慶應法学部2025年英語:解答速報と問題解説 /インフルエンサーとプラットフォーム
2025年2月16日に行われた、慶應義塾大学法学部一般選抜の英語入試問題の解答速報を紹介します。
慶應法学部2025:試験概要
英語は変化なしですが、日本史と世界史の配点が100点→150点に大幅に増えました。
100点の時は配点率25%でしたが、150点になり33.3%になりました。

大問1:語彙問題
毎年微妙に変化する大問1ですが、2025年はAが共通するスペルを選択する問題、Bが前置詞を入れて熟語を完成させる問題でした。
大問1:解答
問題 | 解答 |
---|---|
1 | 8 |
2 | 4 |
3 | 1 |
4 | 3 |
5 | 2 |
問題 | 解答 |
---|---|
6 | 4 |
7 | 4 |
8 | 4 |
9 | 2 |
10 | 2 |
大問1:解説
(1):8 ue
- d_l : duel (決闘)
- d_t : duet (二重唱)
- f_l : fuel (燃料)
- cr_l : cruel (残酷な)
- fl_nt : fluent (流暢な)
(2):4.ia
- d_l : dial (文字盤)
- d_ry : diary (日記)
- tr_l : trial (裁判)
- l_r : liar (嘘つき)
- g_nt : giant (巨人)
(3):1. ai
- dairy (酪農)
- trail (裁判)
- fail (失敗する)
- hail (雹/ひょう)
- drain (排水溝)
(4) 3. ei
- rein (統治)
- heir (相続人)
- veil (ベール)
- vein (静脈)
- seize (掴む)
(5) h_l fr_d l_nch s_ce f_lt に 2. au を入れて
- haul (運ぶ)
- fraud (詐欺)
- launch (打ち上げる)
- sauce (ソース)
- fault (欠点)
B
(6) My boss leveled with me; if I don't bring in more sales, I will get fired.
「上司は私に率直に言った。もし私がもっと売り上げを上げなければ、クビになるだろうと。」
level with:(人)に率直に言う、正直に打ち明ける
(7) His plans to open his own restaurant sadly fell through at the last minute.
「彼が自分のレストランを開く計画は、残念ながら最後の最後でだめになった」
fall through:(計画などが)だめになる、失敗する
(8) Several students cooked up an excuse for not submitting their homework.
「数人の生徒が宿題を提出しなかった言い訳をでっちあげた」
cook up:(言い訳などを)でっちあげる、作り上げる
(9) After a hard day at work, she would wind down by listening to opera.
「仕事で大変な一日を過ごした後、彼女はオペラを聴いてくつろいだ」
wind down:(人が)くつろぐ、(緊張などが)和らぐ
(10) Just because you hit your sales target, you shouldn't bank on getting a promotion.
「売り上げ目標を達成したからといって、昇進を当てにするべきではない」
bank on:(人・物事)を当てにする、頼る/ *depend onやrely onと似た考え方です。
大問2:難語類推問題
例年通りの出題。
受験生が覚えるべき単語レベルを超えているため、単語の知識を問う問題ではなく、話の流れや品詞から"推測"する問題であると言えます。
【問題文冒頭】
Melchior the Magician
To some he was guilty of charlatanry , but I know better. Indeed, to me he would always be The Magnificent Mr. Melchior, "Mystic to Their Majesties of Moldova," as his calling card advertised. His shows, or "supernatural spectacles," as he was wont to term them, performed before the royal court, were naturally nothing short of marvelous.
