「ゼロから始める面接対策」著者の菊池秀策先生に聞く慶應推薦入試必勝法:合格する志望動機や活動実績とは?!
「慶應義塾大学の推薦入試に挑戦したい。でも、何から始めればいいのかわからない。」
そんな不安と焦りに押しつぶされそうになっていませんか?
かつての私もそうでした。何度も壁にぶつかり、迷い、時には絶望しながら、試行錯誤を繰り返してきました。推薦入試は、ただ「成績が良ければ受かる試験」ではありません。誰も教えてくれない本質的な戦略と、徹底した準備が必要なのです。
だからこそ、同じ道を歩もうとしているあなたに、私が持てるすべての知識を伝えたい。推薦入試対策のプロ・菊池秀策先生に伺った、慶應合格のための具体的な戦略をここにまとめました。
慶應の推薦入試は、一般的な推薦とはまったく異なります。ただ成績が良いだけではダメ。ただ志望理由書を書くだけでは足りない。
求められるのは、「なぜ慶應で学びたいのか」を明確に語れる力。そして、その熱意を証明できるだけの活動実績。
この本質を理解しなければ、どんなに頑張っても結果はついてきません。
「活動実績が乏しいけれど大丈夫?」
「志望理由はどう考えればいい?」
「合格する人と不合格になる人の決定的な違いは?」
そんな疑問に一つひとつ答えながら、あなたが合格を勝ち取るための道筋を明確に示します。
かつての私のように、悩み苦しむ受験生を一人でも減らしたい。その思いを込めて書きました。
推薦入試を考えているなら、必ず最後まで読んでください。この一歩が、あなたの未来を大きく変えるかもしれません。
今回取材に協力していただいた方はこちら!

菊池秀策(きくち しゅうさく)
長年にわたり、慶應義塾大学をはじめとする難関大学の推薦・AO入試対策に携わり、数多くの合格者を輩出してきた小論文・推薦指導のエキスパート。
これまでの指導実績は累計1,000名以上。独自の指導メソッドをもとに、生徒一人ひとりの個性や強みを引き出し、「合格するための志望理由書」と「評価される小論文」の書き方を徹底的に指導する。
「学校推薦型選抜・総合型選抜 だれでも上手に書ける 小論文合格ノート」(KADOKAWA)、「選ばれる小論文のエッセンス」(Gakken)、「看護・医療系の小論文 最強独学問題集」(かんき出版)など著書多数。
慶應義塾大学の推薦入試の特徴
――慶應大学の推薦入試にはどのような特徴がありますか?
慶應の推薦入試は、他の大学と比べて格段に高い努力が求められます。
多くの大学では、小論文の対策や志望理由書の作成をしっかり行えば合格の可能性があります。しかし、慶應の場合は、志望理由書と面接が密接にリンクしており、さらに小論文では学力的な素養が問われます。
また、学力試験がない方式であっても、面接の口頭試問でこれまでの蓄積が問われるため、付け焼き刃の対策では合格が難しいのが特徴です。
高校1~2年生からコツコツと実績を積んできた場合は別ですが、高校3年生から慶應の推薦を目指す場合は、相当な努力が必要です。

慶應推薦に必要な準備期間
――最低でもどれくらいの準備期間が必要ですか?
最低でも試験の半年以上は準備期間を確保すべきです。
まず、自分の高校生活の振り返り、いわば就職活動における自己分析のような作業が必要になります。
「自分はどのような性格で、どんな活動をしてきたのか」「その際に何を考え、次の行動にどうつながったのか」といったことを深く理解し、言語化・文章化して整理することが重要です。私はこの作業を「棚卸し」と呼んでいます。
普段意識していないことを急に話すのは難しいものです。そのため、時間をかけて自分の性格や経験を分析し、整理することが不可欠です。

