慶應SFC総合政策2026年英語:解答速報と全文和訳 / 宇宙ゴミがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!
2026年2月17日に行われた、慶應義塾大学総合政策学部一般選抜の英語入試問題の解答を紹介します。
解答速報は順次更新していきますので、一部かけている解答や箇所がございます。
SFC総合政策2026英語大問1:宇宙ゴミが落ちてくる!
- 題名:宇宙ゴミの危険は明らかだ。空へ上がったものは、あなたの頭上に落ちてくるかもしれない / The risks of ‘space junk’ are clear: what goes up, might well come back down on top of you
- 著者:パトリック・シュレーダー / Patrick Schröder
- 単語数:850語程度
イギリスの有名なシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)の研究員の記事から出題。彼が専門とする「循環型経済」の視点を宇宙開発に応用した内容です。
通常、宇宙開発は「打ち上げたら終わり」の使い捨て(リニア型)になりがちですが、シュレーダー氏は宇宙ゴミ問題を解決するために、宇宙空間においても資源を再利用・リサイクルする「循環型」の考え方と、国際的な法的規制が必要であると提唱しています。
総合政策に絡めると、彼の研究が「環境」「国際協力」「先端技術」という複数の政策領域にまたがる学際的なテーマだと考えられます。
テーマ解説:スペースデブリ
スペースデブリはポラリスなど英語長文でも扱われているので、関先生やポラリスやってた勢はニヤリなテーマでした。

あまり知らない受験生のために、本文にも出てくる日本企業と木製衛星の動画を紹介します。
背景知識のため、敢えて長めの動画を選んでいます。真剣に見るというより、学校や予備校への移動中にラジオ代わりに繰り返し聴いてみてください。
世界初の木造衛星「LignoSat(リグノサット)」について、
大問1:解答解説
| 問題 | 解答 | 解説 |
| [31] | 1 | crashed into ~(~に墜落した)。文脈上、宇宙ゴミが茂みに落ちたことを示す。2.crushed(押し潰した)、3.clashed(衝突・対立した)は不適。 |
| [32] | 2 | accumulation(蓄積)。軌道上に小さなデブリが「溜まっていく」ことが問題視されている。1.deprecation(非難)、3.conception(概念) |
| [33] | 3 | critical threshold(臨界値、閾値)。ケスラーシンドロームの説明で、デブリの量が限界を超えると連鎖衝突が起きる。 |
| [34] | 1 | threaten(脅かす)。軌道が使用不能になれば、気象監視などの「能力を脅かす」ことになる。2.enhance(高める)、3.forecast(予測する)。 |
| [35] | 2 | tipping point(ティッピング・ポイント/転換点)。事態が急激に悪化する限界点を指す定型表現。 |
| [36] | 1 | falls short(不足している/及ばない)。1967年の条約(OST)が、現在の民間主導の宇宙開発の状況に対して「不十分である」ことを示す。 |
| [37] | 1 | while(一方で)。ESAのClearSpace-1を紹介する一方で、日本のアストロスケールの活動を並列して述べている。 |
| [38] | 2 | Moreover(さらに)。デブリ除去は持続不可能かもしれないという懸念に加え、それが根本解決ではないという「追加」の批判を述べている。 |
| [39] | 3 | To this end(この目的のために)。前文の「ゼロ・ウェイスト原則による設計」という目的を受けて、ESAの構想を紹介している。 |
| [40] | 2 | viability(実現可能性/生存能力)。循環型宇宙経済が経済的に「成り立つか」という文。 |
| [41] | 2 | ordinary and unimaginative(平凡な)。直前の「エイリアンか?」という期待に対し、現実は「ただの宇宙ゴミ」という退屈なものだったという文。 |
| [42] | 4 | 条約制定時(1967年)の国家主導の状況と、現在の民間主導(SpaceX等)の状況が乖離し、「限界を見せている」という記述から推論。 |
| [43] | 1 | 現状(除去企業の資金援助)→具体例(ESA, Astroscale)→限界(持続不可)→批判(対症療法に過ぎない)→提案(ゼロ・ウェイスト設計)。 |
