、それが正しいかどうかは確信が持てません」と彼は言います。

アスリートたちは競技やトレーニングを続けることを望んでいますが、医師としては運動量を減らすように勧めるべきかどうか悩ましいという状況を表しています。

語彙

  • if they don't have to: そうする必要がない限り
  • It's the most natural thing to ask: 〜と尋ねるのは最も自然なこと

大問3:会話問題 / 男女の会話

大問3の会話問題は、例年、前年の続きの物語となっています。

過去問演習で内容理解に差がでるので、必ずチェックしておきましょう。

大問3-1:解答解説 39~42

本文中の(1)から(4)のそれぞれの意味に最も近い語句を下記から選び、解答用紙の(39)から(42)にマークしなさい。

(1) 3 cut to the chase

(2) 1 beat around the bush

(3) 3 give it to me straight

(4) 4 throwing caution to the wind

(1) cut to the chase

  1. 質問を避ける
  2. 話を長引かせる
  3. 要点を突く
  4. この件を保留する

(2) beat around the bush

  1. 本題を避ける
  2. 見当違いのことをする
  3. 怒る
  4. 木を見て森を見ず

(3) give it to me straight

  1. 遠回しに教えて
  2. 穏やかに言って
  3. 正直に教えて
  4. 水で薄める

(4) throwing caution to the wind

  1. 運命に身を任せる
  2. 優柔不断である
  3. 一息つく
  4. 思い切ってやってみる

大問3-1:全文和訳

状況:Mr. Hiyoshi (日吉さん) は Ms. Yagami (矢上さん) をアメリカで訪ねており、日本に帰国しようとしています。二人はヤガミさんの研究室にいるスタンフォードという男性について話し始めます。

日吉: 単刀直入に言うよ。スタンフォードのこと好きなのか、そうじゃないのか?

矢上: 遠回しな言い方はしないのね。

日吉: 嫌なんだ、こんなに直接的なのは。でも、どうにもならないんだ。知りたい。はっきり言ってくれ!

矢上: スタンフォードは私がアメリカに来てからずっと良い友達でいてくれているけど、それだけよ。友達以上には思っていないわ。誓ってもいい。

日吉: ごめん。こんなに不安に思っているみたいで。ただ、この遠距離恋愛に悩んでいるんだ。思い切ってアメリカに引っ越そうかなんて考えているんだけど、どう思う?

矢上: もしあなたがそうしたいと思っているなら、私は賛成よ。ただ、あなたが正しい理由でそうしているのか確認したいだけなの。後で後悔するようなことはしてほしくないわ。

大問3-2:解答解説 43~50

  • (A) mind (5)
  • (B) rushing (8)
  • (C) over (6)
  • (D) weigh (9)
  • (E) way (9)
  • (F) come (5)
  • (G) prize (6)
  • (H) support (8)
  • (A) peace of mind(心の安らぎ):peace of heartも意味が通りそうな気がするため、受験生にとって悩ましい問題。コロケーションの問題であるが、peace of heartとは言わず、peace of mindが一般的のためmindを正解とする。
  • (B) rush into things(物事に性急に飛びつく):矢上さんのアドバイスで、急がず慎重に考えることを学んだという内容。
  • (C) think things down :落ち着いて考える、じっくり考える
  • (D) weigh up the pros and cons(メリットとデメリットを比較検討する) :pros and consは慶應受験生なら知っておきたいフレーズ。長所と短所」や「賛否両論」の意味。
  • (E) get in the way of ~ (~の邪魔をする) :矢上さんの研究を妨げたくない気持ちが伝わります。
  • (F) how far you've come:どれだけ成長したか、どれだけ遠い道のりをやってきたのか
  • (G) keep your eye on the prize:目標を見失わない、目標を見据える
  • (H) I'm support you 100%(全力で応援しています):believeと迷うかもしれないが、「I'm believe you」が文法的に誤り、正しくは「I believe in you」などと言う。amがなければ正解の可能性は一応出てくる。

大問3-2:全文和訳

日吉さんは 矢上さんと話した後、メッセージを送りました。

Thanks for our talk the other night. You’ve really given me peace of mind. I realize that I need to be much more trusting. Thanks too for your advice about not rushing into things. It was very helpful. I’m going to take some time to think things over.

Moving to the States could be a great move for me, but I want to weigh up the pros and cons first. I also want to make sure I don’t get in the way of your studies. I know how important they are to you. I’m really proud of how far you’ve come. You’re going to graduate soon! I know you need to keep your eye on the prize.

