慶應義塾大学 総合型選抜(推薦入試)完全攻略ガイド|SFC・文学部・法学部・理工学部の対策まで解説
慶應義塾大学への進学を目指す高校生の中には、推薦入試を活用して合格を目指す方も少なくありません。
一般入試は難関で倍率も高いため、推薦入試を上手に活用することで、合格への道を広げる可能性もあります。
本記事では、慶應義塾大学における総合型選抜(AO入試・自己推薦)を中心とした推薦入試の種類や出願時のポイントを解説します。
自分に合った入試方式を見つけ、しっかりと準備を整えましょう。
慶應推薦入試の種類
慶應義塾大学の入試は大きく以下の4つに分かれます。

自己推薦やAO、FIT入試など学部によって呼び方は異なりますが、現在はまとめて総合型選抜と括られます。
そのため「推薦で慶應を目指す!」という場合、一般的には総合型選抜での合格を目指すことになります。
指定校推薦は通っている高校にそもそも枠があるかによって出願の有無が決定するため、ここでは自主応募型の総合型選抜を中心に解説します。
これら総合型選抜を詳しく見る前に、慶應の推薦入試に求められる力を考えてみましょう。
推薦で慶應に合格するために必要な力
まず、推薦で慶應に合格するのは簡単ではありません。
多くの大学の推薦入試では、高校での成績や人間性に問題がなければ合格できる確率が高い傾向にあり、学力面で挑戦的な目標を立てることも可能です。
一般的な大学であれば、学校でそこそこの成績を成績を収め、人格的に問題がなければ合格する確率が高いです。はっきり言えば、学力の2段階上位の大学を目指すことができます。
しかし慶應の場合、合格のハードルが一気に上がります。
最低限の学力や人間性に加え、「キラリと光る何か」が求められます。それは、突出した能力かもしれませんし、学問に向かう真摯な姿勢、あるいは圧倒的な行動力からくる実績かもしれません。
いずれにせよ、面接官を「おっ」と思わせる魅力が必要となります。無難ではやや物足りないのです。書類では演出することができても、面接で少し話せば真偽は簡単に見抜かれてしまいます。
毎年、出願時期の間近になって推薦を目指す受験生が多数います。
十分な学力や実績を積んでいる場合は問題ありませんが、残り数ヶ月から目指す場合は、それなりに負荷がかかることを肝に銘じておいてください。
高1~2年の間に、目標設定、学業成績の維持、探求活動や課外活動への積極的な参加など、具体的な準備を進めておくことが大切です。
それではここから、学部別に推薦の詳細を見ていきましょう。
SFC(総合政策学部・環境情報学部)

- 出願時期:6月上旬 / 9月上旬
- 募集人数:150名
- 評定平均:不要
- 出願準備:志望動機・自己PR・活動報告・第三者評価×2名
- 筆記試験:無し
- 面接試験:30分
- 現役既卒:既卒可
SFCのAO入試は、慶應の推薦入試で最も募集人数が多く、最も有名な入試の一つです。
評定平均不要で学力試験も無く、学力以外の総合的な能力や活動を評価してくれるのが最大の特徴です。
前提となるハードルが低い代わりに、出願のハードルが高いのも事実です。他学部と比べても準備すべき書類が多く、出願するだけでもかなり労力がかかります。


面接も1人30分と長く、付け焼き刃な知識や生半可な志望動機は簡単に見抜かれてしまいます。
出願資格はほぼないため、毎年多くの人が合格のチャンスを狙って志願しますが、難易度も大変高いです。
学力試験が無いのは魅力ですが、安易な気持ちで出願しないよう注意しましょう。
関連記事>>>「ゼロから始める面接対策」著者 菊池秀策先生に聞く!面接官が納得する志望動機や合格する活動実績の作り方
文学部:自己推薦入試

- 出願時期:11月上旬
- 募集人数:120名
- 評定平均:4.1以上
- 出願準備:軽め
- 筆記試験:小論文+英語
- 面接試験:無し
- 現役既卒:既卒不可・現役のみ
文学部の推薦入試は自己推薦です。そのため、高校の認可は不要で自己完結できます。
出願準備も他学部と比べれば比較的軽く、面接もありません。
一方、一般選抜並みの小論文と英語(和文英訳)のペーパーテストが課せられ、この出来が合否を大きく左右します。
評定平均の要件も高く、コツコツ勉強してきた受験生が一般選抜対策にプラスアルファして受験するのがオススメの入試です。
>>>慶應文学部自己推薦入試対策(作成中)
筆記の過去問はHPで公開されていませんが、赤本で確認することができます。
法学部:FIT入試(A方式・B方式)