また、法学部や文学部のような学力試験がある場合は、その対策も並行して行わなければなりません。
SFCのように学力試験がない場合でも、自分の考えを論理的に話す訓練が求められます。論理的な思考力を鍛えることで、説得力のある回答ができるようになります。
推薦入試では、教養や知識のストックが合否を分けることも多いため、幅広い分野に関心を持ち、学びを深めることが重要です。
推薦の準備は一般選抜にも繋がる
推薦入試一本に絞るのはリスクがあるため、一般選抜の勉強も並行して行うのが安全です。推薦と一般の両立を考えると、最低でも半年は準備期間を確保したほうがよいでしょう。
ただし、推薦のための筆記試験対策は、一般選抜の小論文対策にもつながります。そのため、推薦入試の準備が決して無駄になることはありません。
推薦で慶應に合格する受験生と不合格になる受験生の違い
――推薦で慶應に合格する受験生と不合格になる受験生の違いはなんですか?
最大の違いは、思考の深さにあります。
単なる表面的な理解ではなく、もう一段階深く掘り下げて考えられるかどうかが重要です。
たとえば、「物を盗むのは悪いことか?」という問いに対し、「物を盗むのは悪い」と即答するのが表面的な思考です。
しかし、より深く考える受験生は、「お金がなく、飢えて死にそうな人がどうしようもなく他人のものを盗んだ場合、それでも一律に罰するべきなのか?」といったように、背景まで考慮した上で答えを導き出します。
このように、自分の答えに対してさらに問いを発し、本当にそれが正しいのかを追求する姿勢を持っている受験生は、合格しやすい傾向にあります。

考える力はどうやって身につけるのか?
――そういう「自分で考える力」はどうやったら鍛えることができますか?
考える力は、日々の習慣や思考の癖によって鍛えられるものです。他者が強制的に伸ばすのは難しいですが、自分の努力次第で向上させることができます。
最も効果的なのは、本を読むことです。特に、自分の当たり前や常識を覆すような本を読むことで、新たな視点を得ることができます。
知識が蓄積されると、それぞれの情報が結びつき、「この考え方は別の場面で聞いたことがあるが、結論が異なるのはなぜだろう?」といった疑問を持つようになります。
特におすすめなのは、世界史や倫理の教科書に登場する哲学者の解説本です。
おすすめの哲学者・思想家
- アリストテレス
- プラトン
- セネカ
- キルケゴール
- ニーチェ
などなど。
本来は古典を直接読むのが理想ですが、それは難易度が高いため、最初は優しく噛み砕いた解説本から入るのがよいでしょう。「〇〇入門」といったタイトルがついている本がオススメです。
1冊読むだけでも、世界の見方が大きく変わるはずです。

目立った活動実績がない場合の対策方法
――推薦では高校時代に頑張ったこと活動実績を書く必要がありますが、大きな実績がなくても大丈夫ですか?
これは非常によくある質問ですが、結論から言うと、大きな実績がなくても問題ありません。
重要なのは、どのような過程を経て何を学んだのかを言語化することです。
真面目に高校生活を送っていれば、部活動や委員会、文化祭、体育祭など、何かしらの活動をしているはずです。部長や委員長でなくても、十分に評価されるポイントはあります。
学外のボランティア活動や習い事、ワークショップや大会への参加も、活動実績として活用できます。

活動実績の書き方ポイント
どのような活動であれ、次の3つの視点で整理すると、説得力のある内容になります。
- イベント前(準備) - どんな努力をしたか?
- イベント中(本番) - 何を考え、どう行動したか?
- イベント後(振り返り) - どのような学びや成長があったか?
このように、準備・本番・振り返りの3段階で整理すると、たとえ目立った実績がなくても、伝えられる内容は多くあります。
また、推薦入試では活動実績そのものよりも、どのように考え、どのような行動を取ったのかが評価されます。思考プロセスをしっかり言語化できれば、十分に合格可能性はあります。
本当に何も活動実績がない場合
――高校生活で本当に何もしてこなかった場合、推薦は諦めた方がいいですか?
正直に言えば、その場合は一般選抜を頑張った方がいいかもしれません。
ただ、よくよく話を聞いてみると、意外と情熱注いだことはあったりするので、一緒に探してみると意外と情熱を注いだことが見つかることも多いです。
例えば、ゲーム、趣味、勉強、SNS活動なども、適切にアピールすれば評価対象になりえます。
勉強に関しても、単なる受験勉強だけでは評価されにくいですが、自分なりに研究したことや興味を持って深掘りしたことがあれば、それは立派な活動実績になります。
- ある分野の問題に疑問を持ち、自分なりに研究した
- 学校での授業を超えて、専門的な知識を学んだ
などの経験があれば、それをエピソードとして語ることができます。
学校の行事も立派な活動実績
他にも、修学旅行や文化祭、体育祭などの学校行事で「目立った活躍をしたわけではないけど、頑張ったこと」があるかもしれません。
- どこに目をつけていたのか?
- 何を問題だと感じ、どう行動したのか?
- その結果、何を学び、どんな成長を得たのか?
このような切り口で振り返ることで、説得力のある内容を作ることができます。
慶應に合格する志望理由の作り方:なぜ慶應なのか?
ーー慶應に限らず、どの大学でも志望理由が求められますが、「なぜ慶應なのか?」という問いにはどう答えればいいですか?
よくある質問ですが、「原体験」をベースにするのがオススメです。
「なぜ慶應なのか?」に対して、「自己実現のために慶應に行くのが不可欠である」と言えればいいので、否定しようのない材料を提示できればいいのです。
個人的な体験や経験をベースにした想いは、否定のしようがありません。
将来法曹界を目指すとして、その「きっかけ」になったのが慶應出身の法学者だったとか、自分の興味関心のある分野で最前線を走っているのが慶應の教授だった、などの体験が挙げられます。
オープンキャンパスや学園祭はもちろんですが、SFCの「未来構想キャンプ」や先端生命科学研究所の「慶應アストロバイオロジーキャンプ」など、学外の高校生も参加できるイベントはたくさんあります。こういった機会は積極的に利用してください。