大問2:解答
問題 | 解答 |
---|---|
11 | 7 |
12 | 9 |
13 | 5 |
14 | 2 |
15 | 0 |
問題 | 解答 |
---|---|
16 | 8 |
17 | 1 |
18 | 4 |
19 | 6 |
20 | 3 |
(11) charlatanry: ペテン、いかさま
(12) wont :(人が)…しがちである、習慣的に…する
(13) redolent of:〜を彷彿とさせる〜の香りや雰囲気を漂わせる。
(14) prestidigitation : 手品、奇術
(15) festooned with:〜で飾られた
(16) paraphernalia : 道具一式、装飾品
(17) arcane symbols:神秘的な記号
(18) emblazoned : (…を) 誇示する、(…を) 刻み込む
(19) flamboyant : 派手な、華やかな
(20) transmogrify: 劇的に変身する、 異形にする、変化させる
- uroboros:ウロボロス自分の尾を噛む蛇で、永遠や循環の象徴。
大問2:日本語訳
参考程度ですが、内容は以下の通りです。
魔術師メルキオール
ある者は彼をいかさま師だと非難したが、私はそうは思わない。私にとって、彼はいつまでも「華麗なるミスター・メルキオール」、すなわち彼の名刺に記された「モルドバ王家の神秘家」であった。
彼のショー、あるいは彼が好んで呼んだ「超自然的な見世物」と称した舞台は、王宮の前で繰り広げられる以上、当然のことながら驚異的なものだった。眩い光がただ一つ、まるで太陽を象徴するかのように輝き、エジプトの笛の旋律が空気を漂う中、メルキオール氏は突如、煙とともに舞台中央へと現れるのだった。彼は、長く流れるような魔術師の衣をまとい、その頭にはナイル川沿いのカルナック神殿に仕える古代の大司祭を思わせる独特な帽子を被っていた。
そこから始まるのは、息をのむほど見事な魔術の数々。幻影を生み出し、心を読み、蛇を手なずけ、消えては現れ、予言をなし、華麗な指さばきで観客を魅了する。彼の芸は見る者を驚かせ、喜ばせずにはいられないものだった。
だが、彼の真の妙技を垣間見ることができるのは、彼の自宅の地下室にて、一対一で対峙したときである。その地下室——メルキオール氏が「神秘の洞窟」と呼んでいた場所——は、薄暗く湿り気を帯び、あらゆる魔術の道具で飾られていた。そこには、古びた動物の骨や漂白された人間の頭蓋骨、不思議な色の液体が入った埃をかぶった瓶、そして古代の呪文めいた象徴が記された掛け軸が吊るされていた。
部屋の隅には頑丈なオーク材の机があり、その上には、まるで神話に登場する獣の皮で装丁されたかのような巨大な書物が置かれていた。本の表紙には、永遠の象徴とされるウロボロス——すなわち、自らの尾を噛む蛇——の紋章が刻まれていた。
地上では華やかな舞台人であったメルキオール氏も、この地下の魔術研究室では一変する。派手な演者の仮面を脱ぎ去ると、彼は静かで沈思黙考する、実に真剣な魔術の学者へと姿を変えたのだった。
お知らせ
大問3:会話問題
2025年は2024年よりも素直で解きやすい問題でした。
大問3:解答
問題 | 解答 |
---|---|
21 | 4 |
22 | 3 |
23 | 5 |
24 | 2 |
25 | 1 |
問題 | 解答 |
---|---|
26 | 2 |
27 | 1 |
28 | 4 |
29 | 3 |
30 | 5 |
大問4:解説
(21) Nothing bad, I hope?
トムは、ジャッキーからスーザンが自分について何を聞いているのか少し気にしています。"Nothing bad"(悪いことではないといいけど)は、そのような場面で相手に軽く確認するのに適したフレーズです。
(22) Likewise
トムが「会えて嬉しい」と言ったのに対し、スーザンも同じ気持ちであることを伝えるために "Likewise"(こちらこそ)を使っています。この表現は、相手の言葉に対して簡潔に同意を示す丁寧な返答です。
(23) Such as?
スーザンがトムに自己紹介を促したのに対し、トムは具体的にどのような情報を知りたいのかを尋ねています。"Such as?"(例えば?)は、相手に具体例を挙げてもらい、会話をスムーズに進めるための自然なフレーズです。
(24) I wouldn't say that.
