英語偏差値35の地方劣等生が慶應と早稲田にダブル合格した勉強法
まこと(仮名)
地方私立高校出身
慶應義塾大学 文学部(1浪)
【併願先】
慶應:法×・経済×・商○
早稲田:商○・社○
上智:経済○
明治:経営○
法政:法○
こんにちは、まことと申します。
浪人を経て慶應義塾大学と早稲田大学にW合格し、慶應大学に進学しました。
ここではその勉強法や心構えを余すことなくご紹介します。
先に言っておきますが、めちゃめちゃボリュームあります。
受験生に向けて魂込めて全力で書いた結果、15,000字を超える大分量になりました。
代わりに、そのへんの合格体験記とは、情報量的にもリアリティ的にも段違いなことをお約束します。
一気に読む必要はありません。
このページをブックマークに入れて、勉強の息抜き、電車やバスの待ち時間、ちょっとした隙間時間に読み返してください。
私の勉強方法や受験に対する考え方が、慶應を目指すあなたのお役に立てれば幸いです。
英語苦手と地方出身の2つの逆境
最初に自己紹介させてください。
タイトルにあるように、地方、英語劣等生、それが私をさすキーワードです。
慶應の進学者の7割は関東圏在住者です(意外に早稲田も同じ割合)。
生まれ育った近くの大学に進学するのはわかりますが、それでも地方から都会の難関大学に進学するには、学習環境や情報面でかなり不利になります。
また慶應と言えば英語が激ムズの大学ですが、私の英語力は本当にひどいものでした。
常に赤点ギリギリで、中学1年生に始まり高校3年生になるまでずっと英語劣等生でした。
定期テスト前に付け焼き刃の勉強しかしていなかったので、英語のなんたるかを全く理解していません。
問題に書いてあることが全くわからないので、模試の結果も惨憺(さんたん)たる有様。偏差値は35と、絶望的な状況でした。
そんな私が、浪人も含め1年半の勉強で早慶ダブル合格した勉強法を紹介していきます。
ちなみに受験勉強を開始した高3時点での成績はこんな感じでした。
- 英語:全くできない、模試は全て勘(偏差値35~40)
- 日本史:定期テスト直前だけ覚えて忘れる、平均いかないぐらい(偏差値45~50)
- 国語:平均よりもちょっとできる(偏差値50~55)
最初の受験は、亜細亜大学・武蔵大学・専修大学など偏差値50前後の大学を受験しましたが、軒並み落ちました。
心のどこかで「どうにかなるだろう」と思っていたので、人生にはままならないこともあると学んだ瞬間でした。
そもそも、なぜ高校3年生の夏まで真面目に勉強しなかったのか?
まずはその理由をお話しします。
私が勉強しなかった訳
なんのために勉強するのか?
中学〜高校とずっと疑問に思っていました。
今思えば、自分が勉強しない理由を後付けで探していただけですが、明確な答えが得られなかったのも事実です。
ペーパーテストの点数が良い=頭がいい、みたいな風潮も嫌いでした。
中二病的ですが、テストで自分の何がわかるんだ!と反発していいました。
一方で、これからは学歴の時代じゃない!個性の時代だ!みたいなテンプレ発言は、都合が良かったので信じていました。
勉強しなくていい理由を必死に探し、自分に都合の良い甘い言葉だけ受け入れる。
そんな自分が、前向きに勉強に向かえる様になったのは、自分なりの答えが出てからでした。
学歴とは努力の証明である
これが、私の勉強や受験に対する考え方です。
一般的に、慶應や早稲田に進学した人はさぞ凄いのだろうと思われています。
ところが、入学するとそうでないことがわかります。
もちろんペーパーテストをすれば皆それなりですが、人間的に特別かといえばそんあことはありません。
多少の例外はありますが、ポテンシャルを含め90%ぐらいは普通の人です。
違いといえば、みな等しく努力してきたことです。
慶應や早稲田といっても、特別な人しか入れない大学ではありません。覚えるべきことを覚え、 やるべきことをしっかり続けられれば合格します。
天才である必要はなく、愚直に知識を詰め込んで、演習を重ねれば良いのです。
その意味で、学歴は知性を示すものではなく努力を示すものです。
先の質問に戻りましょう。
- なんのために難関大学へ行くのか?
- なんのために勉強するのか?