遠方でオフラインのイベントに参加できない場合は、慶應が提供しているオンライン講座受講を受講することもできます。
場所や時間の言い訳をせず、できるところから慶應との接点を作り、慶應を知ることから始めてみましょう!
FutureLearn Online Course(https://www.fl-keio.info/intro/)より
正直志望動機なんてない、慶應だから行きたい
ーー正直大した志望動機はなく「ぶっちゃけ慶應だから行きたい」受験生はどうしたらいいですか?
正直なのはいいことですが、あまり印象は良くないですよね。
「慶應だから行きたい」という理由だけでは、物事の外側しか見ていない印象を与え、思考力が不足していると評価される可能性があります。
例えば、「美男美女だから付き合いたい」「お金持ちだから付き合いたい」と言われるのと同じで、相手の本質を理解しようとしていない印象を持たれます。
大前提、嘘はつかない方がいいですが、言わないほうが良い本音があることも事実です。

最初はミーハーな気持ちでもOKですが、その後、本気の意味で好きになった瞬間を言葉にすることが重要です。出てこないならまだまだ本気度が足りないのかもしれません。
よくよく知れば、慶應ブランド以外にも、良いところはたくさんあるはずです。
その中で魅力に思った部分を言語化してみてください。
受験生が慶應推薦のために取り組むべきこと
――慶應推薦入試を目指す高校3年生は何から始めたらいいですか?
高3の春を想定しますが、すぐに入試に向けた準備を始める必要があります。
まずは、最新の入試要綱を確認して、受験する学部を決めてください。評定平均が条件になっている学部もあるので、出願要項を満たしているか確認して、必要な書類を確認しましょう。
その上で、一般選抜の対策をしつつ、自分の高校生活を棚卸しするところから始めてください。
高校1~2年生が慶應推薦のため取り組むべきこと
――慶應推薦入試を目指す高校1~2生は何から始めたらいいですか?
関東在住なら、先ほど紹介した慶應の高校生向けプログラムに参加してみてください。
北海道や九州など遠方に住んでいる場合は、地元の大学が実施している高校生向けのプログラムに参加するのがおすすめです。
そうしたアカデミックなイベントにどんどん参加して見識を広め、自分の興味関心がどこにあるか自覚するところから始めてみましょう。
興味関心がある程度固まっているのであれば、慶應が推奨しているコンテストに挑戦してみてください。
例えばですが、以下はSFCの一次試験が免除になるコンテストと基準の一覧です。
対象コンテスト (*慶應関連) | 所定の成績 |
---|---|
小泉信三賞全国高校生小論文コンテスト* | 小泉信三賞受賞者 (次席・佳作は除く) |
三田文学新人賞* | 最終候補者 |
日本数学オリンピック | 予選Aランク者 |
高校生・高専生科学技術チャレンジ (JSEC) | 最終審査進出者 |
化学グランプリ | 1次選考通過者 |
日本生物学オリンピック | 予選 (旧: 1次選考) 通過者 |
全国物理コンテスト 物理チャレンジ | 第2チャレンジでの金・銀・銅、他各賞 (奨励賞は除く) 受賞者 |
日本情報オリンピック (JOI) | 本選Aランク者 |
日本地学オリンピック | 金賞受賞者 |
科学地理オリンピック日本選手権 | 金メダル受賞者 |
日本学生科学賞 物理、化学、生物、地学、広領域 | 地方審査通過者 |
日本学生科学賞 情報・技術、応用数学 | 中央予備審査通過者 |
情報処理推進機構 未踏IT人材発掘・育成事業 | 最終採択者 |
一般社団法人未踏 未踏ジュニア | 未踏ジュニアスーパークリエータ認定者 |
ファブ3Dコンテスト | 入賞者 |
全国高校生マイプロジェクトアワード | 文部科学大臣賞、 1 マイプロジェクトアワード特別賞、ベスト・オーナーシップ賞、ベスト・コ・クリエーション賞、ベスト・ラーニング賞 |
高校生ビジネスプラン・グランプリ | グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞、優秀賞受賞者 |
全国高校生ドイツ語スピーチコンテスト (第3部) | 最優秀賞受賞者 |
実用フランス語技能検定試験 | 「1級」合格者のうちの「成績優秀者」、「準1級」合格者のうちの「成績優秀者」 |
福澤諭吉記念全国高等学校弁論大会* | 最優秀賞受賞者 |
高校生バイオサミット in 鶴岡* | 入賞者 (審査員特別賞は除く) |
仮に好成績でなかったとしてもOKです!
目指す過程で学んだことは立派な活動実績として、推薦入試のネタとして書くこともできます。
高校生活を全力でエンジョイしよう
ここまでの内容をシンプルにまとめると、「学校内外のイベントに全力で積極的に関わる」ことが重要です。
- 勉強に真面目に取り組む
- 周りを巻き込みながら積極的に活動する
- 興味のあることに熱中する
このような姿勢を持つ高校生は、推薦入試においても大きく評価されます。
勉強だけでなく他のことにも関心を持って頑張ってきた高校生は、大人から見れば非常に魅力的に見えます。大学に入っても、周りに良い影響を与えてくれそうだと評価されます。
体育祭、文化祭、委員会、部活動、修学旅行、こうしたイベントに真剣に取り組むことで、自然と自己PRにつながる実績が生まれます。
大切なのは、「実績のために活動する」のではなく、「本気で打ち込んだ結果、実績がついてくる」スタンスです。この順番は間違えないように注意してください。

