【UCSD】カリフォルニア大学サンディエゴ校の卒業生が語る|リアルなキャンパスライフとサンディエゴの魅力
カリフォルニア大学(University of California、UC)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に位置する公立大学システムで、全米でも最も評価の高い大学群の一つです。
カリフォルニア大学といえばバークレー校(UC Berkeley)がロサンゼルス校(UCLA)有名ですが、他にも魅力的な大学がたくさんあります。今回焦点を当てるのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)は、海の近くにあり、天候も良く、学びと生活のバランスが取れた最高のキャンパスです。専攻は160以上もあり、学問の幅広さも魅力的です!
さらに、ビーチや自然保護区が近く、サーフィンやハイキングなどアウトドアを楽しむには絶好の場所。美味しいアジア料理やメキシコ料理も豊富で、日本食が恋しくなる心配もなし。
この記事では、UCSDの魅力と、サンディエゴでの学生生活について卒業生目線で詳しく紹介します!
受験に必要な学力や成績は一番最後に掲載しておりますので、出願要件やエッセイのテーマが知りたい人は先にそちらをご覧ください。
【この記事を書いた人】
【Yuki Hamashima】
静岡県生まれ。0歳からカリフォルニアで育ち、2011年にカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)を卒業。
モルガン・スタンレー、ゴールドマンサックスといったグローバル金融機関で培ったビジネススキルと多様な文化への理解を強みとする。
現在は、コーチングを通じて、個人と組織の成長を支援。特に、異文化間コミュニケーション、リーダーシップ開発、キャリアデザインの分野に強みを持つ。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の概略
カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego、UCSD)は、カリフォルニア大学一部で、1960年設立と比較的新しい大学であるにもかかわらず、急速に成長し、世界的にも高い評価を受けています。
- 種別:州立大学 四半期制
- 学部:7つのカレッジシステム
- 専攻: 160以上の専攻
- 住所:9500 Gilman Dr, La Jolla, CA 92093
- キャンパスの広さ:2,141エーカー(東京ドーム約185個、東京ディズニーランド17個に相当)
- 学部生: 33,000人以上
- 世界大学ランキング:34位(*Times Higher Education版を参考)
カレッジシステム
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のカレッジシステムは日本では馴染みないかもしれません。イギリスの大学のシステムを参考に作られたもので、ハリーポッターの4つの寮制度をイメージしてもらえると理解しやすいかもしれません。
私は下記のアールワーレン・カレッジ(Earl Warren College)出身です。
- リービー・カレッジ(Revelle College)
UCSDで最初に設立されたカレッジで、科学、数学、リベラルアーツを重視。厳格な一般教養カリキュラムで知られています。 - マーカート・カレッジ(Muir College)
学生の柔軟な学問選択を支援し、自己主導性を尊重する方針が特徴。「自己の発展(Celebration of the Individual)」が理念で、他のカレッジに比べ一般教養要件が少なめです。 - サーグッドマーシャル・カレッジ(Thurgood Marshall College)
社会問題に関心を持つ学生が多く、「社会に貢献する市民の育成」を重視。社会科学やコミュニティ活動をテーマにしたカリキュラムが設けられています。 - アールワーレン・カレッジ(Earl Warren College)
「個人の権利と社会的責任のバランス」がテーマで、特に社会と個人の関わり方を重視するカレッジです。自分で選ぶ「エリア・スタディーズ」が特徴です。 - エレノア・ルーズベルト・カレッジ(Eleanor Roosevelt College)
国際的視野を育むことを目的に設立され、グローバルな視点から学べる独自のコース「Making of the Modern World(現代世界の形成)」が必須です。 - シックスス・カレッジ(Sixth College)
芸術やテクノロジー、文化的視野を重視し、「Culture, Art, and Technology (CAT)」という独自のプログラムを提供。比較的新しいカレッジで、現代的な学びにフォーカスしています。 - セブンス・カレッジ(Seventh College)
2020年に設立された最新のカレッジで、気候変動やテクノロジーの進化に関連した「A Changing Planet(変化する地球)」というテーマのカリキュラムが特徴です。 - エイトス・カレッジ(Eighth College)
テーマは「公平と社会的影響(Equity and Social Impact)」で、持続可能性や社会貢献に重点を置いたカリキュラムを提供。持続可能な社会における公平性や公正なコミュニティ構築について、深い理解を目指す学びが展開されます。
大学での学び自体が劇的に変わるわけではありませんが、住む場所や生活範囲が変わるので、付き合う人たちに影響があります。ここでの友人は一生の友人になる可能性大です!
UCSDのことが何となくわかったところで、まずはキャンパスのあるサンディエゴについて、どんな街か見ていきましょう!