それは「私は努力できる人間である」と社会に証明するためです。
人間は社会的生き物で、1人で生きてはいけません。煩わしくも、他者や世間と向かい合う必要があります。
そうでなければ野垂れ死ぬか、一人孤独に生きるしかありません。
学歴はコスパがいい
「私は頑張れる人間です!努力できます!」と声高に叫んでも、客観的に証明することは不可能です。
一方、受験は、その結果で一発でサクッと証明することができます。
ハッキリ言ってめちゃめちゃコスパがいいです。
大学が学問の場であることを考えれば、もちろん勉強の本質的意味は他にあります。
しかし、あえて功利的に外に意義を見いだせば、これほど効果的な証明はありません。
たいした能力やスキルがなくても、学歴のおかげて仕事を任せてくれたり、信用してくれたりします。
たった3教科「大学が要求する知識を持っています」と入試で提示する。
受験はその程度のものですが、その見返りは持って有り余るほどです。
もちろんこれは私にとって腑に落ちた理由で、異論は認めます。
- 金持ちになりたい
- 将来の夢のために
- 面白い友達がほしい
- 学歴コンプレックスをなくしたい
- 日本トップクラスを経験したい
理由はなんでもいいです。あなたも自分なりの答えを見つけてください。
しんどくなった時の馬力になります。
前置きが長くなりました。
それは具体的な勉強法に進んでいきましょう!
英語の勉強法
早慶に受かりたければ、英語に最大の努力を注いでください。
大学は英語の能力のある 人間を求めています。それは配点に鮮明に現れています。
慶應は英語の配点が特に高く、英語ができればそれだけで有利になれます。
とにかく英語が苦手だった中高時代
先に1年半の勉強期間と言いましたが、英語に関してはほぼ1年です。最初の半年は訳もわからずだされた課題に取り組んだだけです。
いま思えば、かなりコスパの悪い勉強をしていました。身の丈に合わない問題を解いて、何も身に付かずに時間だけが過ぎていきました。
残念ながら英語力は伸びませんでしたが、勉強する習慣はできました。
少しではありますが、学力の伸びを感じ「あとは時間の問題、1年勉強すれば届く!」という根拠のない自信がありました。
浪人が決まってからの1年間は、ざっくりこんなスケジュールです。
- 2~3月:中学〜高校基礎レベルの単語と文法を覚える
- 4~7月:入試レベルの単語・熟語・文法・構文・解釈など基礎を固める
- 8月:ここまでの総復習
- 9月~入試:参考書の復習をしつつ、定期的に過去問を解く&復習
人生がもう一度あるなら、4~7月にやったことを高校2年生までに終わらせるはずです。
これを読んでいる1~2年生には、先手必勝をオススメします。
使用したオススメ参考書
次に実際に使っていたオススメ参考書を紹介します。
英単語:ターゲット・鉄壁
夏までにターゲットを完璧にして、その後はターゲットの復習も兼ねて鉄壁に手を出しました。
鉄壁までに手を出す必要はないと思いますが、入試で知らない単語が出てくるのがとにかく怖かったです。
単語は覚えるだけなので、それで恐怖がなくなるなら安いものです。
単語帳と心中するつもりで何度も何度も覚え直しました。
どちらも見出し後が2000前後なので、一通り覚えた後は午前100個・午後100個で1日200個復習しました。
これなら10日前後で総復習ができます。
直前期は1日300個に増やし7日で1周できるようにしました。
熟語
たまに熟語をやらない受験生を見かけますが、慶應志望でやらないのは自殺行為です。
熟語は穴埋めでも問われ、知っているかどうかで差がつきます。必ず1冊仕上げておいてください。
私が使っていたのは解体英熟語(Z会)です。
まず裏の熟語を覚え、それから表の空欄に赤ペンで解答を書き、赤シートで隠しながら覚えました。
知識の定着のために。できるだけ表面の問題に対応できるようにしましょう。
goやgetとなど、セットなる前置詞で意味が変わる熟語がまとめられてるので網羅生はいいのですが、お世辞にも使いやすい熟語帳とはいえません。
今なら、同じZ会の速読英熟語を薦めると思います。
英文法
英文法は特に苦手意識があったので、多くの参考書に手をだしました。
オススメは、大岩のいちばんはじめの英文法(東進ブックス)、アップグレード(数研出版)、関正生の英文法ファイナル演習ポラリス(KADOKAWA)の3冊です。
受験勉強を本格的にするのが初めてで、文法の知識がほとんどない人は「大岩のいちばんはじめの英文法」がオススメです。
中学レベルがわかっていない私でも理解できるほど、分かりやすく文法を教えてくれます。
使ったのは浪人が決まった2~3月です。それまでに何冊も手を出しては理解できなかった経験を考えると、勉強を始めた最初期に取り組むべき一冊でした。
文法は原則を押さえたら、演習に移行します。実際の問題に触れることで文法のどこが問われるか分かってきます。
単元別、網羅型の学習として「アップグレード」に取り組みました。
