慶應SFC環境情報2023年英語:解答解説と英文要約 / スタサプ、スタバ、イケてる会社にある魂

慶應義塾大学環境情報学部の2023年入試の英語について、全ての解答を紹介しています。

各段落の要約やプチ解説も入れておりますので、参考までにどうぞ。

環境情報2023の合格最低点

2023年の環境情報学部の合格最低点は246点

得点率にすると61.5%でした。

慶應義塾大学ガイドブック2024 より

大問1:3Dプリンターがもたらす新たな思考

https://www.wired.com/2015/11/3d-printing-and-medicine/
  • 題名:3-D Printers Give Us a New Way to Think
  • 著者:クライブ・トンプソン / Clive Thompson (2015)
  • 文字数:550字程度

【問題文冒頭】

Doctor Edward Smith some fiendishly difficult surgeries. A pediatric neurosurgeon at Boston Children’s Hospital, he often removes tumors and blood vessels that have grown in gnarled, tangled shapes. “It’s really complicated, defusing-a-bomb-type surgery,” he says.

大問1:筆者の主張

クライブ・トンプソン氏の主張をやや乱暴にまとめると、

Dプリンターをモノづくりの道具だけではなく、思考の補助ツールとして活用しよう。

ということになります。

大問1:各バラグラフ要約

各パラグラフをざっくりまとめると、以下の通りです。

  • 小児神経外科医のスミス医師は、難しい外科手術の練習ため、3Dプリンターを活用している。
  • 3Dプリンターを視覚化ツールとして活用することによって、スミス氏の手術時間は平均12%短縮された。このことは、3Dプリンターの使い方に新たな視座を与えてくれる。
  • つまり、3Dプリンターを単にものを作るツールとして捉えるのではなく、思考ツールと役立てる。並べたり、考えたり、人に見せたりして、認知の補助をするツールとして活用する。
  • 医師はこれまでMRIやCTスキャンを使い腫瘍を視覚化してきたが、スミス医師のように3Dプリンターを使えば、スクリーン上では不可能な空間的認知が得られ、対象をより深く理解することができる。
  • 3Dプリンターが紙と同じように思考のツールとして普及するためには、リサイクル可能で分解性のある材料の誕生など、技術の向上が必要である。
  • 3Dデータには、楽しくて興味深い活用がいろいろ考えられる。ものづくりの道具としてだけではなく、思考の道具として上手に使っていこう。

大問1:解答

問題解答
311
322
332
343
351
363
373
383
391
402
問題解答
413
422
432
442
452
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大問2:ロビンフッドは本当に正しい?

  • 題名:Rethinking Robin Hood
  • 著者:アンガス・ディートン / ANGUS DEATON (2016)
  • 文字数:700字程度

ノーベル経済学者のアンガス・ディートン氏の文章から出題。

【問題文冒頭】

International development aid is based on the Robin Hood principle: take from the rich and give to the poor. National development agencies, multilateral organizations, and NGOs currently transfer more than $135 billion a year from rich countries to poor countries with this idea in mind.

大問2:筆者の主張

アンガス・ディート氏の主張を大まかにまとめると、以下の通りです。

グローバル化は、労働力の安い場所に工場や仕事を移動させ、先進国の低所得層に被害を与えてきた。これは倫理的に受け入れられる代償であると考えられてきたが、その状況を放置すると格差がより拡大され、国が分断されてしまう。嫌かもしれないけど、自分達のためにも同国(アメリカ)の低所得層を救済しよう。