キャンパスの立地とサンディエゴの魅力
UCSDは、太平洋に面した広大で美しいキャンパスを持ち、海洋科学や環境科学などに特に適した立地条件が整っています。キャンパス全体は、リサーチや学問活動に従事するための先進的な施設を備え、学生や教職員にとって非常に恵まれた環境を提供しています。
サンディエゴは気候が良く、アウトドアを楽しめる場所が多いため、カリフォルニアで最も住みやすい場所の一つとされています。さまざまな料理を楽しめ、日本食が恋しくなることもありません。
キャンパス周辺のオススメスポット
サンディエゴは一年を通して温暖な気候で、ビーチやアウトドア活動が充実していることから、学生生活も非常に快適です。
ラホヤ(La Jolla)という美しい海岸近くにあり、太平洋を見渡せる素晴らしい環境にあります。学生や家族にも人気があり、*SIOバスでわずか5分で到着します。 (*SIOバス:海洋学研究所、バーチ水族館、ビーチをUCSD中央キャンパスと結ぶシャトルバス)
サンディエゴにはサーフィン、泳ぎ、シュノーケリング、日光浴に最適な条件が整っており、ブラックスビーチはそのすべて、特にサーフィンに最適な場所です。
トレリーパインズ州立自然保護区はハイキングを愛する人に最適です。崖からの素晴らしい景色で知られています。 サンディエゴはカリフォルニアの最南端に位置し、赤道に最も近いため、海水温は最大20度に達することがあります。
- ラホヤショアーズ:砂浜のビーチで、学生や家族に人気。SIOバスで5分で到着。
- ブラックスビーチ:サーフィン、泳ぎ、シュノーケリング、日光浴を一度に楽しめる場所。
- トーレーパインズ州立自然保護区: ハイキングが好きな人に最適で、崖からの素晴らしい景色が有名。
日本食にも困らない環境
サンディエゴはアメリカ文化とメキシコ文化の影響を強く受けており、アメリカとメキシコの国境近くに位置しています。そのため、本格的なメキシコ料理を楽しむことができます。
また、サンディエゴには大きなアジア系コミュニティがあります。2019年には、アジア人とアジア系アメリカ人がキャンパスの学部生入学者の52%を占めました。
サンディエゴ、特にコンボイ地区はアジア料理で知られ、手頃な価格のメニューが学生に人気の夜のスポットとなっています。私のお気に入りは、フードトラックで売られているプルコギタコスなどのメキシコ・韓国フュージョン料理です。
- コンボイ地区:アジア料理が楽しめるエリア。リーズナブルな価格のメニューが多く、UCSDの学生に人気のナイトスポット。
世界ランクトップ50に入る学術的評価
学術的評価として、UCSDは、世界大学ランキングで世界第34位(*Times Higher Education2025年版参照)にランクインしています。特にSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で高い学術的評判を持っています。
具体例として、UCサンディエゴのスクリップス海洋研究所を挙げてみましょう。
世界的な地球科学の研究と教育において最も重要なセンターの一つと見なされています。複数の学士、修士、博士課程があり、学生向けの有給ポジションやインターンシップ、卒業後すぐに応募できるフルタイムポジションも多数あります。
スクリップス海洋研究所の科学者たちは、研究だけでなく人道的な目標への取り組みに対しても世界で最も権威ある賞を受賞しています。
その他、工学分野ではジェイコブス・スクール・オブ・エンジニアリング(Jacobs School of Engineering)、社会/国際関係学分野では、 グローバルポリシー・戦略スクール(School of Global Policy and Strategy, GPS)など、定評のある研究所が多数あります。
サンディエゴ地域には多くのハイテク企業やスタートアップがあり、学生は実務的な経験を積む機会が豊富です。特にサンディエゴは「バイオテクのハブ」としても知られ、学生や研究者は企業とのコラボレーションや起業のチャンスが豊富です。
キャリアと卒業後の平均年収
STEM(科学、技術、工学、数学)分野はもちろん、UCSDの卒業生は、さまざまな分野で成功を収めています。大学は、インターンシップやキャリアセンターを通じて学生の就職活動を支援しており、サンディエゴやシリコンバレーなどのハイテク産業と強い結びつきを持っています。
UCSDの*グローバル政策戦略大学院(*GPS)の雇用データによると、卒業生は公的機関、民間企業、非営利団体、国際機関などさまざまなセクターで働いています。主な業界にはテクノロジー、政府、国際機関などがあります。
主な就職都市は、アメリカではサンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントンDC、ロサンゼルス、ニューヨーク、海外では東京、ソウル、北京が挙げられます。主な就職先には、米国国務省、ソニー、国連、世界銀行、デロイトなどがあります。
また下図payscale.comによると、UCSD卒業生の平均年収は約9万ドル(約1350万円)です。(1K=1,000、10k=10,000です)
充実した学生サポート
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の学生サポートは、非常に充実していることで知られています。多すぎて全ては挙げられないので、ごく一部ですがいくつかご紹介します。
学業支援:チュータリングサービス
学業支援として、チュータリングサービスがあります。学習支援センター(Academic Support and Instructional Services)では、数学、科学、人文学などの分野でチュータリングを受けられます。グループ形式や個別指導などがあり、学生が自分に合ったサポートを選べます。
これらのサービスは授業料に含まれているので、無料で受けることができます。
キャリア支援:キャリアセンター
キャリアセンターでは、インターンシップ探し、履歴書の書き方、面接の練習、ネットワーキングイベントの開催など、多様なキャリアサポートを提供しています。また、さまざまな業界の企業と提携し、ジョブフェアやメンターシッププログラムも実施されています。
カウンセリング & 心理サービス(CAPS)
CAPS(カウンセリングと心理サービス)を無料で利用するこことができます。ただし、事前予約は必要です。CAPSは、学生のメンタルヘルスを支援するため、カウンセリングやワークショップを提供しています。
緊急時の対応や定期的な面談のほか、ストレス管理やマインドフルネスのクラスも開かれています。
UCSDの学びと生活
世界トップレベルの大学なので、学習環境に細かく言及するのは控えておきます、きっと満足できる学びが得られるはずです!