文法対策として1番使った参考書です。
主に使ったのは4~9月の半年間ですが、直前期までに20~30周しています。
1200問ぐらい収録されていますが、1日200問復習して1週間のペースで復習しました。
単語と同じで「知っていたのに忘れていたからできなかった!」がとにかく嫌で繰り返しました。
アップグレードが身に付いてきた(飽きてきた)夏の終わりから、ファイナル演習ポラリス3に取り組みました。
これは単元別ではなく、穴埋めや整序など出題形式別の問題集です。解いている問題の単元がわからないので、入試実践のランダム文法問題集として仕上げていきました。
構文
どんなに語彙と文法を押さえても、構文を知らないとうまく訳せない英文があります。
その壁を越えるために構文の勉強をしました。
そこまで有名な参考書ではないですが、リンケージ英語構文100(旺文社)を使いました。
リンケージ英語構文100には音源も付いているので、寝ながら聞いたりして活用しました。
やはり語学は耳から覚えるのがいちばんです。
5文型や品詞を意識しながら英文を読む習慣がつき、英文の形がハッキリ見えてくるようになりました。
英文解釈・精読
構文と被っていますが、英語を正しく読む練習として基礎英文問題精講(旺文社)をやりました。
リンケージ英語構文100が短文だったのに対し、基礎英文問題精講は中文ぐらいの長さです。
全部で90英文入っていますが、実際にやったのは構文編の1~50だけです。
説教くさい英文も多いですが、実によくできた英文ばかりで、周回するたびに読解力が上がるのを実感できました。
個人的に1番好きな参考書です。
パラグラフリーディング・リーズニング
「慶應や早稲田の英文は長いからパラグラフリーディングやリーズニングをやった方がいい」とよく言われます。
そこで知識がついてきた9月からディスコースマーカー英文読解(Z会)に取り組みました。
早慶や難関国公立の過去問が収録されており、難易度は高かったですが、英文を構造的に読み、解答をロジカルに選択する習慣がつきました。
ここまでの参考書に取り組んだ結果、英語も一応勝負できるな...ぐらいの実感が出てきました。
早慶レベルとは行かないまでも、入試に必要な知識を一通り入れた夏以降、偏差値60越えるぐらいで安定するようになってきました。
長文問題集は使わない手もある
これまで紹介してきて気がついたかもわかりませんが、私のルートにはいわゆる英語長文がありません。
というのも、英語力のほとんどない状態からの受験勉強で、知識を入れるだけで精一杯、長文問題集まで手を出す余裕がありませんでした。
代わりに基礎英文問題精講(旺文社)とディスコースマーカー英文読解(Z会)を使って、以降は過去問を使いました。
知らない恐怖から知識偏重になってしまいましたが、音読やシャドーイングにもっと取り組んだ方がよかったと思います。
後述しますが、早慶の上位学部に受かるために必要な、英文処理能力が足りませんでした。
何が言いたいかというと「長文問題集はなくても早慶は合格できるよ!でも英語の処理能力を上げるためにまとまった英文の音読やシャドーイングはしようね!」ってことです。
日本史の勉強法
最終的に日本史はかなり得意になりました。覚えれば覚えるだけ成績が上がる感じが性に合ってました。
模試でも上位1%に入るレベルで、早慶の入試本番ではいずれも自己採点で9割超えました。
早慶の日本史は8割とったらスゴっ!!と言われる難易度なので、直前期の知識量は相当だったと思います。
そんな感じなので、私の日本史勉強法はやや偏っています。
まずは汎用性の高い勉強法を紹介して、その後偏った日本史勉強法を紹介します。
先に警告として慶應入試で大事なのは日本史より英語です。
法学部や経済学部でも日本史9割とってますが、英語で失敗して落ちてます。
歴史はやればやるだけ成績に反映される科目ですが、やりすぎは厳禁です。
日本史に必要な4つの参考書
日本史に最低限必要な参考書は通史・問題集・一問一答・史料対策の4つです。
後は、資料集と語呂本、過去問があればOKです。
- 通史:金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本
- 問題集:時代と流れで覚える!日本史B用語集
- 一問一答:日本史一問一答(東進ブックス)
- 史料対策:眠れぬ夜の土屋の日本史―史料と解説
- その他:詳説日本史図録・日本史でるとこ攻略法
私はそれぞれ以上の6冊を使いました。
通史と問題集
山川教科書、実況中継、なぜと流れ、の3冊が通史のベタな選択肢です。
教科書は面白くないので論外として、実況中継が4冊にたいして、なぜと流れは全3冊なので、そっちのがコスパがいいと思い選択しました。
正直なんでもでもいいので、日本史の流れと用語をなんとなく覚えます。その後、時代と流れで覚える!日本史B用語集(文英堂)で通史と同じ範囲の問題を解きながら知識の定着を図ります。
一問一答