スーザンがトムを外出しないタイプだと推測したのに対し、トムはそうではないことを丁寧に否定しています。"I wouldn't say that"(そうとは言えない)は、相手の意見を和らげながら否定し、自分の意見を述べる際に使われます。
(25) Aside from
テイラー・スウィフトの話題から、トムの他の興味について話を移すために "Aside from"(~はさておき)を使用しています。この表現は、ある話題から別の話題へ自然に移行するのに役立ちます。
(26) of course not
トムが「悪いことは聞いていないか」と尋ねたのに対し、スーザンは "of course not"(もちろんそんなことはない)と強く否定しています。この表現は、相手の心配を払拭し、安心させるために適しています。
(27) a bit about
スーザンはトムについて少しでも知りたいという気持ちを表しています。"a bit about"(~について少し)は、相手に負担をかけずに情報を求める際に使われる丁寧な表現です。
(28) not start with
スーザンは話題のきっかけとして趣味について尋ねることを提案しています。" not start with"(~から始めない?)は、会話の流れを自然に作るための提案表現で、「趣味の話から始めてみるのはどう?」というニュアンスになります。
(29) not one for
スーザンはトムの趣味を聞いて、彼が外出をあまり好まないタイプではないかと推測しています。"not one for"(~が得意ではない)は、特定の活動や習慣に対する相手の傾向を表す際に使われる表現です。
(30) not what you'd call
トムはハイキングを本格的にはしないが、時々散歩は楽しむことを伝えています。"not what you'd call"(~とは言えない)は、完全には当てはまらないが、多少の関連性はある場合に使う表現です。
2024大問4:和訳
トム:こんにちは、あなたがスーザンさんですね。
スーザン:ええ、あなたはトムさんですよね?ジャッキーからあなたのことは色々聞いています。
トム:悪い話じゃなければいいんだけど。
スーザン:まさか、そんなことないわよ!
トム:とにかく、お会いできて嬉しいです。
スーザン:こちらこそ。
トム:何か飲み物でもお持ちしましょうか?
スーザン:ええ、嬉しいわ。コーヒーをお願いします。
トム:分かりました。どこか座る場所を見つけておいてください。すぐに飲み物を持って戻ります。
スーザン:ええ、あそこの窓際のテーブルを取っておくわ。
(トムが飲み物を持って戻ってくる)
スーザン:早かったわね。
トム:うん、運が良かったよ。カウンターには他にあまりお客さんがいなかったんだ。
スーザン:それで、トムさん、あなたのことを少し教えてください。
トム:例えば?
スーザン:そうね、まずは趣味から話してみない?
トム:はい。僕は本を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いたりするのが好きです。
スーザン:じゃあ、あなたはあまり外出しないタイプなの?
トム:そうとは言えません。映画は映画館の大きなスクリーンで見るのが好きですし、音楽もライブに行くのが好きです。
スーザン:最後に観に行ったコンサートは?
トム:ロンドンのウェンブリー・スタジアムでのテイラー・スウィフトのライブです。
スーザン:羨ましい!私も行きたかったんだけど、チケットが取れなかったの。
トム:そうですよね!チケットはいつも発売と同時に売り切れてしまいますから。テイラー・スウィフトが好きだってことは別として、他に何か興味はありますか?
スーザン:天気が良ければ、長い散歩に行くのが好きです。あなたはそういうのは好きですか?
トム:うーん、本格的なハイカーとは言えませんが、時々散歩を楽しむことはありますよ。
大問4:「ひれふせ、女たち」の著者が語るフェミニズム

- あなたのパートナーを連れて… / Take Your Partner…
- インタビュイー:ケイト・マン / Kate Manne (2021)
- 語数:750語程度
お馴染みのインタビュー問題。
2019年に、プロスペクト誌が選ぶ世界の思想家トップ50に選ばた哲学者のインタビュー。
日本でも著書が2冊翻訳されていますが、著書からもフェミニスト的な活動をしていることがわかります。
謙虚で誠実な姿勢が見て取れるインタビュー記事でした。
大問4:解答
問題 | 解答 |
---|---|
31 | 4 |
32 | 9 |
33 | 2 |
34 | 7 |
35 | 8 |
問題 | 解答 |
---|---|
36 | 6 |
37 | 3 |
38 | 1 |
39 | 5 |
大問4:英文和訳
設問と選択肢の大意は以下の通りです。
(31) The Guardian newspaper has called you "a once-in-a-generation thinker." Allowing for exaggeration, is that how you see yourself?