経済政策の基本は「どこかからお金を持ってきて、足りてない所に配る」であるが、自国の低所得者にも支援しようね、的なお話でした。

大問2:各バラグラフ要約

各パラグラフをざっくりまとめると、以下の通りです。

  • 国際開発援助は、「金持ちから奪って貧しい者に与える」というロビン・フッドの原則(コスモポリラン優先主義)に基づいている。より少ない者はより多い者より優先されるという倫理的なルールで、さまざまな援助の根幹にある。
  • 確かに、貧しい国の人々は、より差し迫った必要を抱えているので、コスモポリタン優先主義は表面上理にかなっている。
  • 世界経済の成長とグローバリゼーションは、世界の貧しい国の人々を救ったが、豊かな国の人々にとっては害となった。しかも、損失被るのはより裕福で健康な国の人々だったため、倫理的に受け入れられてしまった。
  • 経済のグローバル化を評価しているのはその受益者たちで、割りを食わされている先進国の低所得層にとって、グローバル化は素晴らしいものではない。
  • 数百万人のアメリカ人が1日2ドル以下の生活をしており、これはインドやアフリカの貧困と同基準である。さらに、この収入で米国内に住居を見つけるのは困難なため、より深刻といえる。
  • グローバル化によって、工場を失った町はや年は、財源を失い、教育の質を維持することさえ難しくなっている。これによって機会の平等も失われつつある。
  • 市民として、互いに扶助しあう権利と義務があるが、国際的に考えすぎると、同国の貧困層を助けるという視点が抜けてしまう。
  • 海の向こうの人ばかり支援して、線路の先の同国民を救わない放置していると、国が分断してしまう。そうならないように、同国の低所得の声にも耳を傾けよう。

大問2:解答

問題解答
462
471
482
492
503
513
523
532
541
553
問題解答
563
573
581
593
601
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大問3:偉大な企業は創業の魂を守り抜く

https://amzn.to/3XKF8xK
  • 題名:The Soul of a Start-Up
  • 著者:ランジェイ・グラティ / Ranjay Gulati (2019)
  • 語数:1350字程度

ハーバード大学経営大学院 ランジェイ・グラティ教授が書いた文章から出題。

いわゆる"イケてる"企業に共通してある、創業時の想いや魂の話。

【問題文冒頭】

There’s an essential, intangible something in start-ups—an energy, a soul. Company founders sense its presence. So do early employees and customers. It inspires people to contribute their talent, money, and enthusiasm and fosters a sense of deep connection and mutual purpose. As long as this spirit persists, engagement is high and start-ups remain agile and innovative, spurring growth. But when it vanishes, ventures can falter, and everyone perceives the loss—something special is gone.

ほぼ同内容の日本語版が2020年に電子書籍でも出ており、さらに発展的にまとめた書籍「DEEP PURPOSE 傑出する企業、その心と魂」が環境情報入試日の前日に発売されました。

大問3の内容をざっくり知りたい場合は、週間ダイヤモンドオンラインの連載記事がありますので、そちらをご参照下さい。

ハーバード大教授が語る、パーパス経営を「上っ面で終わらせない」方法 | ハーバードの知性に学ぶ「日本論」 佐藤智恵 | ダイヤモンド・オンライン

近年、パーパス(企業の存在目的)を重視した経営手法が高い関心を集めている。そんな中、ハーバードビジネススクールのランジェイ・グラティ教授はディープ・パーパス(…

大問3:各バラグラフ要約

各パラグラフをざっくりまとめると、以下の通りです。

  • スタートアップ企業には魂のようなものがあり、それが存在し続ける限り、成長していくことができる。
  • 多くのスタートアップ企業が拡大と共に創業時の魂を失ってしまい、取り戻そうと苦慮している。
  • 一部の企業は創業精神を忘れずに成長し続けている。ビジネスの成長には仕組みやシステムだけではなく、創業精神の維持も重要である。
  • (*多くのベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティ・ファンドが創業精神を幻想だと思っているのとは対照的に)多くの創業者は、使命やビジネスモデル以上の目的があると信じていた。
  • 調査した結果、ユニークで刺激的な仕事環境を生み出すには「事業目的」「顧客とのつながり」「従業員の経験」の3要素が重要であることが分かった。
  • 私が研究したすべてのベンチャー企業は、独自の活力ある「事業目的」を掲げていたが、それは会社の存在意義のようなもので、従業員は金銭以上の高い目標を持っていた。
  • スタディサプリは「より多くの人に教材を提供することで、日本の教育格差を是正する」という考えのもと生まれた。それは、「社会に新しい価値を創造する」というリクルートのミッションと合致するものだった。
  • スタディサプリは当初の精神を忘れず進化し続け、リクルートの教育事業の中心になった。
  • 創業精神が消えたり、無くなったことに気が付くには、危機的な出来事が必要。FacebookやUberは、企業精神より利益を優先したことで公に謝罪したことがある。
  • 創業精神の存在が深刻な場合、創業者はその取り戻すために戻ってくることがある。スターバックのハワードシェルツは、CEOに復帰して指揮を取り会社の魂を呼び戻そうとした。
  • 会社の魂を守ることは内部統制や株式分割と並べて重要事項であるにもかかわらず、あまり重視されていない。「事業目的」「顧客とのつながり」「従業員の経験」の三位一体の精神を保つことができれば、企業は成長し続け、大きな存在になる。