先の2冊では単語量が足りないので、一問一答で保管していきます。
英語同様、入試で知らない単語に会いたくなかったので、定評のある日本史一問一答(東進ブックス)を気合を入れて覚えました。
金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本と時代と流れで覚える!日本史B用語集をやった後に復習も同時代に取り組みます。
A~Bランク用語の流れや背景を知ってる状態で取り組むことになるので、思ったほど時間はかかりませんでした。
浪人の夏にはほぼ完璧になっており、その後は英単語帳のように適宜復習しました。
9~12月は2週間で1周ペース、直前期は1週間で1周ペースでした。
こうすることで過去問や模試で出会う単語は、ほぼ全て2週間以内に見た単語にになるので、安心して解答することができます。
一問一答をやる意義
一問一答をやる意義は、入試で聞かれるポイントをつかむことです。
例えば、「東洋道徳、西洋美術」といったら佐久間象山。「制の詞、古今伝授を批判した」といったら戸田茂睡、といった感じで「〇〇といったら誰それ」をクイズ感覚で覚えていきます。
流れのあまりない文化史に特に有効です。
単純な知識問題の解答時間を短縮することができ、思考問題や記述問題に時間を割くことができます。
一問一答を馬鹿にする受験生もいますが、一問一答を覚える過程にこそ価値があると思います。
全ての用語を単純に丸暗記することは厳しいです、どうしても覚えられない人物、事件名は私にもありました。
覚えられない用語を記憶するため、流れを復習したり、人柄、事件の背景を調べたりします。そうした過程を通して、日本史の知識が体系的になっていきます。
一問一答を批判できるのは、全て覚えた人だけだと思います。さもなければ負け犬の遠吠えです。
史料対策
慶應や早稲田ではほぼ毎年「史料問題」が出ます。
出るとわかっていながら対策しないのは受験生失格です。見落としている人が多いからこそ差が出るので必ず対策しましょう。
史料問題で気をつけることは以下の4つです。
- 史料がどの出来事について述べているのか判別できる
- 史料の出典が何か答えられる
- 出てくる特殊な語句の意味を知っている
- 定番の穴埋め問題が解ける
私が使っていたのは「眠れぬ夜の土屋の日本史―史料と解説」でした。他の参考書と比べると高めですが、フルカラーで使いやすかったです。
どこまでやればいいかが難しい史料問題対策ですが、参考書の問題が解けたらOKぐらいで割り切りましょう。
史料問題に見えて、普通の日本史知識で解ける「見せかけ史料問題」もあります。
まずは参考書に入っている定番史料だけ押さえておきましょう。
その他:資料集とゴロ本
歴史学習に欠かせないのが資料集です。
山川、浜島、帝国書院が定番ですが、学校で配られたものでいいです。
資料集は人物と文化史覚えで役に立ちます。
歴史は覚えることが大量にありますが、まとめて覚えられるゴロ本が役に立ちました。
年号を覚えるゴロ本はいらないと思いますが、徳川15代将軍や歴代内閣総理大臣など、めんどいけどまとめて覚えなきゃいけない用語を覚えるのに役に立ちます。
めちゃめちゃ薄いのに、すごい情報量です。
ここまでしっかりやれば、慶應の入試でも一応勝負できるレベルになります。
ここからは、さらに日本史で勝負していきたい受験生向けの勉強法を紹介します。
万人には勧められない方法となりますので、取り入れられそうな分だけ取り入れてください。
石黒拡親のでるとこ日本史
日本史でるとこ攻略法がよかったので、著者について調べたところ、河合塾や早稲田予備校で講師をしている石黒拡親先生であることがわかりました。
ご自身のサイトがあり、そこで勉強法を紹介していたので、参考にすることにしました。
どうやた石黒先生の受講生は、「40面ノート」なるものを使って早慶で9割得点できているらしい。
そして、その勉強法が「ノート復元」らしいことを知りました。
ノート復元勉強法
ノート復元とは先生が黒板に書 いたことをそのままノートに写し、その後、白い紙に何も見ないで復元する勉強法でした。
日本史の勉強がたった40ページのノート暗記で終わる、非常に魅力的な勉強法でした。
しかし地方なこともあり、私には石黒先生の授業を受講する手段がありません。そこで、公式ホームページや、受講生の合格体験記でどうにか情報を集め、自己流で復元勉強を編み出すことにしました。
そこで使ったのが時代と流れで覚える!日本史B用語です。
この問題集は左がまとめページ、右が問題の構成で、全ぶで80章になっています。
つまり、この参考書の左ページだけをまとめると見開きノート40ページ分と同じになります。
元の情報量では足りないので、一問一答でできた用語を足していきました。
あとは単純で、何も見ないでまとめページを白紙に復元していきます。
これを1日10章ずつやります(見開きでいう5ページ分)、そうすると8日で復元勉強1周することができます。