| [44] | 1 | 循環経済技術がISS等で「使われている」とはあるが、それらが「既にデブリ除去に貢献した」という記述はない。2,3,4は本文に記載あり。 |
| [45] | 4 | 本文全体の主旨は「商業宇宙活動の増加により宇宙ゴミの危険が増している」。民間活動の増加に伴い、宇宙ゴミが衛星や地球上の人々にとってのリスクとなっているという、文章全体の主旨を最も包括的に説明している。 |
大問1:全文和訳
大意は以下の通りです。
【第1段落】
先月、ケニアの小さな村の人々が空を見上げると、赤く光る輪がゆっくりと降下してくるのが見えた。重さ0.5トンの金属片が大きな音を立てて近くの茂みに墜落し[31]、村人たちは動揺し困惑した。その謎の物体は何だったのか?エイリアンの宇宙船だったのだろうか?悲しいかな、事実はもっと退屈なものだった。それはスペースデブリの破片だったのである。これは一度限りの出来事ではない。昨年だけでも、中国の宇宙ミッションから出た大きな断片が南カリフォルニアに落下したほか、フロリダでは2階建ての住宅に宇宙ゴミが貫通したが、これはNASAによって国際宇宙ステーション(ISS)由来であることが確認された。
【第2段落】
もし可能ならば、大きな宇宙の瓦礫が地球に落下することよりもさらに懸念すべきなのは、低軌道における小さなデブリの蓄積[32]であり、それらは衛星のような大きな物体と衝突する可能性がある。「ケスラーシンドローム」(元NASA科学者ドナルド・J・ケスラーにちなんで命名)は、地球軌道上のデブリの量が臨界値[33]に達し、衝突がさらに多くのデブリを生み出し、それがさらなる衝突を引き起こすという連鎖反応(カスケード効果)を誘発するシナリオを説明している。欧州宇宙機関(ESA)によれば、1961年以来、軌道上での破砕事象は560件以上記録されており、そのリスクは強まっている。2024年6月には、運用を終えたロシアの衛星が約200個のデブリに分解し、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たちは避難準備を強いられた。もし地球の軌道が使用不能になれば、それは気象や気候、その他の環境変化を監視し、異常気象に関する極めて重要な早期災害警告を受け取る我々の能力を脅かす[34]ことになるだろう。
【第3段落】
2024年に国連大学が発表した「相互接続された災害リスク」レポートは、宇宙デブリと衝突を転換点[35]にあると特定した。予測によれば、2030年までに10万機以上の新しい宇宙機が打ち上げられ、衝突のリスクが増大すると驚くべき推定がなされている。同レポートはまた、現在、宇宙ゴミを管理するための拘束力のある国際的な規則が存在しないことも強調している。1967年に制定され、以来宇宙法の基盤となってきた「宇宙条約(OST)」は、その限界を露呈しつつある。宇宙活動が国家主導の探査から、スペースXやブルーオリジンのような企業によって展開されるメガコンステレーション(巨大衛星群)を含む広範な商業運用へと進化したことで、この条約は不十分[36]になっている。例えば、商業活動や宇宙採掘に関する具体的なガイドライン、そして極めて重要なことだが、デブリの軽減と除去に関する義務付けが欠けているのである。
【第4段落】
ありがたいことに、いくつかの解決策が存在する。宇宙開発国や欧州連合(EU)のような地域組織は、軌道から稼働中の物体を除去するために専門企業に資金を提供している。大きなデブリは潜在的な被害を最小限に抑えるための効果的な管理を必要としており、ESAの「クリアスペース1」ミッションがデブリ除去の実例を示す一方で[37]、日本の企業アストロスケールは、運用者の不要になった宇宙ハードウェアを軌道から除去するサービスを提供している。これらはすべて歓迎すべきアプローチだが、宇宙がより混雑するにつれて、長期的には持続可能ではないかもしれない。さらに[38]、能動的なデブリ除去ソリューションは「エンド・オブ・パイプ(出口対策)」的なアプローチであり、問題を根本から解決するのではなく、起きてしまった事象を管理することに重点を置いている。将来の解決策は、問題の核心、すなわち将来の宇宙技術をいかに「廃棄物ゼロ」の原則で設計するかという点にも取り組む必要がある。
【第5段落】
この目的のために[39]、欧州宇宙機関(ESA)は最近、2050年までに「循環型宇宙経済(サーキュラー・スペース・エコノミー)」を創出するというアイデアを打ち出した。循環型の解決策には、再利用、修理、リサイクル、エコデザイン、持続可能な供給、そして責任ある消費が含まれる。ISSにおける水や栄養素のクローズドループ(閉鎖回路)循環や、修理・アップグレードのための3Dプリンティングの応用など、多くの循環経済技術がすでに宇宙プログラムで使用されている。日本の研究者によって開発され、2024年11月に宇宙へ打ち上げられた世界初の木造衛星「LignoSat(リグノサット)」のような新しい衛星イノベーションは、将来の月や火星探査におけるバイオ素材活用の道を示している。バイオ素材は密度が低いため、衝突した場合の運動衝撃が少なく、大気圏再突入時にも燃え尽きやすい。