*4段落:何と比較して"対照的"なのか分かりにくかったため、出題文ではなく原文から引用して補完しました。

大問3:解答

問題解答
611
622
633
643
651
663
672
682
691
702
問題解答
711
722
732
741
753
763
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781
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802
問題解答
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824
832
844
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883
893
901

大問3:全文和訳

和訳例を紹介します。

第1段落

There's an essential, intangible something in start-ups ― an energy, a soul. Company founders sense its presence. So do early employees and customers. It inspires people to contribute their talent, money, and enthusiasm and fosters a sense of deep connection and mutual purpose.~~~

スタートアップには、欠かせない、形のない何かがあります。それはエネルギーであり、魂です。創業者はその存在を感じています。初期の従業員や顧客もそうです。それは人々に才能、お金、そして熱意を捧げさせ、深い繋がりと共通の目的意識を育みます。この精神が続く限り、エンゲージメントは高く、スタートアップは機敏で革新的であり続け、成長を促します。しかし、それが消えると、ベンチャーは失敗し、誰もが特別なものが失われたと感じます。

  • intangible: 無形の、触れることのできない
  • inspire: 鼓舞する、刺激する
  • foster: 育む、育成する
  • mutual: 相互の、共通の
  • persist: 持続する、残る
  • engagement: 参加、関与、取り組み
  • agile: 機敏な、素早い
  • spur: 促進する、刺激する
  • falter: 失速する、よろめく
  • perceive: 知覚する、気づく

第2段落

The first person I heard talk about "the soul of a start-up" was a Fortune 500 CEO, who was trying to revive one in his organization. Many large companies undertake such "search and rescue" initiatives, which reflect an unfortunate truth: As a business matures, it's hard to keep its original spirit alive.~~~

「スタートアップの魂」について最初に聞いたのは、フォーブス500企業のCEOでした。彼は組織内の1つのスタートアップを再生しようとしていたのです。多くの大手企業がこのような「捜索救助」活動を行っていますが、これは不幸な真実を反映しています。つまり、事業が成熟するにつれて、その本来の精神を維持することは困難になるということです。創業者は従業員も、しばしば魂と文化、特に徹夜、柔軟な職務内容、Tシャツ、ピザ、無料のソーダ、家族のような雰囲気という自由奔放な精神を混同します。彼らはそれが衰えるまでには気づかず、懐かしむだけです。

投資家は、会社の感情的な核心を踏み台にして、市場の要求に応えて「プロフェッショナル化」し、方向転換することを会社に押し付けることがあります。また、「起業家精神」を取り戻そうとする組織は、表面的なアプローチを取りがちで、行動規範に対処するものの、真に重要なことに焦点を合わせることができません。

  • freewheeling ethos: 自由奔放な精神
  • wax nostalgic: 懐かしむ
  • wane: 衰える、減少する
  • run roughshod over: 踏み台にする、無視する

第3段落

Over the past decade, I've studied more than a dozen fast-growth ventures, conducting 200-plus interviews with their founders and executives, in an attempt to better understand this problem and how it can be overcome.~~~