4:I'm very flattered, but no. That kind of individualism in highlighting one person at the expense of others is just not how I think.
ガーディアン紙はあなたを「一世代に一度の思想家」と評しました。誇張を考慮して、あなたはご自身をそのように見ていますか?
とても光栄ですが、そうではありません。他人を犠牲にして一人を強調するような個人主義は、私の考え方とはまったく異なります。
- flattered (フラタァド):光栄に思う、喜ぶ
(32) While reflecting on growing up, you recently said: "I was very much constructed to be what I am." What did you mean by that?
9:I think my parents gave me a great gift, really, in treating me like a budding intellectual from a very young age. For example, car rides with my dad would often involve him giving me mini-lectures on Russian history, or we would have really in-depth philosophical conversations. I wrote a lot of terrible, childish poetry with my mother. They gave me what a lot of girls don't have, which is a sense that my mind mattered. I had an extremely happy childhood, in a wonderful, nurturing environment.
最近、成長期を振り返って、「私は今の私になるように作られた」と仰いました。それはどういう意味ですか?
私の両親は、私が非常に幼い頃から私を新進の知識人のように扱ってくれたので、本当に素晴らしい贈り物をくれたと思います。たとえば、父との車の乗り物は、彼が私にロシア史に関するミニ講義をすることが多く、または私たちは本当に深い哲学的会話をしました。私は母とたくさんのひどい幼稚な詩を書きました。彼らは私に、多くの女の子が持っていないもの、つまり私の心が重要であるという感覚を与えてくれました。私は素晴らしい育成環境の中で、非常に幸せな子供時代を過ごしました。
- what I am: 現在の私
- budding (バディング):新進の、芽生え始めた
- in-depth (インデプス):徹底的な、詳細な
- nurturing (ナーチャリング):育成する、育む
(33) You've said that your treatment while at high school was so abusive, ugly and violent that you can't go within 10 kilometers of the place without starting to panic. That suggests that this formed you in other ways than intellectually.
2:Yes, undoubtedly. I would say I'm someone who has as many girls and women do - some history of trauma or emotional distress; and that has shaped me.
あなたは高校時代の扱いは非常に虐待的で、醜く、暴力的で、その場所から10キロ以内にはパニックを起こさずにいられないほどだと仰いました。これは、知的な面以外にも、あなたが形成されたことを示唆しています。
はい、間違いありません。多くの少女や女性がそうであるように、私もトラウマや精神的な苦痛の経験があり、それが私を形成しました。
(34) In your latest book, Entitled, you tell many powerful stories of discrimination and harm to women, but you don't relate any personal experiences. Why not?
7:It's interesting, I often choose not to do so unless it's absolutely essential. I tend to think that it would be a bit distracting if I put myself at the center of the narrative. That being said, I occasionally will include a footnote that relates a personal anecdote, because I simply can't find a substitute.
最新の著書『Entitled』では、女性に対する差別や危害に関する多くの力強い物語を語っていますが、個人的な経験は語っていません。それはなぜですか?
興味深いことに、私は絶対に必要でない限り、そうしないことをよく選びます。物語の中心に自分を置くと、少し気が散るように思います。そうは言っても、代替品が見つからないため、個人的な逸話を関連付ける脚注を含めることがあります。
- narrative (ナラティブ):物語、語り口
- anecdote (アネクドート):逸話、小話
- substitute (サブスティチュート):代用品、代替
- That being said:そうは言っても(実は分詞構文)
(35) If you're not religious, where do you go for your own sense of what's right and wrong?
8:That's a great question. My view is that the most fundamental moral needs are a matter of basic bodily needs that cry out to others for some kind of relief or satisfaction. So, thirst and hunger, a need for belonging and shelter and social security, a need to avoid humiliation. A rough test is: Could you torture someone by keeping any one of these necessities from them?