推薦で慶應を目指す高校生へ
推薦入試の魅力は、面接を通して学業以外の面も評価してもらえる点にあります。
その利点を活かせるように、情熱あることに全力になって高校生活をエンジョイしてください。考えながら様々な体験を積んでいけば、自然と人間的魅力も備わってきます。
その上で、そうした経験を面接官に刺さるように伝えられるように、日々の思考力を磨いてください。それが結果的に慶應合格につながります!
受験は大変ですが、自分自身を成長させる最高の機会でもあります。目の前のことに全力で取り組み、納得のいく受験生活を送りましょう!
\編集後記/
この記事を読んで、「自分も慶應を目指してみよう」と少しでも感じたあなたへ。
推薦入試は 情報戦であり、戦略戦 です。独学では限界があり、正しい方向で努力しなければ、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。
GOKOでは、推薦入試対策のプロ による 体験授業 を用意しております!もちろん今回のお話を聞いた菊池秀策先生への問い合わせも可能です。
体験授業で得られること
- あなたの現状を分析し、合格に向けた具体的な戦略を個別アドバイス
- 慶應推薦入試の最新情報と、合格者が実践した成功法則を伝授
- 作成した志望理由書や小論文を添削分析
- あなたの強みを見つけ、それを最大限に活かす方法を指導
体験授業に参加することで、推薦入試に対する不安を解消し、合格への具体的な道筋 を描くことができます。
体験授業の詳細
- 対象:慶應推薦合格を目指す高校生・保護者
- 形式:オンライン
- 費用:無料
お申し込み方法
以下の必要事項を記入の上、お申し込みください。
*菊池先生へのお問合せの場合は、お問合せ内容の「菊池秀策先生お問合せ」を選択するか、相談内容の欄にその旨をご記入ください。
*未成年の方は、必ず保護者の許可をとった上でご連絡ください。
最後に
推薦入試は、あなたの未来を大きく切り拓くチャンスです。しかし、そのチャンスをつかむには、正しい情報・戦略・そして「絶対に合格したい」という強い意志 が必要です。
菊池先生とGOKOは、あなたの夢を本気で応援します。 ぜひ、体験授業に参加して、一緒に合格をつかみ取りましょう!
投稿者

- GOKOでは慶應義塾大学に進学したい受験生のために、役立つ情報の発信をおこなっています。こんな記事が読みたいなど、希望がありましたらお問合せページよりご連絡ください。