過去10年間、私は12以上の急成長ベンチャーを研究し、創業者や経営幹部と200回以上のインタビューを行ってきました。この問題をより深く理解し、それをどのように克服できるかを理解するためです。多くの企業が当初の本質、創造性、革新性を維持することに苦労している一方で、いくつかの企業は非常に効果的にこれを実現し、強いステークホルダー関係を維持し、ベンチャーの継続的な繁栄を保証してきました。

私のような起業家、コンサルタント、学者たちは、しばしば、事業が成長するにつれて構造とシステムを導入する必要性を強調し、その精神を維持することの重要性を欠いています。私たちは、両方に焦点を当てることができますし、そうすべきです。努力と決意を持って、リーダーは組織内で正しいこと、真実であるものを育み、保護することができます。

  • fast-growth ventures: 急成長ベンチャー
  • retain: 保持する、維持する
  • stakeholder: ステークホルダー(利害関係者)
  • thrive: 繁栄する
  • implement: 導入する
  • nurture: 育む、育成する

第4段落

Most founders, by contrast, believed that their start-ups were about something more than their missions, business models, and talent, even if those founders couldn't articulate it precisely.~~~

対照的に、ほとんどの創業者は、たとえ正確に表現できなかったとしても、彼らのスタートアップは、そのミッション、ビジネスモデル、人材以上の何かであると考えていました。たとえば、ホワード・シュルツは著書『オンワード』の中で、スターバックスの精神を次のように述べています。「私たちの店舗とパートナー(従業員)は、オアシスを提供し、心地よさ、つながり、そして私たちが提供するコーヒーとコミュニティに対する深い敬意という高揚感をもたらすために協力するとき、最も輝きます」。

私は、「顧客と会社への忠誠心」を、彼のビジネスを偉大にする「核心」であると特定した別の創業者のインタビューも行いました。「大胆な目標と共通の価値観に基づいて構築された共有の目的」としてこの本質について語った創業者が3人目でした。初期の従業員は、セバスチャン・ジュンガーの著書『トライヴ』で言及されている「忠誠心と帰属意識、そして永遠の人間の意味の探求」を感じ、自らの企業と強く結びついていると私に語りました。

  • uplifting feeling: 高揚感
  • loyalty: 忠誠心
  • core essence: 核心、本質
  • audacious: 大胆な、無謀な
  • identify with: 同一視する、共感する

第5段落

My investigation pointed to three elements that combine to create a unique and inspiring context for work: business intent, customer connection, and employee experience. These are not simply cultural norms designed to shape behavior.~~~

私の調査では、仕事のためのユニークで刺激的な環境を作り出すために組み合わされる3つの要素が明らかになりました。それは、ビジネス意図、顧客とのつながり、従業員体験です。これらは単なる行動を形成するように設計された文化的規範ではありません。それらの影響はより深く、より強く、より激しい種類のコミットメントとパフォーマンスを引き起こします。それらは仕事の意義を形作り、単なる取引ではなく、関係性の仕事にします。従業員は、鼓舞するアイデア、エンドユーザーへの奉仕の概念、そして仕事における独特で内在的な報酬とつながります。人々は会社と感情的な絆を結び、その絆が組織に活力を与えます。

  • galvanizing idea: 鼓舞するアイデア、刺激的な考え
  • notion: 概念、考え
  • end users: エンドユーザー、最終的な利用者
  • distinctive: 独特の、特徴的な
  • intrinsic: 内在的な、本質的な

第6段落

All the ventures I studied had their own animating purpose. Usually this "business intent" originated with the entrepreneur, who communicated it to employees to persuade them to trade stable jobs for long hours and low pay.~~~

私が調査したすべてのベンチャーには、それぞれに活力を与える目的がありました。通常、この「ビジネス意図」は起業家に由来し、起業家はそれを従業員に伝えて、安定した仕事を長い労働時間と低賃金と交換するよう説得しました。インタビューした人々が会社に入社する動機となったのは、最終的な巨額の利益への欲求など、多くの要因がありましたが、誰もが何らかの形で「歴史を作る」、より大きなもののために貢献したいという高尚な欲求を持っていました。