もしあなたが宗教的でないなら、あなた自身の善悪の感覚はどこから来るのですか?
素晴らしい質問です。私の見解では、最も基本的な道徳的ニーズとは、何らかの救済や満足を求めて他者に訴える基本的な身体的ニーズの問題です。つまり、喉の渇きや空腹、所属や住居、社会保障の必要性、屈辱を避ける必要性などです。大まかなテストとして、「これらの必需品を誰かから奪うことによって、その人を拷問できますか?」という問いが挙げられます。
- humiliation (ヒュミリエイション):屈辱、恥辱
- necessities (ネセシティーズ):必需品、必要物
(36) Do you consider yourself an activist?
6:It's not an identity that I am particularly invested in, but I wouldn't object to someone labeling me as such. I'm certainly someone who's motivated in my intellectual work by a sense of what needs to change and I'm usually most interested in questions that I think are related to pressing issues of social justice; but I'm not really doing the most direct work.
ご自身を活動家だとお考えですか?
それは私が特にこだわっているアイデンティティではありませんが、誰かが私をそのようにラベル付けすることに反対はしません。私は確かに、何を変える必要があるかという感覚によって知的な仕事に意欲を持っている人物であり、通常、社会正義の差し迫った問題に関連していると思われる質問に最も関心がありますが、私は実際に最も直接的な仕事をしているわけではありません。
(37) What role do you think men can and should play in challenging male entitlement and its effects?
3:I think potentially a huge one. Not to say that they usually do, but I think they can use their privilege for good and, in the first place, help us all to take these problems seriously and amplify the voices of those who historically wouldn't have been as listened to. So, that's a start. Also, of course, there is calling out instances of sexism.
男性の特権とその影響に挑戦する上で、男性はどのような役割を果たすことができる、また果たすべきだとお考えですか?
潜在的に非常に大きな役割があると思います。彼らがいつもそうするとは言いませんが、彼らは自分たちの特権を良いことに利用し、まず第一に、私たち全員がこれらの問題を真剣に受け止め、歴史的にあまり耳を傾けられなかった人々の声を増幅させるのを助けることができると思います。それが始まりです。また、もちろん、性差別の実例を指摘することも重要です。
- privilege (プリビレッジ):特権
- amplify (アンプリファイ):増幅する、強調する
- instances (インスタンスィズ):実例、例
(38) Why do you think so few university philosophy posts are held by women?
1:I think that within this particular subject area there is a culture of having vigorous disagreements, and I think that can be very liberating for women since often in society there is limited space for them to do so, particularly with male authority figures. But, at the same time, that means that in order to practice this discipline, women have to do something that is kind of socially forbidden, and that can be socially punished. So, I think they are often subject to a lot of sexism within the field, in addition to sexual harassment, which, unsurprisingly, is very discouraging.
大学の哲学のポストに女性が非常に少ないのはなぜだと思いますか?
この特定の主題領域内には、活発な議論を行う文化があると思います。社会では女性がそうする余地が限られていることが多いので、特に男性の権威者に対して、それは女性にとって非常に解放的である可能性があります。しかし同時に、この分野を実践するためには、女性は社会的に禁じられているようなことをしなければならず、それは社会的に罰せられる可能性があります。ですから、彼女たちはこの分野内で多くの性差別にさらされることが多く、さらに性的嫌がらせも加わり、それは当然のことながら非常に意欲を削ぐものです
- vigorous (ヴィゴラス):元気な、活発な、力強い
- discipline (ディシプリン):分野、学問、訓練
- subject (サブジェクト):さらされる、受けやすい
(39) Where is your thinking taking you next?
5:Well, recently I've been kind of occupied by questions about the way people are prevented from identifying the injustices they're facing, both in their relations with other individuals and in broader political contexts. It seems to me that, crucially, we all need tools to help us question certain basic social assumptions, without feeling guilty or ashamed or crazy - I think that's something I want to pursue.
あなたの思考は次にどこへ向かっていますか?