一問一答で用語の暗記は終わっているので、ここでは流れや順番を意識します。
細かい年号は気にせず、超重要事件の年号と、過去問で問われた年号だけ覚えました。
でるとこ日本史の通信教材
石黒先生は通販もやっていて、まんまと釣られて教材を買っていまいました。
通史や史料問題は既存の参考書だけで十分だと思ったので、聞くだけ日本史シリーズだけ使いました。
>>聞くだけ日本史
美術史、文学史、内閣を耳を使って復習できる教材で、講義ではなく一問一答な問題音源が収録されています。
役には立ちましたが、お値段以上かと言われれば、難しい部分もあります。石黒先生のファンにだけオススメします。
耳で学ぶ日本史勉強法
今回1番人を選びそうな勉強法です。
良い時代で、オーディオブックと呼ばれる「本を音声化したもの」が大量に利用できる時代になりました。
学校の行き帰りや就寝前など、他のことはできないけど「聴く」ことはできる時間があります。この勉強法は、こういった隙間時間を全て勉強時間に変える勉強法です。
英語のリスニングには集中力がいりますが、日本史教材なら集中せずに聞き流すことができます。
そう考えた私は、音声化されてる日本史の教材に手を出しまくりました。
最終的には20冊ぐらい手を出しましたが、その中でオススメの3冊を紹介します。
日本史オーディオブックは一般向けの書籍も大量にありますが、やはり受験生に向けがオススメです。
また、教科的な教材はNGです。感情が入っていないので全く面白くありません。
日本史は教科の特性上、善悪や好き嫌いを言いづらい教材です。しかし、そんな本は面白くありません。
偏っていてもいいので、ドラマや小説のように、感情や善悪を言ってくれる本が記憶に残ります。
超速!最新日本史の流れ
日本史耳勉でオススメは超速!最新日本史の流れシリーズです。
古代〜中世、近現代、外交史、文化史の全4冊で構成されます。
著者の竹内睦泰先生は、日本史講師としては珍しく政治的立場がハッキリしており、それゆえ話の切れ味鋭いです。
事実の羅列ではなく、人物の人となりや小話まで入れてくれてるのもポイントが高いです。
音声版はaudiobook.jpでしか販売していませんが、わざわざ購入する価値のあるシリーズです。
これを隙間時間でひらすら流し聞きしてください。話の流れが予想できて、自分でも講義が出来そうなレベルになったら卒業です。4冊分マスターしたら日本史の先生になれるレベルだと思います。
これだけでも相当の分量だと思いますが、別視点の音声教材が欲しいければ以下がオススメです。
有名予備校講師の音声教材
日本史の有名講師(金谷先生、石川先生、伊賀先生)のルートに乗っかっていたら、同じ先生の著作を使うのもてです。
超速シリーズほど偏ってはないでオススメではないですが、どれも耳勉としては十分本です。
好きな講師がいたらぜひご検討ください。
世界一おもしろい 日本史の授業
スタサプで歴史や公民を担当している、日本一受講生の多い伊賀先生の本。amazonのaudibleで配信されてます。
2倍速で読めて、忘れない 速読日本史
東進の看板講師で通史や一問一答でもお世話になった金谷先生の著書。本来は速読用の本ですが、まさかのオーディオ化。こちらもamazonのaudibleで配信。
トークで攻略する日本史Bノート
河合塾の看板講師で実況中継シリーズの石川先生の本。これだけ音声ファイルではではなく、本にCDがついているタイプ。
中古を買うときはCDがついてるか要確認です。
漫画で息抜き勉強法
顔も知らない人について暗記することが苦痛だったので、漫画を使ってできるだけビジュアル的に記憶するようにしました。そこで使えるのが漫画勉強法です。
漫画を使うことで歴史の流れはもちろん、キャラクターの顔もセットで覚えることができ、用語記憶の助けになります。
各時代ごとのオススメ漫画は別途紹介しますが、ここでは特にオススメの3冊を紹介します。
学習まんが日本の歴史(小学館)
集英社・講談社・角川、歴史マンガは各出版が出していますが、小学館が情報量が多くオススメです。
とはいえ、絵の好き嫌いもあると思うので、好きな出版社版を使ってください。
日露戦争物語(小学館)
「日露戦争物語」(小学館)
明治元年生まれの明治の軍人、秋山真之が主人公の漫画です。
真之と共に、明治とはどんな時代だったか追体験できます。
歴史上の人物もバンバン出てくるので、受験対策の相性も良いですが、10巻以降はマニアックすぎるので読まなくていいです。
名言はされていませんが、原作は司馬遼太郎先生の「坂の上の雲」が元になっているみたいです。
昭和天皇物語
日露戦争物語が一軍人の明治史だったのに対し、こちらは日本国元首視点の大正史です。
これを読めば大正~昭和初期のややこしい歴史に一本軸ができます。
どれも出来事の因果関係や時代背景が分かりやすく描かれており、歴史の流れを覚えるのに非常に役に立ちました。
あなたもマンガで息抜きしつつ、日本史のレベルを上げてください!