What I’m trying to say is that I’m support you 100%. I’m so proud of everything you’re doing。

先日は話を聞いてくれてありがとう。おかげで本当に心が安らぎました。もっと人を信じる必要があると気づきました。色々と考えすぎないことについてのアドバイスもありがとう。とても助かりました。これからしばらく時間をかけて色々考えてみようと思います。

アメリカに引っ越すのは僕にとって大きな転換期になるかもしれないけど、まずはメリットとデメリットを比較検討したいんだ。君の研究の邪魔をしたくないとも思っています。君の研究がどれほど大切か分かっているからね。君がここまで頑張ってきたことを本当に誇りに思うよ。もうすぐ卒業だね!目標をしっかり見据えて頑張ってね。

僕が言いたいのは、僕は君のことを100%応援しているってことだよ。君がやっていること全てをとても誇りに思うよ。

読んでて泣きたくなるメッセージです。

大問4:空所補充 / 理系常識問題

2025年も、理系諸君に知ってほしいワードが散りばめられた空所補充でした。

その意味で、早稲田理工と少し似ています。いわゆる理系向け教材が少し役にたつ問題です。(慶應と同レベル対大学の過去問だけでも十分なのでわざわざやらなくていいです)

大問4:解答51~55

(1) Although it was once commonly believed that the universe was unchanging, today it is a scientific consensus that the universe is (2. expanding).

(2) When a scientific hypothesis has been tested experimentally many times and has not been (1. contradicted), it may become known as a law or a principle.

(3) Like the glass panes in a greenhouse, atmospheric gases such as water vapor and carbon dioxide (6. trap) long-wavelength terrestrial radiation, thereby giving rise to global warming.

(4) The speed at which (5. seismic) waves travel and the paths that they take provide physicists with a clear view into the Earth's interior, which consists of the crust, mantle, outer core, and inner core.

(5) Physical quantities have (2. dimensions) such as mass, length, and time.

設問(4)は、正解のseismic含め、その他の選択肢も受験生には難しい印象です。

残りに問題は、語彙レベル的には標準の印象です。

大問4:全文和訳

(1) 宇宙はかつて不変であると考えられていましたが、現在では宇宙が膨張していることが科学的なコンセンサスとなっています。

(2) 科学的な仮説は、実験的に何度も検証され、矛盾がなければ法則や原理として知られるようになります。

(3) 温室効果ガスは、温室のガラス板のように、地球から放出される長波長の放射を閉じ込めることで地球温暖化を引き起こします。

(4) 地震波の速度と経路は、地球の内部構造を明らかにする上で重要な役割を果たします。

(5) 物理量には、質量、長さ、時間などの次元があります。

(1) 宇宙の膨張

  • scientific consensus: 科学的合意。科学コミュニティにおいて、特定の理論や見解が広く受け入れられている状態を指します。
  • expanding: 膨張している。expand (拡大する) の現在分詞形。宇宙論において、宇宙が時間とともに広がっていく現象を指します。

(2) 科学的仮説

  • hypothesis: 仮説
  • experimentally: 実験的に
  • contradicted: 矛盾した

(3) 温室効果

  • atmospheric gases: 大気中の気体。地球の大気中に存在する様々な気体のこと。
  • terrestrial radiation: 地球放射。地球から放出される熱エネルギー。
  • thereby: それによって。接続副詞。前の文の内容が原因となって、後の文の内容が起こることを示します。
  • giving rise to: 引き起こす。rise to (~を引き起こす) という熟語。
  • global warming: 地球温暖化。地球全体の平均気温が上昇する現象。

(4) 地震波

  • seismic waves: 地震波。地震によって発生する波。地球内部を伝播し、その性質から内部構造を知る手がかりとなります。
  • physicists: 物理学者。物理学を専門とする研究者。
  • Earth's interior: 地球内部。地球の内部構造は、地殻 (crust)、マントル (mantle)、外核 (outer core)、内核 (inner core) から構成されています。

(5) 物理量

  • physical quantities: 物理量。質量、長さ、時間など、物理学で扱う測定可能な量。
  • dimensions: 次元。物理量の性質を表す基本的な単位の組み合わせ。例えば、長さの次元は L、時間の次元は T で表されます。

大問5:和文英訳 / 小泉信三「読書論」

小泉信三先生の「読書論」より出題。

小泉信三先生は、塾内にいれば自然と名前を覚えるくらい度々登場する方です。

設問:次の文を読み、下線部分を英語で表現しなさい。ただし、解答の際は必ず today と tomorrow という語の両方を使用し、1つのセンテンスで表すこと。解答は解答用紙(記述式)に記入しなさい。

先年私が慶應義塾長在任中、今日の同大学工学部が始めて藤原工業大学として創立せられ、私は一時その学長を兼任したことがある。時の学部長は工学博士谷村豊太郎氏であったが、識見ある同氏は、よく世間の実業家方面から申し出される、すぐ役に立つ人間を造ってもらいたいという注文に対し、すぐ役に立つ人間はすぐ役に立たなくなる人間だ、と応酬して、同大学において基本的理論をしっかり教え込む方針を確立した。すぐ役に立つ人間はすぐ役に立たなくなるとは至言である。同様の意味において、すぐ役に立つ本はすぐ役に立たなくなる本であるといえる。

(小泉信三,『読書論』,1964年(新版) より一部改変)

ポイント

指定された下線部分を英語に訳し、todaytomorrowの語を含めた1つの文にする必要があります。

a bookを主語にする場合

  • A book that is useful today may be useless tomorrow.
  • A book that is useful today will be useless tomorrow.

Booksを主語にする場合

  • Books that are useful today will be useless tomorrow.
  • Books that are immediately useful today will soon lose their value.

その他

  • Any book that is useful today may be useless tomorrow.

2025年の解答速報は以上です。

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GOKO編集室
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