彼らは、製品やサービスの創造、流通、消費の方法を変えることで人々の生活を向上させるビジネスを構築したいと考えていました。多くのベンチャーは、その使命や事業範囲を定義していますが、私が発見した意図はさらに進んでおり、存在意義ともいえるほどの意味を持っていました。

  • reason for being: 存在意義、生きる意味

第7段落

Consider Study Sapuri, a Japanese enterprise started in 2011 within the multibillion-dollar information-service and staffing company Recruit Holdings. ~~~

2011年に、数兆円規模の情報サービスおよび人材サービス企業であるリクルートホールディングス内でスタートした日本の企業、スタディサプリを検討してみましょう。当時比較的新しい社員であった山口文洋氏は、リクルートの低迷する教育事業を立て直すため、学生が大学入試の学習ガイドに無料でアクセスできるようにするウェブサイトを立ち上げる計画を思いつきました。

社内ベンチャーの立ち上げを担当する内部グループにこのアイデアを提案した際、山口氏は、このウェブサイトが学習教材へのアクセスをより多くの人々に提供することで、日本の教育格差に対処すると説明しました。これは、社会に新たな価値を創造するというリクルートの長年の使命とよく合致する意図でした。

  • turn around: ~を立て直す、~を好転させる
  • hatched a plan: 計画を思いつく、計画を孵化させる
  • internal group: 内部グループ
  • charged with: ~を担当する、~を任される
  • launching in-house ventures: 社内ベンチャーの立ち上げ
  • educational inequity: 教育格差
  • learning materials: 学習教材
  • intent: 意図、目的
  • aligned well with: ~とよく合致する
  • long-standing mission: 長年の使命

第8段落

Since its launch, Study Sapuri has continued to evolve but always with deference to its original intent. Among other moves, it has marketed its services as a college prep service and a tool for high school teachers to use with remedial students, and has expanded its content to include elementary- and junior-high-school material and academic coaching. ~~~

スタディサプリは、ローンチ以来、常にその当初の意図を尊重しながら進化を続けてきました。他の動きの中でも、同社は自社のサービスを大学受験準備サービスや、高校の教員が補習学生に使用するためのツールとしてマーケティングし、コンテンツを小学校・中学校の教材や学力コーチングにまで拡大しました。2015年4月には、親会社を通じて、東南アジア市場を中心に同様のサービスを提供するQuipperを買収しました。

Quipperの創業者である渡辺雅之氏は、Study Sapuriの意図に共感してこの取引を好意的に捉えていました。「私たちは、学習は権利であり、特権ではないと考えています。私たちは同じビジョンを共有していました。」トップ人材も同じように感じていました。「私は、これらの問題に取り組むというアイデアに惹かれました」と、ある従業員は私に語りました。「私が入社した動機は、顧客に真の価値を提供することでした。ユーザーとその親は、実際に学力が向上していることを実感できます。」2019年初頭までに、Study Sapuriは598,000人の有料会員を抱えるリクルートの教育事業の中核ブランドとして台頭しました。

  • deference to: ~への敬意、~を尊重して
  • original intent: 当初の意図
  • acquired: 買収する
  • academic ability: 学力
  • emerged as: ~として台頭する、~として現れる
  • central brand: 中核ブランド
  • paid subscribers: 有料会員

第9段落

Often, it takes a crisis for people to notice that a company's soul is disappearing or gone. Recently, Facebook and Uber both publicly apologized to customers for losing their way. ~~~

多くの場合、企業の魂が消えつつあることに人々が気付くのは、危機が発生してからである。最近、FacebookとUberは、道を踏み外したことを顧客に公に謝罪した。2018年には、数百人のGoogle従業員が、このテクノロジー大手に対し、中国における異議申し立てを封じ込めることを容易にする検索エンジンの開発計画を棚上げするよう求めた。「私たちの多くは、Googleの価値観を念頭に置いてGoogleでの雇用を受け入れました」と彼らは会社宛ての手紙に記した。「…Googleは、利益よりも価値観を優先する意思のある会社であるという理解を含めて」。