やっぱり基礎が大事
以上に述べた方法で、マーク模試でも記述模試でも常に偏差値70を維持し、成績上位者に名を連ねることができました。
そんな私から、日本史学習の注意を最後に一つだけ。
慶應や早稲田の受験生あるあるですが、マニアックな用語を覚えて得意になっている人がいます。
しかし、入試はあくまで基本が大切です。基本〜標準問題が解ければ慶應でも7割は得点できます。
マニアックなC~Eランク単語を覚える前に、まずは基本となるA~Bランクの単語をしっかり押さえましょう!
国語の勉強法
国語にはほとんど時間をかけませんでした。
中高時代、勉強しない代わりに、漫画を読みまくり気絶するまでゲームしていました。
数えきれないぐらい漫画とゲームテキストを読み込んだおかげで、すさまじい語彙力と読解力がついていました。
現代文は漢字、古文は単語、漢文は句法のルールを覚えるだけで、するする成績が上がりました。
漫画王国ニッポンに生まれたことを、心から感謝した瞬間でした。
以上のように、国語はやや特殊で工夫量も多くありません。
そのため、オススメ参考書の軽い紹介程度にとどめておきます。
現代文
現代文に必要な単元は、漢字、キーワード、読解の3つです。
それぞれ次の参考書を使用しました
- 漢字:漢字マスター1800+四訂版
- キーワード:現代文キーワード読解
- 読解:船口のゼロから読み解く最強の現代文
この3冊をやったら、後は受験校の過去問を2日で1問のペースで解きました。
この3冊である必要はありません。類書も多々あるので「漢字・キーワード(背景知識)・読解が一冊ずつあればいいんだな」ぐらいで捉えてください。
日本史選択だったので追加で文学史対策もやりましたが、余裕ないなら切るのもありです。
慶應は小論文対策が必要ですが、現代文の偏差値が60を超えたら始めても良いと思います。
古文・漢文
古文は単語ができれば読解はできるので、慶應志望で古文を捨てだという人も単語だけはやってください。オススメは「新・ゴロゴ古文単語」(スタディーカンパニー)です。
早稲田志望なら当然文法も完璧にしてください。私は「富井の古文文法をはじめからていねいに」(東進ブックス)を忘れない程度に繰り返し読みました。
漢文は「早覚え速答法」(学研プラス)を2~3周し、漢文に慣れてきたら後は過去問で演習しましょう!