【第6段落】
循環型宇宙経済の経済的実現可能性[40]に関しても、強力な論拠がある。宇宙ゴミの再利用価値は、6,000億ドルから1.2兆ドルの規模になると推定されている。有害廃棄物や汚染を管理するために、地球上の環境ガバナンスや政策で効果的であることが証明された法的措置を適用することも可能だろう。「汚染者負担原則」は、宇宙運用者や技術製造者に法的・財務的責任を課すことになる(これは、急速に増加する民間事業者を規制する上で特に重要である)。強制執行の稀な例として、2023年10月に米連邦通信委員会(FCC)が、衛星1機を適切に退役させなかったとして、運用会社ディッシュ・ネットワークに15万ドルの罰金を科した。宇宙ゴミの統治に関する国連主導の合意を得るには、すべての主要な利害関係者の協力が必要だが、地政学的な緊張を超越し、宇宙と、そして空を見上げる地球上の私たちを守るためには不可欠である。
大問1:差がつく重要単語&熟語一覧
一般的な単語帳に掲載されている標準レベルの単語は、極力除く方針で作成しています。
第1段落
- thicket:茂み、低木のしげみ
- perplexed:当惑した、途方に暮れた
- prosaic:平凡な、退屈な、散文的な
- one-off:一度限りの、単発の
- originate from:〜に由来する、〜から生じる
第2段落
- detritus:瓦礫、破片、デブリ
- accumulation:蓄積
- threshold:閾値、境界、限界
- cascade effect:連鎖効果、雪だるま式の影響(cascadeは滝)
- fragmentation:断片化、空中分解
- defunct:現存しない、使われなくなった、機能停止した(de否定+function機能)
- take cover:避難する、身を隠す
第3段落
- tipping point:転換点(カタカナにもなってるので覚えちゃおう)
- staggeringly:驚くほどに、圧倒的に
- binding:拘束力のある(バインダーのバインド)
- bedrock:基盤、根底
- non-state actor:非国家主体
- mega constellation:巨大衛星群
- fall short:不足する、基準に達しない
- mandate:義務付け、命令、権限(パラノイアの台詞「Happiness is Mandatory」知ってればそれで覚える)
- mitigation:軽減、緩和(ゴロ:道でゲーッと吐いて和らげる)
第4段落
- space-faring:宇宙旅行の、宇宙開発能力を持つ
- fare:旅に出る、賃金
- redundant:余剰の、不要になった(リダンダンダンダンダンダンダント、余計だなー)
- end-of-pipe:出口段階での対策(工場や生産現場の排出口で、汚染物質や廃棄物を処理・除去する技術や対策から)
第5段落
- to this end:この目的のために
- circular space economy:循環型宇宙経済
- durability:耐久性
- closed-loop:閉鎖回路、循環型システム
- biomaterials:生体材料、バイオ素材
- kinetic impact:運動エネルギーによる衝撃
- re-entry:大気圏再突入
- burn up:燃え尽きる
第6段落
- viability:実現可能性、生存能力、生存可能性
- in the order of:〜の規模で、〜の程度で
- polluter pays principle:汚染者負担原則
- enforcement action:強制執行、法的措置
- properly retire:適切に退役させる
- geopolitical:地政学的な
- stakeholder:利害関係者
設問・選択肢
- catastrophic:壊滅的な、悲劇的な
- unimaginative:想像力に欠ける、平凡な
- institutional:制度上の、機関の
- status quo:現状、そのままの状態
- inflammability:可燃性
- cluttering:散らかす、ふさぐ
SFC総合政策2026英語大問2
作成中
投稿者

- GOKOでは慶應義塾大学に進学したい受験生のために、役立つ情報の発信をおこなっています。こんな記事が読みたいなど、希望がありましたらお問合せページよりご連絡ください。