  • lose their way: 道を踏み外す、迷う
  • shelve plans: 計画を棚上げする
  • facilitate: 容易にする、促進する
  • stifling of dissent: 異議申し立ての封じ込め
  • values in mind: 価値観を念頭に置いて
  • willing to place its values above its profits: 利益よりも価値観を優先する意思のある

第10段落

When damage to the soul is especially grave, founders have sometimes returned to restore it. In 2008, Howard Schultz resumed the CEO role at Starbucks because, as he explained in his book, he "sensed something intrinsic to the Starbucks brand was missing." ~~~

魂へのダメージが特に深刻な場合、創業者たちはそれを回復するために復帰することがあります。2008年、ホワード・シュルツは、「スターバックスブランドの本質的な何かが欠けていると感じた」と著書の中で説明しているように、スターバックスのCEO職に復帰しました。

その後数か月間、彼は会社の精神をよみがえらせるために数々の措置を講じました。特に注目すべきは、リーダーたちがブランドについて幅広く考え、特に顧客関係に焦点を当てたオフサイトセッションを招集したことである。彼はチームに次のように語った。「私たちの思考に対する唯一のフィルターは、次のようになるはずです。

それは私たちの人々を誇りにさせるだろうか?これは顧客体験をより良くするだろうか?これは顧客の心の中でスターバックスを高めるだろうか?」数週間後、投資家に変革計画を発表する際、彼は会社の本来のビジネス意図への回帰を呼びかけ、「この聴衆の中には…若き起業家の夢、すなわちコーヒーを中心とした全国ブランドを築き上げることができるという夢、そして私たちも社会的良心を持ち合わせた会社を築くことができるという夢を信じていた人々がいます。あなた方を含む多くの人々に、再びスターバックスを信じていただく時が来ました。」

  • damage to the soul: 魂へのダメージ、企業精神の損傷
  • grave: 深刻な、重大な
  • intrinsic to: ~の本質的な、~に固有の
  • ensuing months: その後の数か月間
  • nurse the company's spirit back to life: 会社の精神をよみがえらせる
  • notably: 特に注目すべきは
  • convened: 招集する
  • off-site session: オフサイトセッション、合宿
  • in the hearts and minds of our customers: 顧客の心の中で

第11段落

Safeguarding the organization's soul is a critical if little appreciated part of the founding cohort's job, on par with such key decision areas as governance and equity splits. ~~~

組織の魂を守護することは、ガバナンスや株式分割などの重要な意思決定領域と同等に、創業メンバーの仕事の重要な部分でありながら、あまり評価されていません。スタディサプリとスターバックスはどちらも、創業者が最初から偉大な企業にした錬金術を維持するための意図的な努力のおかげで、スタートアップとして開花しました。長期的に見ると、強い魂はさまざまなステークホルダーを引き付け、奮い立たせます。企業がプロセス、規律、専門性を導入しても、ビジネス意図、顧客とのつながり、従業員体験という精神的な三位一体を維持するように努めるべきです。それは成長だけでなく、偉大さへの鍵です。

  • Safeguarding: 守護、保護
  • organization's soul: 組織の魂、企業精神
  • critical if little appreciated: 重要でありながらあまり評価されていない
  • founding cohort: 創業メンバー
  • on par with: ~と同等に、~と同レベルで
  • equity splits: 株式分割
  • blossomed: 開花する、繁栄する
  • deliberate efforts: 意図的な努力
  • alchemy: 錬金術、神秘的な力
  • draw in: 引き付ける、呼び込む
  • fire up: 奮い立たせる、刺激する
  • strive to retain: ~を維持するように努める
  • spiritual trinity: 精神的な三位一体
  • secret to: ~への鍵、~の秘訣

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GOKO編集室
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