そうですね、最近、私は人々が直面している不正義を、個人間の関係とより広範な政治的背景の両方において、認識することを妨げられている方法についての疑問に没頭しています。重要なのは、私たち全員が、罪悪感や恥、または狂気を感じることなく、特定の基本的な社会的仮定に疑問を呈するためのツールを必要としているように私には思えます。それは私が追求したいことです
大問5:長文読解

- SNSのインフルエンサーとプラットフォーム:権力移行への希望はあるのか?
Social Media Influencers and Platforms: Is There Hope for a Power Shift? - オリジナル
- 語数:800語程度
2024年はSNS上のフェイクニュースがテーマだったため、2年連続でSNS関連の英文が出題されました。
一部引用はあるものので、出典がないことから、慶應オリジナル英文だと予想されます。
伝説の入試問題「ラトロム帝国」(2004~2005年)など、法学部は過去にもオリジナル英文を出題してきました。
【問題文冒頭】
In 2020, Russian government officials reached out to members of the country's booming influencer industry ahead of a constitutional referendum that would offer the opportunity to extend the Vladimir Putin administration to 2036. (Putin is, himself, perhaps Russia's most popular influencer-strategically releasing Instagram-worthy topless shots shooting, fishing, and riding a horse.) A handful of top Russian influencers were offered up to $100,000 to create posts advising their audience to vote in favor of the amendments, The New York Times reported, but many said no, citing damage to future partnership opportunities, authenticity, and brand image.
内容はSNSのインフルエンサーやプラットフォームが政治的な影響力を持つようになった現状について論じています。
テクノロジーの歴史を振り返ると、テクノロジーの進化が必ずしも社会の進歩に繋がるとは限らず、ソーシャルメディアが本当に権力の移行をもたらすのかという疑問を投げかけています。
大問5:解答
問題 | 解答 |
---|---|
40 | 5 |
41 | 3 |
42 | 2 |
43 | 5 |
44 | 4 |
45 | 3 |
46 | 5 |
問題 | 解答 |
---|---|
47 | 5 |
48 | 2 |
49 | 1 |
50 | 4 |
51 | 5 |
52 | 3 |
53 | 1 |

大問5:解説
一部問題を解説します。
段落[E]の整序問題(44)-(45)
Not only are politicians influencers, but the platforms they exist on have now accumulated such influence they have become key political players themselves. Their banks of data, influence on information flow, and role as public infrastructure for millions of global citizens can make Facebook, Tik Tok, YouTube, and Twitter (Y:a force to contend with for the most experienced of ) political influencers.
make O C:OをCにする
make Facebook, TikTok, YouTube, and Twitter a force:Facebook, TikTok, YouTube, Twitteをとある勢力にする
a force (to contend with)( for the most experienced of political influencers).
前置詞 "with" と "for" が並んでいますが、それぞれ異なる役割を持っているため文法的に問題ありません。a force (to contend with)で「争うべき勢力」や「手強い勢力」として解釈しましょう。
make Facebook, TikTok, YouTube, and Twitter a force to contend with:Facebook, TikTok, YouTube, Twitteを争うべき手強い勢力にする。
for 以下は「最も経験豊富な政治インフルエンサーにとって」という意味になります。
和訳
政治家がインフルエンサーであるだけでなく、彼らが存在するプラットフォームもまた、非常に大きな影響力を蓄積し、主要な政治的プレーヤーとなっています。
これらのプラットフォームは、膨大なデータの蓄積、情報の流れへの影響力、そして世界中の何百万もの市民にとっての公共インフラとしての役割を担うことで、Facebook、TikTok、YouTube、そしてTwitterを、最も経験豊富な政治インフルエンサーにとって、対抗せざるを得ない強大な勢力へと変えています。
同じような構造を持つ例文を1つ紹介しておきます。上記がわかったら和訳に挑戦してみてください。
"The new policy is a challenge to deal with for even the most seasoned lawyers."