ここからは、中でも特筆すべき項目を挙げて見ます。
セメスター制ではなくクウォーター制
UCSDは周辺の他大学と異なり、セメスター制(=学期制/15週間)ではなく、クウォーター制(=四半期制/10週間)を採用しています。そのため、期末試験前に「デッドウィーク」(=米国の大学において期末試験前の勉強期間を指す)がありません。
しっかり計画を立て、利用可能なリソースを最大限活用しましょう。
最短3年で大学卒業する裏技
日本では3年で学士号を取得することは一般的ではありませんが、頑張れば最短3年で卒業することも可能です!
もちろん専攻や授業計画次第ではありますが、具体的には以下の要件が必要になります。
- 各四半期に16単位を履修する
- 秋・冬・春学期に加えて夏期講座も受講する
- 専攻を1回以上変更しない
東京ディズニーランド17個分のキャンパス
キャンパスの広さは2000エーカー以上で、約17個の東京ディズニーランドを収容できます。
そのため授業間の移動が大変です。焦って次の授業にいくことにならないように、スケジュールをうまく計画することが重要です。(ペーターソンヒルを走る際は急勾配で危険なため、注意が必要です)
UCSDの象徴になっているガイゼル図書館も必見です!
友達を作るなら学生団体に参加しよう!
高いGPAで卒業することももちろん大事ですが、UCSDでの時間を楽しむことも忘れないでください。少なくとも1つの学生団体に参加しましょう。
UCSDはラホヤという落ち着いたエリアにあり、都会的な雰囲気や派手なエリアからは少し距離があります。そのため、UCSDは「UC Socially Dead(社交的に死んでいる)」と言われることもあります(あくまで冗談ですが)。
実際は、外交的で積極的に新しいコミュニティに関わっている人が多数います。大学で孤独にならないためにも、最低1つはクラブに参加して、友達を作ることをお勧めします。
私が参加していたのはNSU(Nikkei Student Union)という、UCSDで最も古く、最大の日本文化に関心を持つ学生団体です。私はNSUのモダン/ヒップホップダンスチーム「[N]Motion」のメンバーでした!
UCサンディエゴ進学に必要な学力と条件
UCSDは非常に競争が激しい大学の一つで、優れた学業成績と課外活動の実績が求められます。特に人気の高い専攻(例えばコンピューターサイエンスやバイオサイエンスなど)では、入学がさらに厳しくなっています。
進学する際に必要な主な条件は以下の通りです。
- GPA: 3.0以上
- 英語力: TOEFL-iBT 80以上 / IELTS 7.0
- エッセイ
各項目をもう少し詳しくみていきましょう。
GPA:3.0以上
UCSDでは、学部入試において学業成績が重視されます。これは日本の成績評価システムと似ていますが、米国では4段階評価、日本では通常5段階評価が使われます。
したがって、日本の平均成績を正確に換算する必要があります。GPA 3.0は日本の評定平均4.0に程度に相当しますが、これは最低基準です。積極的にそれ以上の成績を目指していきましょう!
英語力:TOEFL-iBT 80 / IELTS 7.0 以上
UCSDでは、英語を母国語としない学生に対して、英語力の証明が求められます。
TOEFL-iBTの最低スコアは80ですが、できれば90以上取得したいです。競争率の高い専攻ではさらに高いスコアが必要になることがあります。
IELTSでは7.0以上必要で、特に人気の専攻を目指す場合は7.5以上を目指すと有利です。入学後の学業環境で成功するためには、英語力の強化が重要です。
エッセイ:パーソナルインサイトクエスチョン
カリフォルニア大学の共通出願プロセスの一環として、UCSDは「パーソナルインサイトクエスチョン(PIQ)」と呼ばれるエッセイを求めます。
このエッセイでは以下のポイントが重視されます。
- 学業的および個人的成長を示すストーリー: 学業や個人的な困難をどのように乗り越え、その経験からどのように成長したか。
- リーダーシップ経験とコミュニティへの貢献: 学校やコミュニティでの活動の具体的な例と、その活動が他者にどのような影響を与えたか。
- 将来の目標とUCSDでの学びとの関連: 希望する専攻への情熱と、UCSDでの学びが将来の目標達成にどのように役立つか。
これらのエッセイは、学業記録だけでは伝えきれない個人の資質や動機をアピールする機会です。独自性と具体性が非常に重要です。
投稿者
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