慶應法学部の推薦は「FIT入試」の名称が付けられています。
A方式とB方式に分かれ、いずれも法律を含め社会科学の深い理解が求められます。
最大の違いは評定平均の要件です。A方式は評定平均不問に対し、B方式では*4.0以上の評定が求められます。(2025年度入試の場合)
出願に限って違いをざっくり言えば、
- A方式:評定は求められませんが、活動報告をまとめた自己推薦書が必要
- B方式:評定は求められ、自己推薦は不要ですが代わりに第三者の推薦(評価書)が必要
となります。それぞれもう少し詳しくみていきましょう。

A方式
- 出願時期:9月上旬
- 募集人数:最大80名
- 評定平均:不要
- 出願準備:2,000字の志望理由+自己推薦書
- 筆記試験:2,240字以内の論述
- 面接試験:15分の口頭試問
- 現役既卒:既卒可
A方式は評定平均が不要です。その代わり、自己推薦で十分なPRしなければなりません。その意味で、B方式より準備がやや大変です。
また、評定の裏付けがない分、論述試験と口頭考査で法学部で学ぶ基礎ができているか問われます。
論述試験では例年、50分の講義を受け、それに関連する論述問題(2,240字以内)を45分で書き上げます。
口頭試問は15分ですが、普段から準備しておかないとその場の思いつきで回答するには困難な問いが投げかけられます。
2025年入試では、生成AIを司法や政治の世界に持ち込むことの是非が問われました。
B方式
- 出願時期:9月上旬
- 募集人数:最大80名
- 評定平均:4.0以上
- 出願準備:2,000字の志望理由+第三者の評価書
- 筆記試験:400字×2問の論述
- 面接試験:10分
- 現役既卒:既卒可
B方式は、評定平均が求められる一方、出願にかかる労力は標準的です。
ただし、教員の評定書が求められるので、受験を決めたら早めにお願いする必要があります。
筆記試験も、A方式と比べれば記述量も少なく、対策が立てやすい印象です。
FIT入試の過去問
幸いなことに法学部FIT入試は公式が過去問を公開しています。
基礎がついたら、過去問に出てくる知らない言葉をどんどん調べて、この領域についての知見を深めてください。
理工学部:AO入試

- 出願時期:9月下旬〜
- 募集人数:24名
- 評定平均:4.1以上
- 出願準備:2,000字の志望動機
- 筆記試験:志望学科の知識を問う記述問題(化学科は無し)
- 面接試験:20~40分
- 現役既卒:既卒可
バランスの良い総合力が求められるのが理工学部のAO入試です。主な対策のポイントは以下3点です。
- 前提:4.1以上の評定平均
- 出願:2,000字の志望動機
- 選考:筆記と面接
コツコツ勉強し、将来の目標や大学での研究したいことが明確な高校生向けの試験になっています。
推薦入試のメリット・デメリット
推薦入試を利用するメリットとデメリットを整理しておきましょう。
メリット
- 合格のチャンスが広がる
- 自分の強みや課外活動の実績を評価してもらえる
- 志望理由が明確になり、入学後の学習意欲につながる
デメリット
- 高校の成績や活動実績が重視される
- 面接や書類作成に時間がかかる
- 一般選抜対策に割く時間が減ってしまう可能性がある
推薦入試を受ける際は、これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、自分に合った選択をすることが重要です。
まとめとアドバイス
應義塾大学の総合型選抜は、単に「学力」では測れない、受験生の人間性・個性・行動力・志を評価する貴重な機会です。
各学部ごとに求められる能力や準備が異なるため、自分の適性やこれまでの経験に合った方式を選び、戦略的に準備を進めることが重要です。
もし、「慶應の推薦入試に挑戦してみたい」とお考えの方は、ぜひ早めに情報収集と準備を始めましょう。
必要であれば、弊塾含め、専門家や学校の先生に相談してください。
あなたの努力が、慶應義塾大学合格への確かな一歩となることを願っています。
*未成年の方は、必ず保護者の許可をとった上でご連絡ください。
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