(その新しい政策は、最も経験豊富な弁護士にとっても、対応が難しい課題だ。)
段落[G]の空所補充問題 (47)
While it (see Q. 47) a hierarchy, the creator landscape is (see Q. 47) by a compelling promise: anyone can become an influencer, all you need is a mobile phone and a positive attitude. Top creators only (see Q. 47) because people have liked and subscribed, and they are free to follow and unfollow any time. The word "platform" itself (see Q. 47) equality; a flat organizational structure offering fair opportunity for improvement of one's position within the digital class system. Influencing is (see Q. 47) on a philosophy of granting the individual more freedom and power, and influencers supposedly (see Q. 47) a power shift from institutions to individuals, a disruptive process of democratization, and a revolution in information, culture and technology.
- "While it represents a hierarchy":
文頭の"While"は「~だけれども」という意味の接続詞であり、後ろに続く文との対比を示唆しています。したがって、ここでは「階層を表してはいるが」という意味になるように、"represents"が適切です。 - "the creator landscape is backed by a compelling promise":
「クリエイターの世界は、魅力的な約束によって裏打ちされている」 - "Top creators only exist because people have liked and subscribed":
「トップクリエイターは、人々が「いいね」や購読をしたからこそ存在している」 - "The word "platform" itself implies equality":
「"プラットフォーム"という言葉自体が、平等を意味している」 - "Influencing is sold on a philosophy of granting the individual more freedom and power":
「インフルエンサー活動は、個人により多くの自由と権限を与えるという思想を売りにしている」 - "influencers supposedly represent a power shift from institutions to individuals":
「インフルエンサーは、制度から個人への権力の移行を象徴しているとされている」

段落[H]の段落内整序問題 (48)-(52)
Looking back at the history of technology suggests this may not be the case. "I'm always cautious about terming something (2. a revolution when it's not about power changing hands)," remarks technology historian Professor Mar Hicks. He describes a theory first put forward in 1976: technology is fundamentally (1. conservative in nature and works to preserve the status quo); its widespread adoption tends to hinder- not help-social progress, (4. despite giving off the superficial appearance of advancement). Hicks, observing the so-called "computer revolution" of the 1980s and 1990s, notes how: "If a 'revolution' had occurred, that should mean that (5. the computerization of the US and other nations changed who was in control). It really didn't. If anything, it just enlarged the billionaire class and (3. concentrated power in the hands of the people who already had it)." The same can be said of influencers.
(48) "a revolution when it's not about power changing hands":
テクノロジーの歴史を振り返り、「権力の移行を伴わないものは革命とは呼べない」と述べていることがわかります。
(49) "conservative in nature and works to preserve the status quo":
1976年に提唱された理論として、「テクノロジーは本質的に保守的であり、現状維持に働く」と述べてます。
(50) "despite giving off the superficial appearance of advancement":
テクノロジーの普及が社会の進歩を妨げる傾向があると述べた上で、「進歩の表面的な外観を与えているにもかかわらず」という対比を示しています。
(51) "the computerization of the US and other nations changed who was in control":
1980年代から1990年代の「コンピューター革命」を振り返り、「もし革命が起こったのなら、誰が支配権を握るかが変わったはずだ」と述べています。
(52) "concentrated power in the hands of the people who already had it":
「実際には、億万長者階級を拡大し、すでに力を持っていた人々に権力を集中させただけだった」
和訳
テクノロジーの歴史を振り返ると、そうではないかもしれないことが示唆される。「私は、権力の移行を伴わないものを革命と呼ぶことには常に慎重です」と、テクノロジー史家のマー・ヒックス教授は述べている。彼は、1976年に初めて提唱された理論について説明する。その理論によれば、テクノロジーは根本的に保守的な性質を持ち、現状維持に働く。その広範な普及は、進歩の表面的な外観を与えているにもかかわらず、社会の進歩を妨げる傾向がある。ヒックスは、1980年代と1990年代のいわゆる「コンピューター革命」を観察し、次のように述べている。「もし『革命』が起こったのであれば、それはアメリカや他の国々のコンピューター化が支配者を変化させたことを意味するはずです。しかし実際にはそうはなりませんでした。むしろ、億万長者階級を拡大し、すでに力を持っていた人々に権力を集中させただけでした。」 同じことがインフルエンサーにも言える。
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