ベストセラーの素晴らしい本なのですが、漢詩だけ内容が足りません。
慶應受験では不要ですが、共通テストを受けるなら手元の教科書や塾の教材で補完してください。
小論文
小論は「吉岡のなるほど小論文講義10」(桐原書店)など、入門書を1冊読んで書き方のパターンを覚えます。
パターンが頭に入った後は、赤本や模試の解答の模写を行いました。
構成に注意しなが読み、書き写しながら使えそうな表現やフレーズを覚えます。
小論の力を伸ばすには、最終的には書いて添削してもらうしかありません。
どれだけ知識やパターンを覚えても、結局書いた分しか点数は伸びません。
私も含め地方受験生は、身近な先生が慶應小論に対応できるレベルじゃない場合があります。
GOKOでも添削をやっているので、小論に自信のない人は一度添削や受験相談をオススメします。
小論の字数が足りない問題
小論を書き始めて最初のころは、解答用紙が全然埋まらず「書くことが思いつかない!」と思っていました。
しかし、模範解答の書き写しを通して、模範解答でも実は大したことを言ってないことに気がつきました。
正確にいうと、一つの主張を、いろんな方法で繰り返しているだけと気がつきました。
当たり前といえば当たり前ですが、それに気がついてから文字数に対する恐怖が減りました。
小論には、言い換え、理由、説明、客観証明など、使える技がたくさんあります。
どの小論参考書にも書いてあると思うので、ぜひ自分でも使えるように練習してください。
言い換えや説明ができるようになると、解答用紙埋まらない問題が解消します。
小論文で求められる能力
慶應含め小論文で問われているのは論理的思考です。
他の受験生の違うオリジナリティー溢れる独自の主張をすべきだと思われていますが、そんなものなくても十分合格点は取れます。
小論最難関のSFCでも、です。
大事なのは論理的に主張を展開できているか、なんの面白味のない、世間の常識レベルの主張で大丈夫です。
当たり前のことを、当たり前に書く。
その意識を強く持ってください。
受験生に教えたいノウハウや心構え
ここからは受験生に伝えたい、細かいノウハウや心構えを紹介します。
私の暗記術
受験勉強の中心は暗記作です。
私が暗記のためにしたことをいくつか紹介します。
目にする名前は全部歴史上の人物にする!
人間はたくさん出会ったものを記憶します。目にした回数と記憶は比例します。
そこで、普段の生活の中で目にする名前を全て歴史上の人物に変えていきます。
まず、LINEの友達の名前をすべて歴史上の人物(+その業績)に変えました。
名前、苗字がおなじ人や、響きの似ている人などです。
次に、毎日目にする参考書の著者名も修正テープで消して同様に書き換えます。
(例えば、英語の関正生先生の本なら、江戸時代の数学者「関孝和」へ変える)
参考書や問題集は1日1回は見るので、いやでも覚えてしまいます。
資料集には落書きを!
日本史の史料集には落書きをしまくりました。
ふきだしや絵を入れるのです。こうすることで、自分だけの本になっていく感じがして、より記憶が鮮明になっていきました。
例えば、垂加神道の山崎闇斎の絵にはスイカの絵を描き、亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)の絵は青のマーカーで塗りつぶしました。
授業は録音して倍速で聴き返せ!
塾や予備校など通っている人も多いと思いますが、講義を録音して倍速にして聞き返しましょう。
せっかくお金を払って受講するのですから、(必要であれば許可を取って)これくらいはやりましょう。
日本史で音源教材を紹介しましたが、自分が受けた授業の方がより記憶に残りやすいと思います。
どうしても覚えられないものは腹に書く!
月並みですが、トイレや玄関など、普段目に付くところに覚えたい言葉を貼り付けましょう。
どうしても覚えられないことは、自分のお腹にデカデカとかきます。
お風呂に入ろうとした瞬間、腹に落書きされた自分の姿がガツンと目に入ってきます。
その非日常感と入浴中の思い出して確実に記憶していけます。
手だとカンニングを疑われますが、お腹なら外から見れないので安心です。
MARCHをなめるな!
早慶志望の受験生は、MARCHをなめてかかる傾向があります。
信じられませんが、合格もしていないのに平気で「MARCHは余裕」的な発言をする浪人生が大量にいます。
そういう受験生に限って、直前期に焦って残念な結果になっていました。
きちんと勉強しなければ、MARCHは普通に落ちます。
過去問をやると分かりますが、問題自体は意外と難しいです。
いずれも立派な名門大学です。
MARCHをなめるな!
やる気の出ない時の対処法
受験で苦労することはモチベーションの維持です。
志望校に合格できるか不安になり、やる気の出ないこともあります。
不安を消すのに1番いいのは勉強することですが、それでもいつか壁にぶち当たります。
私の場合は、気がすむまで古本屋で立ち読みをしたり、地元大学の学食に潜り込んで大学生観察をしたりしました。
こうした合格体験記や勉強法指南書を読むことも、良い気分転換になりました。
どうしても集中できない時の対処を事前に考えておき、必要な時は思い切って勉強を投げ出しましょう!
受験を振り返って
実際に入試を終えて振り返ると、英語はギリギリ早慶レベルだったなと思います。
他の受験生より遅れていたのは自覚していたので人一倍頑張りましたが、それでも英語は時間がかかります。
法政は「合格しただろうなー」と思って合格でしたし、
明治は国語の手応えがなかったので「落ちただろうなー」と思ったら特待合格でした。
一方、早慶は合格したものの、上位学部には届きませんでした。
処理速度が問われる法学部と経済学部は、不合格を確信するレベルで間に合いませんでした。
商学部はギリギリ合格点かな...と言った感じで、じっくり英文と向き合える文学部は相性良かったです。
慶應文は「英語で国語力を問う」と言っているので、そこもプラスに働きました。
早稲田も同じで、商学部と社会科学部には合格しましたが、法学部と政治経済学部は過去問解いて合格は難しいと思いました(日程的にも厳しかったの受験しませんでした)。
結果には満足していますが、これを読んでるあなたは同じ轍を踏まないように、1秒では早く英語の勉強を始めてください。
入試最終日の思い出
最後の入試は早稲田の社会科学部でした。
全ての試験が終わった後、監督員が「サクラの咲くころ、早稲田の杜(もり)で会いましょう」といい、 感動したのを覚えています。
自分を律し続け、参考書向かい続けた毎日が終わりました。
全身から力が抜け、どうやって帰ったのかも覚えていません。
慶應に進学するか早稲田に進学するか
慶應と早稲田にW合格した結果、どちらに進学するか真剣に考えることになりました。
最終的には生徒数が少ないという理由で慶應に進学しました。
「え?そんな理由??」と言われそうですが、意外と大事です。
地方といえども、早稲田は知り合いの知り合いレベルで存在します。一方、慶應は絶滅危惧種並みにレアです。
また、早稲田はスポーツも強く、箱根駅伝やラグビーで見ることがありますが、慶應は滅多にお目にかかれません。
福沢諭吉のことは知っているけど作った大学はよくわからない、慶應出身の有名人は知っているけど大学の実態はよくわからない、名前は聞いたことあるけど大学内はよくわからない。
都会出身者や都民にとってはそうでもないのかもしれませんが、田舎者の私にとって、慶應はまさに不思議の大学でした。
それなら自分の目で見てみよう!そう思ったのが慶應進学の理由です。
慶應が就活に強いわけ
結果、慶應に進学して正解でした。
早稲田の卒業単位は134で年間単位上限が40ですが、慶應は卒業に136で年間上限が52です。
早稲田が卒業に3.35年かかるのに対し、慶應は2.61年で単位を取得できます。(あくまで理論上)
大学では勉強だけではなく色々な経験をすべきだとは思いますが、卒業まで余裕を持って単位が取れるのは強みの一つです。
慶應は就職に強いと言われます。もちろん学生の質もありますが、人並みにやってれば3年生から就活に集中できる環境も強みの一つだと思います。
取りたい人気授業も今のところ全て取れているので(早稲田は抽選落ちが結構あります)、生徒数の少ない慶應でよかったなと思っています。
慶應で学び早稲田で遊べ
正直、早稲田の方がサークルなどの課外活動は活発です。実に多種多様な団体が存在し、それが早稲田の魅力の一つになっています。
団体の中には「インカレ」という形で、他大学の学生も受け入れる団体もあります。
私も慶應にない興味のあるサークルに連絡をとった結果、意外とすんなり受け入れてくれました。
大学はびっくりするほど自由なので、大学という枠にハマらず行動してみのもオススメです!
受験に「たら・れば」はなし
繰り返しになりますが、合格とは努力の証明であり、受験は暗記したもの勝ちです。
逆にペーパーテストが得意なだけの人も早慶には受かれるので、大学名だけに騙されないでください。
どの大学にも、大学に行っていない人の中にも、素晴らしい人はたくさんいます。
自分を甘やかさず、納得いくまで勉強しましょう。お腹いっぱい勉強して不合格なら諦めもつきます。
- もっと勉強していれば
- もっと勉強の才能があれば
- 都会で生まれていたら
- 違う選択をしていたら
そんな風に考えるのは仕方がありませんが、思ってる内は現状が全く好転しません。
そこはグッと飲み込んで、受験勉強に打ち込みましょう。
受験に「たら・れば」はなしです。
長く感じる受験期間も、意外と早く過ぎ去ってしまいます。
模試などで締め切り効果を活用しつつ、1日1日を大切にしてください。
ここまで読んで頂いて本当に本当にありがとうございました!
今すぐブラウザを閉じ、机に向かいましょう!
自分の未来は自分で切り開くのです!
桜の咲く頃、三田の慶應でお待ちしております。
あなたも慶應義塾大学を目指してみませんか?
GOKOでは現在生徒を募集しております。まずは体験授業からお申し込みください!
投稿者
- GOKOでは慶應義塾大学に進学したい受験生のために、役立つ情報の発信をおこなっています。こんな記事が読みたいなど、希望がありましたらお問合せページよりご連絡ください。